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2014/05/12

公共の場で母乳を与えるのは迷惑か?

昔は粉ミルクでの子育ての方がよいとされていたこともあったものの、現在は栄養面や経済性から広く支持されている母乳育児。そんな風潮の中、母乳で育てる多くのお母さんたちが直面せざるを得ないのが「公共の場で子供が母乳を飲みたがった場合、どうするべきか」という問題だ。米国では今年の初めから、公共の場での「授乳」に関して議論がヒートアップしている。

    公共の場での「授乳」は迷惑? 客への対応めぐり有名企業が大炎上

今年1月、有名女性下着チェーン店ヴィクトリアズ・シークレットにおいて、更衣室で子供に授乳してよいかと尋ねた客に、同店店員が近くの路地で授乳するよう勧めたことが記事になり大炎上。2月にはデルタ航空のツイッターアカウントに向けて、「息子が哺乳瓶やカバーをかけた状態での授乳を受け付けないのだが、カバーなしで授乳してよいか」と尋ねた客に、デルタ航空が「カバーなしでの授乳はお断りします」と回答し、批判が殺到。両社とも後日これらの見解が従業員個人のものであったとし、撤回したものの、これらの出来事からは社会の「公共の場での授乳」に対する目線がまだまだ厳しいことを思い知らされる。

今月頭には、公共の場で授乳していた母親らが公衆トイレでの授乳を勧められる事例が米国で相次いだことを受け、学生らがポスターを使った啓発キャンペーンを展開。公衆トイレの便座に腰掛けて授乳をする母親の写真に、「召し上がれ。あなたならここで食事する?」といったインパクトのあるキャッチコピーが添えられたポスターは、たちまち大きな話題を呼んだ。

ポスター画像:When Nurture Calls Campaign

    海外では「授乳の権利」は法律で保障されている

母親が公共の場での授乳を注意されるケースがあとを絶たないこともあり、海外では公共の場での授乳の権利保障の法制化が珍しくない。米国では50州中45州が、女性が公共の場での授乳する権利を法律で明記。英国やフランスなど、ヨーロッパ諸国も同権利を法律で保障している国々が多い。アジアでは、台湾が2010年に同権利を保障する法律を施行している。

公共の場での授乳、読者のみなさんはどのように考えるだろうか? この問題に関しては日本でも色々と議論されているが、その際に一つ覚えておきたいのは、乳幼児を連れた外出はとても大変なのだということ。日本は他国に比べ授乳室が普及しているといわれているが、それでも現役ママからは「授乳室が空くまで子どもが待ってくれない」といった悩みの声が聞かれる。外出時、乳幼児の「食事」に必要以上に神経を使わずに済む、お母さんや赤ちゃんに優しい社会を目指したいものだ。

ケイヒルエミ