多少の肌トラブルがあっても若さで乗り切れるのは20代まで。30代に突入して肌のリカバー力の衰えに戸惑っている人も多いのでは? 用賀ヒルサイドクリニック院長の鈴木稚子先生と一緒に自己流の習慣を見直しましょう。
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自己流の美容習慣を見直す「30歳からの美常識」。第7回目のテーマはヘアケアです。用賀ヒルサイドクリニック院長の鈴木稚子(すずき・わかこ)先生に「正しい髪の洗い方」について聞きました。

「濡れたまま」が髪によくない理由

今回も、ついやってしまいがちな習慣をピックアップしました。

【under30】
□髪を十分に乾かさないで寝る
□乾かした髪はそのまま
□リンスインシャンプーを常用する
□スッキリしたいから爪を立てて洗う

・髪を十分に乾かさないで寝る→×

毛根周辺以外の髪は、すでに死んでいる組織です。髪を覆うキューティクルは、濡れると非常に繊細な状態に。髪を乾かすのは濡れて開いたキューティクルを閉じる意味でも必要なのです。また、濡れたままの髪で寝返りをすると頭部の重みが髪の負担になって、キューティクルがはがれ、髪がパサつく原因に。

・乾かした髪はそのまま→△

髪にパサつきを感じていないのなら、あえてオイルをつける必要はありません。逆に、つけたオイルが顔につきニキビの原因になることがあります。オイルを塗布する際に重要なのは、「頭皮ケア用」と「毛先用」の使い分けです。

・リンスインシャンプーを常用する→×

洗髪の目的は何でしょう? 頭皮を洗浄することですよね。つまり頭皮を中心にシャンプーを塗布するのが正解なのです。シャンプーと一緒に指通りのよいリンスの成分が入ってしまうと、本来の洗浄目的を邪魔してしまうのとことに。リンスやコンディショナーは、頭皮専用のもの以外は、頭皮に塗布せず、毛先に塗布するのが望ましいのです。

・スッキリしたいから爪を立てて洗う→×

完全にアウトです。洗髪は「指の腹で優しくマッサージするように」と聞いたことがありませんか。強く刺激しないと洗った気がしない人は、シャンプーの種類を見直しましょう。毛先の柔かいシャンプーブラシを試してみてもいいかもしれません。頭皮も皮膚です。かゆみがあっても、顔に爪を立てて掻く人はまれですよね。顔と同じように優しく洗いましょう。

永久保存版! 正しい洗髪の仕方

髪を濡らす前に、良質なブラシで髪をときましょう。ほこりや汚れが落ちやすくなります。

そして欠かせないのがお湯でする「予洗い」です。最低1分、35~42度のお湯で頭皮全体をマッサージするように指で押し、髪の隅々まで水分を行き渡らせます。髪はケラチンというタンパク質でできていますが、42度以上になると壊れてしまいやすくなります。

片手にシャンプーをとり、もう片方の手でお湯を加えながら、泡立てたシャンプーを塗布しましょう。シャンプーは皮脂汚れを落とすものでもあるので、最低でも3分はよくすすぎ、頭部に洗浄成分が残らないようにします。

トリートメントとコンディショナーの違いって?

トリートメントは、髪の内部を保湿してくれます。髪は死んだ組織だと言いましたが、ケア次第で傷んだ髪でも健康な髪に戻る可能性があります。傷みが気になる人は、髪の内部に栄養を入れるものを選びましょう。トリートメントは常用というより、スペシャルなケアといったところでしょうか。コンディショナーは「美容リンス」といって、指通りを滑らかにするためのものです。

ブラッシングの効果って?

ブラッシングで頭皮の皮脂を毛先まで行き渡らせると、髪のパサつきを抑えられ、頭皮の皮脂バランスが整います。例えば、頭にニキビができやすい人は、皮脂が一箇所に溜まっている可能性が。ブラッシングというと、「毛先のため」と思っている人も多いですが、実は頭皮ケアにもなっているのです。ブラシはクッション性があり、先が丸いものがおすすめです。

温度の使い分け

汗をかいた日や髪がベタつく日には、お湯を42度くらいに設定して洗髪するといいでしょう。30代は、自分を知る年代。日々の頭皮の様子を見ながら、グッズを使えるようになるといいですね。

ちなみに、髪にとって一番よくないのは、タオルでゴシゴシと水分を拭うことです。「優しく扱う」、それが美しい髪を保つ秘訣です。

(パツワルド敬子)

鈴木稚子(すずき・わかこ)1968年10月15日生まれ。医学博士。美容皮膚科医。スポーツ認定医。温泉療法医。東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大皮膚科、国立大蔵病院皮膚科勤務等を経て、2000年東京世田谷区用賀に用賀ヒルサイドクリニック開業。著書に「女医が実践している『ちょっと変えるだけ』でだれでもキレイになれるシンプルな習慣」などがある。「女医プラス」所属。