30代のTO DOリスト 第4回

忙しい時ほど強制的に休もう 30代から月イチで取り入れたい鍼ケア

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忙しい時ほど強制的に休もう 30代から月イチで取り入れたい鍼ケア

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「30代の働く女性の約6割が肩こりを抱えています。そのうちの半数がヨガやマッサージなどで何らかの対策をしていると言われていますが、問題は放置している人」と語るのは、女性専用の鍼灸アロママッサージサロン「天使のたまご」代表の藤原亜季(ふじわら・あき)先生。今回は、放っておくと怖いカラダの不調や、30代をトラブルなく過ごすコツについて聞きました。

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女性の子宮は不調のしわ寄せが現れやすい

――ライターの仕事をしていると、本当に肩が凝るんです。でも病院に行くほどでもないしなあ、と。

藤原亜季さん(以下、藤原):30代って仕事で重要なポジションを任されたり、子育てと仕事の両立を求められたりして、頑張りすぎちゃう時期ですよね。

――そう、頑張りすぎちゃう(笑)

藤原:「たかが肩こり」と思っていても、東洋医学では「未病」の状態(病気になる前の段階)、身体の中流れを阻害する淤血(おけつ)という塊ができている状態で、女性の場合、そのしわ寄せが子宮に出やすい。東洋医学では、瘀血は子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症といった婦人科系のトラブルの元にもなるんです。

――いつかは子どもも産みたいし、婦人科系の病気は抱えたくないです。

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藤原:そうですよね。例えば肩こりだけでなく、腰痛、冷え、むくみなどの症状も未病の状態。小さな不調の段階でケアすれば、大きな病気になるリスクが減りますし、身体が健やかであれば、妊娠・出産にも前向きな気持ちでいられますよね。

いよいよ藤原先生に診てもらうことに

――具体的に、どんな治療をするんですか?

藤原:鍼灸治療の方法は大きく分けると2つ。一つは実際に痛む部分を治療する局所治療。もう一つが、“本治”といって、その原因を根本的に治す治療です。

その方法として、“気血水”という身体を作っている物質を整えて全身調整を行うものがあります。これは東洋医学独自の考え方で、身体を巡っている経絡という14本の線上にあるツボを刺激して、滞っている物質を流したり、足りないものを補ったりします。自律神経系の調整などメンタルの不調にも効果があるんですよ。

――なるほど。私は生活リズムが乱れがちなので、あちこち滞っていそうです。

藤原:ちょっと診てみましょうか。

――お願いします!

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藤原:両腕を出してください。脈が弱いですね。声も元気が足りないみたい。気が不足している気虚(ききょ)の状態が見受けられます。血(栄養)や水(潤い)を全身に巡らせるポンプの力が弱くなっているから、手足の冷えやむくみが気になりませんか?

――はい。万年冷え症です。むくみも気になってました。

藤原:水は本来、身体の熱を冷ますためのもの。また、高いところから低いところにたまる性質があるので、循環できなくなると、下半身に集まって足がむくみます。だから余剰分があると、必要以上に身体を冷やします。

――足に水が溜まってるから、下半身がむくむのかあ……。

藤原:次は舌を見せて。先端が赤いので、やっぱり頭の方には水が足りていないみたい。頭がのぼせたようになって、夜、よく眠れていないのでは?

――恐ろしいくらい当たってる……。

藤原:ある程度の診断ができたら、鍼、お灸、マッサージのどれを使うのか考えていきます。現在の症状としては足のむくみと冷え。でも、その原因は気が足りていないから。まずは、気を補充しないといけません。

――エネルギーを補給しようして、高カロリーなものを食べるんですが、その結果、余計に体調が悪くなっている気が……。

藤原:それは逆効果。食べたものを消化して気に作り替えるのが脾(胃)の役割。でも弱っている時に、消化しにくいものを摂るとかえって負担をかけてしまいます。鍼灸の治療としては、足三里(あしさんり)や中腕(ちゅうかん)というツボにお灸をすえてあげるといいですね。むくみや不眠にも効果的です。眠りの質が変わると、胃腸の働きもよくなります。緊張感や精神的なプレッシャーがある時は、手首の近くにある内関(ないかん)に鍼を打って、自律神経を整えます。

――なるほど。でも鍼は痛みが心配……。

藤原:これは経験した方がいい。内関に打ってみましょう。はい、ラクにしてください。

――わ、打たれた! でも、全然痛くないですね。

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藤原:そうでしょう。髪の毛の太さくらいの鍼で、しなやかに当たるので怖がるほどではないんですよ。鍼のまわりが赤くなっているのは、得気(とっき)といって、気を得ているサイン。まだ元気がないから、シールタイプのお灸をおなかに、腕には鍼も貼っておきましょう。ツボの場所を知っていれば、ちょっと頭が痛いな、目が疲れたなという時に簡単にセルフケアできますよ。

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――なんだろう、この安心感。すでに元気になってきた気がします。

藤原:鍼灸師は、望診(ぼうしん)といって、受診者が部屋に入って来た時からずっと観察しています。例えば、歩き方、目線、声のトーンなどをすべて見ているんですよ。状態をよく見て、話を聞いて、お灸か鍼か、その時に最適な手段を選ぶ。オーダーメイドに近いケアができるんですよ。

――頼りになりますね。

藤原:原因がはっきりせず、病気と診断できない症状は、西洋医学だけでは解消できないことも少なくありません。そんな時は東洋医学の出番です。もし病院で「気のせいですよ」って言われたら、「そうか“気”のせいなのか」と、鍼灸を受けるきっかけにしてほしいですね。

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「休むことも仕事のうち」

――まさに“病は気から”なんですね。でも、私はやりたいことを仕事にしているので、締切のプレッシャーは感じますが、忙しさはストレスではないのですが。

藤原:イヤなことを我慢することだけが、ストレスじゃないんです。生活の中で「自然じゃないこと」はすべてストレスになりえる。夜、蛍光灯の下で仕事をしているのもそう。でも、私たちは働かないわけにはいかないし、重要な場面では踏ん張ることも大切。だから、月に1度、1時間でもいいので強制的にケアすると決めること。「強制的に休むこと」が大事なんですよ。「休むことも仕事のうち」と思ってください。

私自身も全国を飛び回っていますが、少しでも時間ができれば身体のケアを優先します。身体が軽くなれば、仕事のパフォーマンスもあがると実感しているので。

――なるほど。でも、不調が慢性化していると、気づけないかもしれませんね。

藤原:そんな時は生理が健康のバロメーターになります。生理の周期を観察して、整えるようにする。特に妊娠を望むのであれば、今すぐ身体の声を聞くようにしてください。今日は調子がいい気がするとか、そういうことでいいんですよ。

〈40歳までのTO DOリスト〉
【1】肩こり、腰痛、冷え、むくみ…小さな不調こそ優先してケア
【2】月に1度は強制的に身体のメンテナンスの時間を設ける。できればプロに任せること。
【3】生理の周期や、生理前の状態を意識すること

(安次富陽子)

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後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

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