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休日の朝にふと思い立ち

たとえば休日の朝。

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めずらしく早く目覚め、カーテンを開けたらいいお天気。「ああ、なんだか旅にでも出たい気分だな」と思ったら……。そのまま竹芝へ直行し、フェリーのチケットを買い、船に乗ってみるのも一つの手かもしれません。

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たったの1時間45分で東京の離島、伊豆大島へ着くのですから! 

都心からおよそ120キロ。たった2時間足らずの船旅なのに、そこは本当に別世界です。

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さっきまで目の前にあった高層ビル群が緑の山と海に取って代わり、街のお店もどこか昭和の雰囲気のまま。伊豆大島は70年代の離島ブームで一気に火がつき、一時は年間80万人の観光客が押し寄せていたといいます。

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島中に旅館やリゾートホテルが建てられましたが、海外旅行がブームになると、次第に人気に陰りが出て、バブル崩壊とともにすっかり観光客も減ってしまいました。

今残っているホテルも当時建てられたものが多いのか、どこか昭和の香りがぷんぷん。さびれていると言えばさびれているし、イケてないと言えばイケてない。でも、だからこそ可能性があるし、注目の穴場なのです(もちろんおしゃれなスポットも続々と増えています)。

素晴らしい場所はたくさんありますが、私が忘れられないのは島の中心にある、標高768メートルの火山・三原山と裏砂漠。想像をはるかに超える雄大な景色に、ただただ呆然と立ち尽くしてしまいました。

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東京にこんな絶景があるなんて!

裏砂漠は知人に勧められて行ったのですが、誰もいない荒涼とした“黒い砂漠”を一人で歩いていると、まるで知らない星に降り立ったかのような気分です。

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物寂しさと自然への畏怖のようなものを感じながら、埃だらけになって斜面を歩いていると……あれ、慰霊碑のようなものが。「もく星号墜落慰霊碑」?

1952年4月9日、羽田発、伊丹空港経由、福岡行きのノースウェスト機が、伊豆大島のこの場所に墜落したとのこと。乗員乗客37名全員が亡くなったとあります。

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当時、日本はまだGHQ統治下です。そんな時代にそんなことがあったんだ……。一息つきまわりを見渡すと、地面から白い煙がふわふわと立ち上り、上空へ舞い上がっていきました。60年という時間は、それほど昔の話ではないのかもしれないなあ。

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宇佐美里圭(うさみ・りか)
1979年、東京都生まれ。編集者、ライター。東京外国語大学スペイン語学科卒。在学中、ペルー・クスコにて旅行会社勤務、バルセロナ・ポンペウファブラ大学写真専攻修了。中南米音楽雑誌、女性誌、週刊誌、カメラ雑誌などで働く。朝日新聞デジタルで「島めぐり」「ワインのおはなし」「花のない花屋」などを連載中。ラテン音楽とワインが好きなエピキュリアン。