東京ガス都市生活研究所は「65歳未満の両親と学業を終えた未婚の子どもが同居している世帯」を「大人ファミリー」と定義し、「大人ファミリー」のライフスタイルに関する調査を実施しました。

同居している子どもは約半数が20代後半

2010年の国勢調査によると、1都3県の18~39歳の未婚者の約6割は親と同居しています。

同調査によると、同居している子どもの人数は1人が68.3%と最多。子ども(最年長者)の年齢は、25~29歳がもっとも多く、約半数を占めています。次いで24歳以下が28.3%、30~34歳が18.3%と続きました。子どもの性別を見ると、男性のみは 39.9%、女性のみは42.8%で男女の差は小さい結果になりました。

図1

同居する理由は?

世帯の年収は、1000~1500万円が25.6%ともっとも多く、次いで600~800万円が18.6%。子ども(最年長者)の年収は、300~400万円が26.9%でもっとも多く、次いで200~300万円が25.8%でした。

就職した子どもと一緒に住んでいる理由を聞いたところ、「子どもが出ていかないから」と「就職したからと言って家を出る必要はないから」が多くともに4割弱。次いで、「子どもの経済面での不安があるから」「別居すると金銭的に合理的でないから」「子どもの家事などの生活面での不安があるから」と子どもの経済状況や生活面の不安を挙げる声がありました。

図2

就職している子どもと一緒に住むことに対する意識について聞いたところ、「金銭的に合理的である」「安心できる」「家族の絆が感じられる」は男女ともに高い結果に。「さびしくない」「精神的に支えられる」については女性(母親)で高くなりました。一方で、「子どもが経済的、精神的に自立しない」とマイナスの意見も。特に女性(母親)からは「家事がラクにならない」という意見が多く挙がりました。

1997年に社会学者の山田昌弘さんが「学卒後も親に基本的生活を依存しながらリッチに生活を送る未婚者」を指す言葉として「パラサイト・シングル」を使いましたが、上記の結果を見ても、親同居未婚者が必ずしも経済的に恵まれているわけではないようです。

子どもと同居する親の回答からも「世間体がよくない」と感じる人はほとんどおらず、「大人ファミリー」は一般的なことと認識している様子が伺えました。

図3

母親に家事負担が集中

家事分担については、料理については大部分を母親が担当。リビング・ダイニングの掃除やトイレ掃除も約9割が母親が担当し、風呂掃除は、約2割の父親が担当と答えていますが、子どもが担当しているものはほとんどないという結果に。個室の掃除を「各自または子どもが行う」が3割程度見られましたが、約6割は個室も母親が掃除しているようです。

図4

家計における子どもの役割について見てみると、3割弱の子どもは、家にまったくお金を入れていないことが明らかに。子どもの年収別に見ると、年収200万円未満の子どもでは半数近くがまったく入れておらず、子どもの年収が上がるにつれて家に入れる額が多くなるものの、年収400万円以上の子どもでも2割弱はまったく入れておらず、家計を分担していない実態が明らかになりました。

ひと昔前は、親と同居する未婚者に対しては「自立していない」などネガティブなイメージで語られがちでしたが、今は「大人ファミリー」は一般的なことと認識されつつあるようです。背景には若者の雇用の不安定化がありそうです。家事負担は相変わらず母親に集中している実態が。よくも悪くも親と子どもが「頼り合っている」「持ちつ持たれつ」である実態が明らかになりました。

(編集部)

【調査概要】

■定性調査1
調査時期:2014年12月
調査方法:日記調査
調査対象:1都3県在住男女
回答者数:50人

■定性調査2
調査時期:2015年1月調査方法:グループインタビュー調査
調査対象:1都3県在住男女
回答者数:20人

■定量調査1
調査時期:2015年7月
調査方法:WEB調査
調査対象:1都3県在住男女
回答者数:1800人