今月16日、愛媛県・丹原東中学校の「制服改正」議論が報じられました。「男はズボン、女はスカート」という制服のあり方を見直そうと、生徒総会の議題になったということです。

生徒の意見は、スカートとズボンを選択制にするか否かで大きく分かれ、来年以降も話し合いを続けることに。

丹原東中は2014〜2015年度文部科学省の人権教育研究指定校で、性的少数者に関する学習をカリキュラムに取り入れてきた学校です。そういった学校でも制服の選択制は、簡単に結論を出せない問題のようです。

そんななか、来年度から「制服の選択制」の導入を決めた学校があります。福岡女子商業高等学校の柴田校長先生に、制度を取り入れた経緯について伺いました。

トランスジェンダー以外の生徒も、自由に選ぶ

——どんな制服が選択できるようになるのでしょうか?

柴田晴夫校長(以下、柴田):通常はブレザーとスカートだったところ、「スカートかズボンか」「リボンかネクタイか」を選択できるようにします。秋には3名の代表生徒にモニターとなってもらい、一週間、学校でブレザーとネクタイで過ごしてもらいました。そこから意見を集め、来年の衣替えに合わせて選択制を導入します。

——制服の選択制を決めたきっかけは「自転車通学の生徒がスカートの下にズボンを履いているのを見かけたこと」だと聞きました。

柴田:そうですね。最初の理由は、年々冬の寒波が厳しくなっている気温変化への対応でした。それと、もう一つ理由があります。

今夏から選挙権が18歳へ引き下げられたこともきっかけです。時代が変化している今、生徒たちにはみずから考え、選択する力を身につけてもらわないといけません。その選択の場を設ける学校として、まずは「当たり前」だと思っていたことの見直しをしたいと考えました。

——丹原東中の生徒会では「選択制はカミングアウトの強要になる」「からかいを受けるかもしれない」などの反対意見も出たようです。今回の導入検討の際に学生やその親からの反対意見は出ましたか?

柴田:反対意見は一つも寄せられませんでした。もちろん、変更がカミングアウトの強要に繋がったり、からかいを引き起こしたりすることがないよう慎重に取り組んでいきます。

今回の取り組みはLGBTや人権問題以前に、「自由に選択できる」「当たり前を変える」ために行いました。ただ、トランスジェンダーの生徒にとっても、学校が自己肯定感を得られる場所でありたい。

私たちは、「生徒が行きたい学校であるためには、どうするべきか」を考える立場にあります。導入の仕方についてはまだまだ検討する部分は残っているでしょう。社会の変化や、多様な生き方が論議され始めている現代で、時間がかかっても定着させていくことが大事だと考えています。

「女性らしさとは何か?」という問題がたびたび議論になる中、こういった“当たり前”を変える取り組みをする人たちもまた、増えているようです。

(河合桃子)