over35のための「ぼちぼち起業」 第4回

30代で起業・独立するなら「副収入」を確保して 避けたい副業、やるべき副業

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク
30代で起業・独立するなら「副収入」を確保して 避けたい副業、やるべき副業

30代の女性のための起業を考えるこの連載。今回のテーマは「稼げるようになるまでの3年をどう乗り切るか」です。

どんなに「いける!」と確信しているビジネスでも、軌道にのって、実際にその収入で食えるようになるには最低3年かかります。「3年は食えない」という前提で、会社員を続けながら副業として起業するか、会社は辞めても何らかの副収入を確保するか、30代のいい大人ならセーフティネットは用意しておきたいもの。一体、どんな準備をしておけば30歳を過ぎてからでも安心して起業できるのでしょうか?

起業一年目は「収入ゼロ」を覚悟して

事業を続けられなくなる最大の理由は「資金のショート」です。

会社員のうちは、とにかく毎日会社で働いていれば、月々給料日がやってきますが、会社経営者や個人事業主になれば、当然ながら、資金繰りはそう単純ではありません。

まず、いい商品を作り、営業をして信頼を得るまでが一苦労。そこから実際に注文をとって、商品を仕入れたり製造したりして、商品を納品した後で初めて代金を請求できるようになります。さらに、請求書を送付してから入金まで一般的に1、2ヵ月はかかりますから、毎月決まった日に収入が得られた会社員時代とは大違いです。

ビジネスが軌道にのって、「営業→受注→仕入れ・製造→納品→請求→入金」という一連のサイクルがスムーズに回るようになれば、入金までのタイムラグはそれほど問題になりませんが、起業してから最初の入金までは、とにかく時間がかかります。このタイムラグを甘く見積もっていたばかりに起業後間もなく「資金ショート」に陥るケースは多々あります。

では、この最初の入金までのタイムラグは、どのくらいあると考えておけば安全なのでしょうか?

ビジネスの形態にもよりますが、最低「1年」のつもりでいましょう。起業・独立から最初の1年は入金ゼロでも、仕事も生活も回していけるだけのお金(事業資金と生活費)をきちんと用意しておくこと。それが起業準備ではマストです。

「退職金で何とかなる」は最大の落とし穴

生活費に関しては第2回で触れましたので、今回は事業資金について詳しく説明しましょう。ここで頭に入れておきたい「事業資金」には「開業資金」「固定費」「変動費」の3つです。

「開業資金」は、文字通り開業時にかかるお金のこと。店舗を借りるための礼金・敷金、店舗の内装費用、デスクや事務機器の購入費用、ホームページ制作費が含まれます。事業計画について税理士さんや経営セミナーの講師といったプロから受けたアドバイス料もここに入ります。

2つ目の「固定費」は、毎月かかる経費のうち、お客さんがいてもいなくてもかかる費用のこと。店舗や事務所の家賃、スタッフのお給料や社会保険料、ホームページのサーバー利用料などですね。3つ目の「変動費」は、商品の仕入れ代金、広告宣伝費、商品開発費、研修費など、経営状況に応じて調節できる費用を指します。

起業する際に特に気をつけたいのが「固定費」です。特に飲食店やサロンで店舗を借りようとする場合は要注意。会社員を辞めると一度に数百万の退職金がもらえてつい気が大きくなり、「カッコいい店舗を借りよう」なんて考えがち。でも、本当に店舗を借りないとできない仕事なのかよく考えてから決めてください。もしかしたら、自宅やシェアオフィス、時間貸しのシェアサロン、またはお客さんを訪問する形でも十分やれる仕事かもしれません。

店舗の家賃が負担になって、広告宣伝費や商品開発費といった「変動費」が削られてやりたいことがやれなくなってしまっては元も子もありません。自由度を下げないように「固定費」を調整しましょう。

「開業資金」もHPなどは簡単に作れるアプリを利用して自分で制作する、事務用品はリースするなど、抑えられるものは抑えた方がベターです。とにかく「1年は売り上げゼロ」を覚悟してお金のやりくりをすることです。

避けたい副業、やるべき副業とは?

第2回では、安全にスタートできるまで会社員を続けるようにと書きましたが、実際に会社員と二足のわらじでやっていくのは困難な場合もあります。「副業禁止に抵触する」「時間が取れない」「同僚にバレる」といった状況は十分ありえます。

早々に会社を辞める場合は、食えるようになるまでの3年間だけ「副業」をやるのもありです。本業一本で「このまま続けて大丈夫かな……」と不安に苛まれながらやるよりは、「生活はなんとかなる」と思える額を副業で確保しておいた方が、精神的な自由度はキープできるはずです。

注意しておきたいのは、「副業」は単なるアルバイトではないということ。ファーストフード店やコンビニで深夜アルバイト始めろと言っているわけではないのです。そういう「ただ日銭を稼ぐだけ」の副業をしてもエネルギーが分散してしまい意味がありません。ここでいう「副業」とは、なるべく本業に近く、本業に必要な知識が学べる業種で週2、3日アルバイトをすること。

たとえば、同業の先輩の事務所でアシスタントをする、スクールのインストラクターとして登録するなど、いろいろな選択肢があります。先輩の仕事の仕方を学びながら、お金までもらえるのはありがたいこと。仮に週に3日、時給1000円で7時間アルバイトすれば、月に8万4000円の収入になります。これだけで生活するのは無理ですが、起業準備中に貯めておいた貯金と合わせれば、無収入よりはココロに余裕が生まれるはずです。

そして、副業の何よりのメリットは「自信」と「信頼」が身につくこと。実地で経験を積むうちに、「起業・独立した業種でやっていけそう」という自信がついたり、仕事仲間や見込み客との間に信頼が生まれたりとメリットがあります。その意味でも最初の3年はうまく「副業」を活用したいですね。

起業・独立してもなかなか物事がうまくいかない時、ひとりで悩んでいても扉はなかなか開きません。そういう場合に力になるのが、同業者同士、経営者同士のネットワークです。同じ道を試行錯誤しながら歩んできた先輩たちに教えを請うてみると、何かヒントがみつかるものです。

どうでしたか? 何で起業・独立しても「3年は食えない」と言われると、ちょっと怖気づいてしまいそうですが、それは「新しい一歩を踏み出したい」と決意した誰もが通ってきた道。あらかじめ対応策がわかっていれば、不要な苦労はせずにすみますから、くれぐれも慎重に準備を進めてくださいね!

この連載をもっと見る

35歳からのぼちぼち起業

好きなことしながら自由に生きたい。それなら“起業”も一つの選択肢かも。ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんと鈴木さや子さんに、35歳の起業のリアルと成功の秘訣を教えていただきます。

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

30代で起業・独立するなら「副収入」を確保して 避けたい副業、やるべき副業

関連する記事

編集部オススメ

多少の肌トラブルがあっても若さで乗り切れるのは20代まで。用賀ヒルサイドクリニック院長の鈴木稚子先生と一緒に、30代からは自己流の習慣を見直しましょう。

激務の通勤生活、今年で何年目? ふと気づけば、プライベートの暮らしは仕事に押しつぶされてぺちゃんこに。何のために頑張っているのかわからなくなることさえありますよね。「いつまでこんななんだろう」「働き方を変えたい」「でも方法が分からない」この連載では、そんな悩みや迷いをえいやっ!と乗り越えて、“ライフ”に“ワーク”をぐんと引き寄せてしまった彼女たちに話を伺います。

記事ランキング