40歳の時、おひとり様で都内に「7坪ハウス」を建てた雑貨店オーナーの塚本佳子(つかもと・よしこ)さん。バリキャリ編集者だった30代には、家具、インテリア、服、旅行、習い事……とあらゆる“消費”に手を出したそう。そんな塚本さんと編集部が「オンナの30代」と「消費」の幸せなバランスについて語り合います。
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気づいたら、最近あまり本を読まなくなっていた……。30代に入って気づいた「変化」の一つです。仕事が忙しいから。読みたい本がないから。本屋に寄る時間がないから。何かと言い訳をして、遠ざかってしまった本の世界。

「女性の30代」と「消費」について考える本連載8回目は、「読書」がテーマです。30代は消費に明け暮れ40歳で都内に一軒家を建ててしまった、編集者で雑貨店オーナーの塚本佳子(つかもと・よしこ)さん。塚本邸で今日も「消費で終わらない土曜日の午後」が始まります。

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小説を読まなくなったら「大人」?

–さあ、今回もおいしいお菓子を食べながら、ダラダラトークをはじめましょう!

塚本佳子さん(以下、塚本):プライベートもダラダラなのに、仕事もダラダラだなー、私(笑)。ほんと、ダラダラし過ぎて、本を読む時間もない……。

–ダラダラなのに、本を読む時間がない?

塚本:おかしいでしょう? 時間はあるのに本は読めない。何なんでしょうね。以前は日常的に読んでいたはずなのに、最近は意識的に「本を読もう!」と決めないと読めなくなってしまいました。

–確かに、私も仕事に必要な本しか読まなくなったなぁ。20代の頃って、ジャンル問わずに、新しい本、新しい知識って感じでしたよね。

塚本:そうそう、知識欲だけでなく、読み終わった本がどんどん増えていくのが嬉しかったり、物欲も満たしてくれた。いろんな意味で本に貪欲だった気がします。

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–読書量が減ったうえにジャンルも狭くなっていきますよね。30代になってから小説、ほとんど読まなくなりました。

塚本:小説は卒業ですか。

–まさに卒業。小説ばかり読んでいた20代の頃、40、50代の大人な先輩方が「文学いいよね。昔はずいぶん読んだよ」って遠い目をしながら言うのを聞いて、いずれは読まなくなるもんなんだと何となくわかっていたんです。30代になってその時期がやってきた感じ。

塚本:小説を卒業して一歩大人に近づいたんだね、きっと(笑)。大人になるバロメーターもそうだけど、30代の読書ってメンタルコンディションのバロメーターにもなっている気がします。

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本は自分の精神状態のバロメーター?

–精神状態によって選ぶ本って、変わりますよね。

塚本:はい。ジャンルが狭くなるって話が出たけどまさにその通りで、月単位どころか年単位で同じジャンルばかり読み続けてしまう。例えば、犯罪ものの重いノンフィクションばかり読んでいる時期があったり、ライトノベルのような軽い小説しか読めない時期があったり。

–犯罪もののノンフィクションを読んでいた頃の精神状態ってどんな感じだったんですか?

塚本:かなり病んでいた(笑)。だから暗い内容に惹かれるというか、引き寄せられるというか。何もする気になれないのに「凶悪犯罪」なんていうキーワードで検索したサイトを見て、さらにAmazonで関連本を購入していましたね。

–コワ(笑)。そんな時にそんな本を読んだら、余計にふさぎ込みませんか?

塚本:本当に気持ちが落ちていると、明るい本なんて読めないんですよ。性格にもよると思うけど、私の場合は落ち込むところまで落ち込む必要があるみたいで。逆に気持ちがどん底から上向きになってくると、今度はのほほんとした本しか読めなくなるんですけどね。

–不思議。

塚本:でもね、暗くて重い本だからこその救いがあったりもするんです。読んでいるうちに、自分はまっとうに生きてこられてよかったと安心しはじめたり。

–落ち込んだ時に、本を読み続けていると、知らない間に回復してることはありますよね。

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「時間がもったいないから読まない」もあり

塚本:もともと読書って、想像力や知識を高めるためのものだと思うけど、30代になるとよりその重要性がわかりますよね。それなのに悲しいかな、本が読めなくなる。だからこそ必要な本だけに出会いたいですよね。なかなか難しいことだけど。

–この本はちょっと違うなと思っても、お金を出して買ったんだから最後まで読まなきゃもったいないという気持ち、ありますよね。

塚本:私もそう思っていたけど、最近は「お金がもったいないから読む」のではなく「時間がもったいないから読まない」という選択が大切なんだなと思い始めました。

–30代になるとお金の消費よりも時間の消費の方がもったいなく感じてくる。

塚本:はい。そういう選択はできるようになったものの、どうしたら以前のように日常的に本を読めるようになるんだろう。 

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–会社員時代は通勤時間が読書タイムでしたよね。今は読書時間が少ないからなかなか進まない。

塚本:集中して読まないとストーリーもすぐに忘れるし(笑)。

–しおりを落とそうもんなら、もはやどこまで読んだのかわからなくなる(笑)。

塚本:最後まで読み終えるには、やっぱりどこかでまとまった時間が必要ですよね。

–休日に本屋に行ってあてもなくグルグルして、買った本を家でゴロゴロしながら読む。昔は何となくしていたことだけど、あれってとても贅沢で有意義な時間だったんだなぁ。

塚本:通勤時間のないフリーランスの我々は、とにかく読書の時間を意識的に作るしかないですよね。「今日は1日、ゴロゴロと本を読む日」を定期的に作りましょう!

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【お茶会のメニュー】
〈器〉
木のケーキスタンド
ケーキの取り皿(iittalaのTeema)
生クリームの器(iittalaのOrigo)
ティーカップ&ソーサー(ArabiaのParatiisi)
ティーポット&ウォーマー(SIGNE PERSSON-MELIN)

*金額掲載の器は「Fika」にて取扱中。

〈お菓子とお茶〉
・エッペルカーカ(リンゴのケーキ)
・ロイヤルミルクティー

☆エッペルカーカの作り方

[材料]直径18cmのケーキ型
〈スポンジ〉
牛乳……130cc/バター……45g/卵……1個/グラニュー糖……120g/薄力粉……120g/ベーキングパウダー……小さじ1/バニラエッセンス……数滴
〈リンゴ〉
リンゴ……1〜2個/グラニュー糖……20g/シナモン……大さじ1

[1]ケーキ型にバターかオイルを塗る。
[2]鍋に牛乳とバターを入れ、火にかける。バターが溶けたら冷ます。
[3]ボウルに卵とグラニュー糖を入れ、泡立て器でふんわりするまで泡立てる。
[4]薄力粉とベーキングパウダーをふるう。
[5]3に4を加えて、ヘラでさっくりと混ぜたら、バニラエッセンスを数滴たらす。
[6]5に2を加え、ダマが残らないようによく混ぜる。
[7]リンゴを櫛形にカットしたら、グラニュー糖とシナモンをまぶす。
[8]1の型に6の生地を流し込み、布巾の上に数回落として空気を抜く。
[9]8に7のリンゴをきれいに並べる。
[10]170度のオーブンで40分前後焼く。

*生クリームやバニラアイスを添えるのもおすすめ。

2016-7-16-7

「北欧雑貨と日本の器 Fika」
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