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先月米紙『アトランティック』に掲載された、「女性の職場での活躍を阻むものは、女性自身の“自信”のなさである」とした記事が論争を巻き起こしている。

研究で判明!「女性は男性に比べて自信がない」

記事によれば、女性の自信のなさは豊富な研究結果によって裏付けられているのだそうだ。一例を挙げると、米コーネル大学の研究者らが学生らに自身の試験の正答率を予測させる調査を行ったころ、実際の正答率にはほとんど男女差がなかったにも関わらず、男子学生のほうが高い正答率を予測する傾向が浮き彫りになった。

加えて、後日研究者らが(試験結果を開示せずに)学生らを賞金付きのコンペティションに招待したところ、参加希望者のうち男子学生の割合が女子学生を22パーセントも上回ったそうだ。これらの結果を踏まえ、研究者らは「自信」の度合いには男女差があり、これが男女間の「チャンスを追う傾向」の差を生むと結論付けている。

他の研究では、男性が自身の能力を過大評価する傾向があるのに対し、女性は自身の能力を過小評価する傾向があるとした。

「自信」があると「他人からの評価」も高い

同記事によれば、「自信」を持っているとチャンスが追いやすくなるだけではない。カリフォルニア大学バークレー校の研究によると、「自信」は他人からの評価を勝ち取る上でも重要な役目を果たすそうだ。

2003年、同大学の研究者らがニセモノの名前を紛れ込ませた歴史的人物・出来事の一覧を学生らに配り、知っているものにチェックを付けさせる調査を実施した。結果、ニセモノの名前により多くチェックを付けた学生のほうが、他の学生からの評価が高かったという。つまり、実際の能力よりも、自身の能力への「自信」(もしくは過信)が評価されてしまうことが明らかになったのだ。

女性が自信がないのは、生物学的違いよりも生育環境の違い

記事内では上述の「自信のなさ」が女性のキャリアに悪影響を及ぼすと論じているが、そもそもなぜ女性は自信が欠如しがちなのだろうか。同記事は男女の生物学的違いが一因であるとしながらも、幼いうちから女の子にリスク回避的言動をすりこむ、社会的な生育環境の方が大きく影響していると強調。

例えば、男の子のほうが協調性の発達が遅いため、小学校時代に同年代の女の子に比べ平均8倍教師に怒られるが、このような失敗の経験が、実は男の子の自信形成にとってプラスになっているのだという。むしろ、日頃の行いを褒められることが多い女の子のほうが、リスク回避的言動に陥りやすく、自信の形成が不十分になるのだそうだ。

「女性側の問題ではなく社会側の問題」記事の内容に賛否両論

さて、この記事に噛みついたのは世の女性たち。「これは女性が働く環境が整備されたあとに議論されるべき問題。そもそも、ほとんどの女性はそんな恵まれた環境で働いていないんですけど」と問題提起するものや、男性が自身の能力を過大評価する傾向があるという記述に対し「それってそもそも真似しない方がいいんじゃないの?」と指摘するものなど、様々な批判が寄せられた。

オンラインメディア『ポリシーマイク』は、「自信があるようにふるまう女性は社会的抵抗にあう」ということを、女性政治家を題材に実証した研究結果を引用し、「女性側の問題ではなく社会側の問題」と主張している。

「女性の自信のなさが女性の職場での活躍を阻む」――読者の皆さんはどう思うだろうか? 様々な有識者が発言したこの論争、女性の社会進出を考えるうえで知っておくとより考察が深まるかもしれない。

ケイヒルエミ