あなたの知らないアメリカ

アメリカといえば、ビッグサイズのハンバーガーにコカコーラ……おいしいものは別にないでしょ?と思っていました。はい、正直ちょっぴり見下していたかもしれません。

しかし、ニューヨーク州の田舎町に行った時のこと。スーパーに入って度肝を抜かれました。オーガニック食品は当たり前、牛乳一つとっても、牛、ヤギ、豆乳、ココナッツ、ココナッツヘンプ、アーモンド、カシューナッツ……ざっと50種類ほど棚に並んでいるのです。同じ乳製品のヨーグルトもしかり。さらにクラフトビールになると、名前のアルファベット順に約3メートルの棚6つくらいに陳列されています。

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日本食なら、みりんや醤油など調味料は当然のこと、手作りの味噌、豆腐、梅干しも樽で売っているじゃないですか。さらに、蜂蜜は夏取り、秋取りで分類しているは、お米はタイ米、インディカ米、玄米など世界各国のお米が50種類以上並び、オリーブオイル、スパイス、ナッツ類もすべて量り売りしているは……。

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なんなんでしょうか、この世界。まるでオトナの遊園地。美食を誇るフランスでもスペインでもイタリアでもこんなスーパーは見たことありません。しかも、ファーマーズマーケットは全体的に値段がやや高いのに大盛況で、とにかく食への関心が高いことがうかがえました。

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この点、日本はちょっと負けているかもしれません。安心安全をうたっている割には、日本で許可されている食品添加物の数は全部で814。普通のスーパーで量り売りはまずないですし、オーガニック食品を求めるのは至難の業。

アメリカでの“クラフトブーム”の話は耳にしていましたが、まさかここまでとは。大量消費、大量生産の国で真逆のムーブメントがあるのは当然の帰結と言えるのかもしれませんが、社会の二極化も見え隠れします。町のスーパーからはいろいろなものが見えてきますね。

宇佐美里圭(うさみ・りか)
1979年、東京都生まれ。編集者、ライター。東京外国語大学スペイン語学科卒。在学中、ペルー・クスコにて旅行会社勤務、バルセロナ・ポンペウファブラ大学写真専攻修了。中南米音楽雑誌、女性誌、週刊誌、カメラ雑誌などで働く。朝日新聞デジタルで「島めぐり」「ワインのおはなし」「花のない花屋」などを連載中。ラテン音楽とワインが好きなエピキュリアン。