髙島屋・和菓子バイヤー 畑主税さんインタビュー

見た目もキュート 新世代が生み出す“ニューウェーブ和菓子”の魅力

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見た目もキュート 新世代が生み出す“ニューウェーブ和菓子”の魅力

眺めているだけで、なんだか心癒される和菓子。日本全国の和菓子に精通している髙島屋の和菓子バイヤー、畑主税(はた・ちから)さんによると、今、和菓子の世界では大きな変化が起きているそう。次々に誕生する老舗メーカーの新世代が世に問うニューウェーブ和菓子について聞きました。

今、和菓子がおもしろい本当の理由

――今、和菓子の世界で大きな変化が起きていると聞きましたが……。

畑主税さん(以下、畑):そうなんです、ここ2、3年で老舗の和菓子メーカーが次々に代替わりをして、若いご主人が新しい和菓子に挑戦しています。その時々でロールケーキやチーズタルトがブームになったりする洋菓子の世界と違い、和菓子の世界には基本的に「流行」がありません。でも、代が変わることで、これまでにない斬新な流れが生まれる可能性を秘めているんです。

例えば、虎屋が今年から始めた「とらやカフェ・あんスタンド」。虎屋の商品を若い世代により身近に感じてもらうための、カジュアルスタイルのカフェです。パッと見たところ、おしゃれすぎて和菓子とは無関係に見えるほどですが、メニューには「あずきとカカオのガトー」「あんボーロ」「あんトースト」など、あんこをしっかり楽しんでもらおうという虎屋の想いが伝わってきます。

見た目が愛らしすぎる和菓子3選

――女性にもぴったりなかわいい和菓子ありますか?

:両口屋是清の「室の氷」は、ステンドグラスのようなカラフルな見た目でかわいいですよ。5色の寒天を固めて切り出してから、同じ色が隣合わないように組み合わせるという手の込んだ作りです。

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大野屋の「高岡ラムネ」も若い世代に人気です。駄菓子屋さんでもおなじみのラムネ菓子なのですが、和菓子伝統の干菓子の木型で作られているので見た目がかわいく、ポチ袋を思わせるパッケージも。

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五郎丸屋の「T五(てぃー・ご)」もユニークで、まさにニューウェーブ和菓子といった雰囲気。もともと「薄氷」という昔から守っている和菓子があるのですが、テイストは和三盆のみでした。それを新しいご主人が、桜(塩味)、抹茶(苦味)、柚子(酸味)、和三盆(甘味)、胡麻(滋味)の5つのバリエーションをつけて、見た目もかわいくリニューアル。

「T五」は5種類のテイストと、本店がある富山県の「T」に由来するそう。他にも、ご主人がジャズ名曲「テイク・ファイヴ」が好きだからという理由もあると聞きました。おしゃれですよね。

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ウイスキーに合う和菓子も登場

:最近、新素材として和菓子の世界でも使われるようになっているのは、「ハーブ」や「お酒」。例えば、一幸庵はいろんなお菓子を使った和菓子を作っていらっしゃいまして、先日はオーダーメイドという形で、赤ワイン、白ワイン、獺祭の清酒と酒粕、レッドアイ(ビールとトマトジュースのカクテル)、ウイスキーと洋栗ペーストの4種類を作っていました。

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――お茶よりお酒やコーヒーと合いそうですね。

:ニューウェーブ和菓子に限らず、和菓子は煎茶や抹茶だけでなく、コーヒーや紅茶、さらにはお酒ともよく合います。実際に日本酒と和菓子を組み合わせてみようというイベントを開催しましたが、羊羹の燻製と日本酒は相性ピッタリでした。それから、虎屋の「おもかげ」や亀屋良長のお「烏羽玉」といった黒糖ベースの味の濃いものは、ウイスキーとも合います。

――ウイスキーと合う和菓子って、すごい!

:今、和菓子の世界は本当にワクワクするほどおもしろいことになっています。和菓子は昔の暦である二十四節気に合わせて発売されるという慣習があります。二十四節気はさらに七十二候に分けられますから、それに合わせて売り出される和菓子の種類は膨大です。新製品だけでも、年間200種以上は出ています。目まぐるしく変わる和菓子の世界。みなさんもちょっと覗いてみてください。

(竹川春菜)

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