人気連載「ポケット弁護士エリカちゃん」が第2シーズンに突入します! 今シーズンはお仕事関係のリーガルトラブルがテーマ。ブラック企業、社内不倫、副業、SNSなど、職場で何らかのトラブルに巻き込まれた時に泣き寝入りをせずに済むよう、リーガルマインドを養っておきましょう。「六法全書」の妖精にして辣腕弁護士のエリカちゃん(モデルはアディーレ法律事務所・篠田恵里香先生)がスパルタ・リーガルレッスンで、皆さんをリスク・マネジメントも抜かりない素敵な大人の女性に育て上げます。
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今、大きな社会問題になっている、ブラック企業。過酷な深夜残業やパワハラがまかり通る会社の空気、そういうものが今すぐ排除できればいいけれど、なかなかそうはいかないのが現状です。アディーレ法律事務所の篠田恵里香(しのだ・えりか)先生いわく「働く側もブラック企業かどうかを見きわめられるようにすることが大事!」。

「そろそろ転職しようかな」なんて考えているアラサーの皆さん、ここでしっかりブラック企業の見分け方を学んでおきましょう! 一見、超ホワイトに見える大企業にも“隠れブラック企業”があるそうです。


<今回のポイント>
【1】そもそもブラック企業って?
【2】ブラック企業を見極める3つのポイント
【3】転職サイトの情報は要注意!

【登場人物】

erika

エリカちゃん(永遠の30歳)
「六法全書」の妖精。本名はオピストコエリカウディア・スカルジュンスキィ。辛口で正論をバシバシ言うが、困っている人は放っておけない姉さんキャラ。神様から派遣され、困っている女性のリーガルマインドを鍛え直している。

sachi

サチ(30)
激務な広告代理店で営業をしている30歳独身、彼氏なし。Facebookで数年前に結婚報告をしていた友人たちが、最近続々と出産報告を始めてモヤっとしている。将来のことも考えて、転職をしようか考え中。

過労で倒れた30歳独身女の前にエリカちゃん現る

目を覚ますと、知らないベッドの上だった。しばし呆然……。一体何が自分に起こったんだろう。どこかで打ったのか、カラダのあちこちが痛い。

しばらくして頭もはっきりしてくると、自分が病院にいることがわかってきた。確か、仕事が終わらなくて結局終電にも乗れず、会社の近くでタクシーを拾おうとしてたとこまでは覚えてる。ここ何日か頭痛がひどかったから病院に行こうとは思っていたけれど、去年部署が変わってから部長のプレッシャーがキツくてそんなことも言ってられず、とにかくがむしゃらに働いていた。寝不足か貧血だろうと思ってたけど、まさか私、倒れたの……?

大きい会社もブラック企業? ブラックの定義って?

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「倒れたのよ。過労だって」

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「ひっ!!誰!?」

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「おはよう?。私の名前はオピストコエリカウディア・スカルジュンスキィ。六法全書の妖精よ!」

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「誰!?どこ!?(キョロキョロ)」

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「ここ!あなたに刺さってる点滴の袋の上!!」

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「点滴!?うわ!刺さってる!……うわ!!小さい人がいる!!!!」

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「エリカちゃんって呼んでね?」

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「……頭、打ったかな」

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「説明が面倒くさいわね……。もう夢でもなんでもいいわ。とにかく、私は “法律の心得”、特に不幸な女のリーガルマインドを鍛え直すために神様から派遣されてきたの。サチちゃん、あなた最近転職を考えてるでしょ?」

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「なんでそのことを……!」

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「そりゃそうよね。毎日深夜まで残業しても残業代はなし。上司からは毎日のように「仕事が遅い!給料分働け!」なんて言われて、こないだなんか「犬!」って言われてたでしょ」

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「……あ、あはは」

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「笑いごとじゃないわよ! あなたね、ブラック企業って言葉まさか知らないわけじゃないわよね?」

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「え……でも、うちの会社はそこそこ大きいし、それに広告代理店なんてみんなどこもそうでしょ?」

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「ブラック企業の定義は会社の規模に関係ないわ。労働者に極端な長時間労働やノルマを課す、残業代などの賃金を払っていなかったり、パワハラが横行してたり、とにかくコンプライアンス意識が低いの」

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「大企業でもブラックってあるんだ……」

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「そういう環境で働かせて耐えられない人を辞めさせるなどの選別をする。こういうことをしている企業をブラック企業って言うのよ。あなたが今勤めてるところそのものじゃない」

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「でも、そうしないと会社が回っていかないのも事実だから……」

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「そんなこと言って、転職しようと思ってたんでしょ? あのね、もちろんそういうブラックな激務に耐えられる人もいるでしょうよ。でもあなたは違う。現にこうやって倒れたわ。ねえ、自分の健康より大切な仕事なんかないし、激務に耐えられるかどうかなんてことはあなた自身の価値に関係ないはずよ」

ブラック企業を見分ける3つのポイント

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「……何も言い返せないや。本当は、なるべく早く転職しようと思ってるんだ」

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「転職活動にするにしても、きちんとブラック企業を見分けられるようになってもらいたいわね」

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「入る前にわかるものなの……?」

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「まず基本として抑えておきたいポイントが3つあるわ。一つ目は従業員数、募集人員数、募集頻度。この第1のポイントで「従業員が頻繁に辞めている」企業かどうかをチェックできるの。例えば100人程度の従業員数なのに、数ヵ月ごとに10人の募集が出ているのはおかしいな、とかね」

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「なるほど!」

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「二つ目は働いている人の平均年齢や勤続年齢を確認すること。平均勤続年数が短いってことは、長く勤めるのが難しい会社ってことよね。平均年齢があまりにも低い場合は、年齢を重ねて勤め続けるってことが難しい可能性があるわ」

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「でも、こういうのってどうやって調べればいいの?」

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「このあたりの情報は転職サイトにも載ってることが多いわ。でも何よりオススメしたいのが三つ目。知り合いの知り合いとか、何とかツテをたどって、その会社で働いている人に話を聞くこと。これはなかなかハードルが高いかもしれないけれど、会社って人生の多くの時間を使うところなんだからできる限りのことをして慎重に決めてほしいわね」

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「そっか……。今まで転職サイトとか会社のHPばっかり見てた……」

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「ネットの情報ももちろん大切よ。けれど転職サイトの企業紹介は基本的にいいことが記載されてるものだから、そこを差し引いて考えるべきね。他に、転職のための口コミサイトを見てみるとか、ネット上にその会社の労働環境について悪口が書き込まれていないかチェックするのもオススメよ」

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「転職サイト見てると希望が持てるんだけどなぁ。私、ある程度の激務でも自分ならこなせるって思ってたんだよね。でも部署が変わって部長との相性は最悪だし、それに自分が歳をとって、結婚とか子どもとか持つ将来をリアルに考えた時、このペースで働くことが不安になっちゃって……」

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「ねえ、ひとまず今日のところは、このくらいにして少し寝なさいよ。まだ朝の5時なんだから。睡眠不足じゃまともに物を考えられないわ。ぐっすり寝て起きたら、またリーガルレッスン再開するわよ!」

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「ありがとう……スカルジュ」

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「エリカちゃん。二度と言わせないで?」

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「……は、はい!……エリカちゃん!」

エリカちゃんの(サイズ的にも)お人形みたいな美しい顔が一瞬般若のようになった気がした……。もしかして名前に何かコンプレックスでもあるのかな……。ともかく今日は会社を休んで、とにかくぐっすり眠ろう。起きたら本格的に転職のこと、考えなきゃだな。

<今回のポイント>
【1】 そもそもブラック企業って?
・ 労働者に極端な長時間労働やノルマを課す。
・ 残業代未払い、パワハラなどが横行していてコンプライアンス意識が低い。
・ そういう環境で働かせて耐えられない人を辞めさせるなど選別する。
こういうことをしている企業がブラック企業よ。会社の規模や職種は関係ないの!

【2】 ブラック企業を見きわめる3つのポイント
・ 従業員数、募集人員数、募集頻度で「従業員が頻繁に辞めていないか」チェックする。
・ 従業員の平均年齢や勤続年齢を確認する。
・ 何とかツテをたどって、その会社で働いている人に話を聞く。
この3つは基本として抑えておきたいわね!

【3】転職サイトの情報は要注意!
転職サイトの企業紹介は基本的にいいことが記載されてるものだから、そこを差し引いて考えるべき! とはいえ、ネットの情報は大切。転職口コミサイトや、その企業の労働環境に関する悪口はチェックすること。

(阿部洋子)