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2016/11/23
会社や組織に縛られることなく、自分ら人生の決断をし、新たな働き方を見つけてきた女性たちのインタビュー連載です。仕事もプライベートも、自分にウソはつきたくない。そんな30代女性が、もっとしなやかに、そして軽やかに生きていくためのヒントが、ここにありました。
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湘南・茅ヶ崎の街中にたたずむジューススタンドbowl market juice&deli(ボールマーケット・ジュースアンドデリ)。色とりどりのコールドプレスジュースを、街を行き交う人が買い求めていきます。

このお店のオーナーは、元「オズマガジン」の編集長の永島かおり(ながしま・かおり)さん。さわやかな白のブラウスとデニムのホットパンツという格好からは想像もつきませんが、つい数年前まで160人の部下を抱える超バリキャリタイプだったそう。仕事で結果は出し続けてきたものの、気づいたら心身はボロボロで部下に怒りをぶつける日々。

そんな永島さんがbowl market juice&deliを立ち上げるまでのお話を聞きました。

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経験ゼロで広告代理店から出版社に飛び込んで

──もともとは雑誌の世界にいらっしゃったそうですね?

永島かおりさん(以下、永島):「オズマガジン」の編集長を約5年間やっていました。大学を出て、最初は広告代理店に勤めたんですが、どうしても編集の仕事がしたくて、3年ほどで出版社(スターツ出版株式会社)に転職しました。

でも、いきなり編集の現場にというわけにはいきませんでした。最初に配属されたのは販売営業。書店を回って、在庫確認したり、注文をとったりする仕事でした。それからすぐに広告営業に移りました。

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永島:ある時、上司から2つの条件を満たせば編集部に移すのを考えてもいいという言葉をもらい、やる気に火がつきました。その条件とは、それまで縁のなかった某大手化粧品会社と話をつけることと、総額1億円の広告を取ってくることでした。2年半かかりましたが、条件を満たし、念願だった編集部に移りました。27歳でした。デスク、副編を経て、編集長になったのは33歳の時です。

──そのあと、IT業界からヘッドハントされたそうですね。

永島:ちょうど「オズマガジン」での仕事を物足りなく感じた頃に声をかけていただきました。その頃、世界情勢もファッション動向も伝えられるような女性向けのタブロイド紙を作りたいと考えていて、順調に立ち上げたのですが、半年後にITバブルで母体の会社が倒産してしまったのです。ベンチャーキャピタルをまとめて資先を探しましたが、それもうまくいかず、関係各所に未払いなども生じてしまい、法的措置が取られるまでになりました。

──まさに暗転ですね。

永島:この時の経験から、もっとちゃんとした土台のあるところで仕事をしなくちゃダメだ、数字にもっとシビアにならなくてはと猛省しました。ちょうど知人から誘いがあり、サイファという会社に入りました。リクルートと同じような業態の会社です。ここで、「東京ウェディングコレクション」というブライダル雑誌を立ち上げました。オズマガジン時代にブライダル畑にも土地勘があったのです。3年目で役員になり、160人の部下を持つ立場になりました。

怒りの感情を消してくれたジュースとの出会い

──そろそろコールドプレスジュースが登場しそうです。

永島:その会社には7年間勤めたわけですが、ものすごくストレスのかかる立場で仕事していたので、ある時期からどんどん太りだし、肌はボロボロ、体調も精神状態もすぐれない状態が続くようになりました。そんな中、3年ほど前にコールドプレスジュースによるクレンズと出会いました。2ヵ月に1回、3日間のクレンズというデトックスの方法を試したところ、1年半で20kgも体重を落とすことができたのです。

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永島:体重だけでなく、肌の色合いが変わり、くすみがなくなりました。食の嗜好も変わりました。肉や揚げ物を避けたわけでないのですが、自然に野菜中心の食事になりました。お酒もストレスを紛らわすものではなく、適量を楽しく飲むものになりました。

さらに驚いたのは、コールドプレスジュースを飲むようになってから、怒りの気持ちが嘘のように出てこなくなったことです。部下を叱る時も理詰めで責めるのではなく、相手の反応に配慮しながら諭せるようになりました。結果を求めず、プロセスで評価することができるようになりました。

──肉体から行動パターン、さらには考え方まで変わったのですね。

永島:まさにそうです。人生を変えたと言ってもいいと思います。そういうタイミングを計ったように、サイファがUSENの子会社になるという出来事が起きました。それを機に、退職して今のビジネスを始めたわけです。

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ジューススタンドを超えるものに育てたい

──これまでの働き方とずいぶん変わったのでは?

永島:変わりましたね。でも、この店を開く時に、地域のメディアになるような場所にしたいと考えていたので、実はジューススタンドをやりながら「雑誌作り」と同じことをしているんです。

湘南には以前から通っていたので愛着があります。小さなマーケットですが、人と地域をつなぐメディアになれればと思っています。近くで畑を借りて無農薬で野菜作りもしています。“実感”があるのは素晴らしいと改めて感動しています。

──これこそライフワークという感じでしょうか?

永島:実は食べていくための「ライスワーク」として、メディア関係のコンサルの仕事も並行してやっているのです。それがあってのライフワークということですね。

〈永島かおりさんの1日〉
6時に起床して、45分から1時間20分程度、自宅周辺をウォークング(またはジョギング)。帰宅後、白湯を飲んでから朝食。7時30分に家を出て出勤(店まで徒歩15分)、8時に店を開ける。開店後1時間は素材を搾る作業。昼食は店の近所で済ませることが多い。19時 閉店。夕食は外で済ませて帰宅後、白湯を飲み、入浴やストレッチをしてから23時頃に就寝。

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bowl market juice&deli
関連リンク:店舗HP

【イベント情報】
12月17日に開催される「茅ヶ崎ゆるゆるマーケット」に永島さんのbowl market juice&deliが出店します。詳細は近々店舗HPに掲載予定です。

浮田泰幸