しなやかに、生きる。“ロールモデルは、私です” 第16回:関有美子さん

マシュマロフォンダント講師と歯科医 「二足のわらじ」って最高♡

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マシュマロフォンダント講師と歯科医 「二足のわらじ」って最高♡

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マシュマロを溶かしてペースト状にし、カップケーキやクッキーをデコレーションするマシュマロフォンダント。日本での火付け役となったのは、歯科医としての顔も持つ関有美子(せき・ゆみこ)さん。手探り状態で始めたマシュマロフォンダントは、今や女性の間で人気の習い事に。「歯科医も講師も、両方やることでバランスがとれている」と語る関さんに話を聞きました。

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日本では知名度ゼロだったマシュマロフォンダント

――歯科医師の仕事をしながらマシュマロフォンダントを教える講師をやられているということですが、なぜマシュマロフォンダントを始めたのでしょうか?

関有美子さん(以下、関):大学を卒業してからずっと歯科医として働いてきましたが、出産を機に一時的に仕事を辞め、子どもの面倒をみるため自宅で過ごしていました。子どもが少し大きくなったら、可愛いごはんやおやつを作ってあげたら喜ぶかなと始めたのがマシュマロフォンダントでした。

――マシュマロフォンダントは何で知ったんですか?

関:イギリスに留学していた友人が、自分で作ったものを見せてくれたのが出会いでした。最初はそれを思い出しながら自分なりに作っていましたね。

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――レシピ本などがあったんですか?

関:それが全然なくて! ネットで検索しても100件もヒットしなくて、材料もマシュマロと粉砂糖を使うということしかわからなかったんです。マシュマロフォンダントはマシュマロを水で濡らして電子レンジで溶かし、そこに粉砂糖を混ぜて作りますが、何もわからないから、油を入れてパリパリになってしまったり、水を入れすぎてビシャビシャになったり(笑)。失敗の連続でした。

デザインも、最初はクッキー型で抜くだけだったり、シリコンのコースターで柄をつけてみたりの試行錯誤。アイシング(飾り付け)するためのジェルの存在も知らないから、食紅やココアなどスーパーで買えるようなものでやっていたり。どこかでその勉強をしたわけではなく、数々の失敗の結果なんとか形になったという感じです。

それをSNSで紹介したら、シュガークラフトなどをやっている友達から「教えてほしい」と連絡が来て、それがだんだん広がっていって教室を開くようになりました。

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――0歳児がいたら家事すらできない状態じゃないですか! よくそんな体力がありましたね!

関:そうなんですけど、赤ちゃんがいると毎日の生活が本当に大変で、家も汚れて散らかり放題。そういう日常だと、だんだん心がすさんで疲れちゃうんです。でも、逆にそこでマシュマロフォンダントに出会い、自分の手からきれいなもの、可愛いものが生まれてきた時にすごくストレス発散になりました

コミュニティーがないなら自分が作る

――その後、マシュマロフォンダント協会を設立されていますが、なぜですか?

関:レッスンに来てくれる方が増えてきて、その人たちにちゃんと教えるためにはコースを設定し、修了証を作った方がいいんじゃないか。ちゃんとした協会を作った方が受講生のためになるんじゃないか。そう考えたんです。日本にマシュマロフォンダントについていろいろ語れるコミュニティーがまだないのなら私が作ろうと協会を設立しました。

私、子どもの頃から習い事とか一つもしたことがなくて。だから、女子らしいレッスンもまったく受けたことがなかったんです。アルバイトすらしたことがなくて。それでいろんな仕事をしてみたいという願望があったんです。

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――休日がないと大変じゃないですか?

関:以前は、休日はあって当たり前と考えていたんです。でも、やりたいことがあるのなら休みを入れずに欲張ってもいいんじゃないか、と。それに仕事は一つだけという決まりはない。だったら歯科医の仕事以外にもやりたいことがあったらやってみよう思ったんです。

今は両方やることでストレス解消にも役立っています。歯医者の仕事で行き詰ってもマシュマロフォンダントの仕事をすることでストレス発散ができるし、その逆もあります。それに毎日にメリハリがつき、忙しいけどそれが心地いい。

「休みがないから心にゆとりができない」という人もいますが、私はやりたいことが山盛りという状態が好きだし、その方が自分に合っているんでしょうね。

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「失敗してもいいからやる」の積み重ね

――今、歯科医としての仕事も再開されているんですよね?

関:はい。歯科医の仕事は週2、3回で、マシュマロが週1、2回ほど。予定が入っていない日に家事をやったり子どもと遊んだり、という感じです。よく後輩から「私も先生みたいにマルチに活躍できるようになりたいです」といわれることがありますが、私はうまくやろうと思ったことは一度もないです。いつも失敗してもいいからやれるだけのことはやろうという気持ちでやり続けて、今やっと形になってきたという感じです。

まわりからは「なんでもラクにうまくいってそう」と見られがちですが、努力しないでうまくいったことなんて一つもないです。歯医者の面接でも、私、かなり落とされてるんですよ。マシュマロフォンダントの仕事などでメディアにも出ているため、「目立ちたいんだろう」とか、「そういう仕事をしながらできるほど歯科医の仕事はラクじゃない」と嫌味を言われたこともいっぱいあります。また患者さんからも同僚からも、女だから、小綺麗にしているからと、軽く見られることもあります。

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――じゃあ、その可愛らしいイメージは、歯科医の仕事ではマイナスなんですね。

関:そうなんです。歯科医の時は化粧っけもなく髪は一つに束ね、メガネをかけ――女らしくしたい、キレイにしたいという気持ちは全部封印して仕事に集中しています。だからこそマシュマロフォンダントの仕事をやることで気持ちが満たされているのだと思います。どちらか一つを選ぶなんてできないから、両方全力でやるしかない。やるからにはその業界のプロに恥じないようにがんばろうと思い、全力投球しています。

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しなやかに、生きる。

会社や組織に縛られることなく、自分ら人生の決断をし、新たな働き方を見つけてきた女性たちのインタビュー連載です。30代女性が、もっとしなやかに、そして軽やかに生きていくためのヒントが、ここにありました。

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