“出産ビンボー”にならないための 妊娠2年前からのお金計画 最終回

産休・育休中の「赤字」は避けられない 給付金や免除があってもキツいって本当?

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産休・育休中の「赤字」は避けられない 給付金や免除があってもキツいって本当?

「仕事も楽しいし、パートナーとはもっとふたりきりの時間を楽しみたい。産むとしても数年先かな……となると、産んでもひとりだけかな」そんなことをとりとめもなく考えている30代女性の皆さんに向けて、妊娠2年前から考えておきたいお金の話をお届けしている本連載。
今回は「産休・育休中に浮くお金・もらえるお金」。出産は人生の一大イベントと張り切って205万円の出費になってしまったAさんですが、実は産休・育休で「浮くお金」や「もらえるお金」があるのです。

〈これまでのストーリー〉
【記事一覧はこちら】妊娠2年前からのお金計画“出産ビンボー”にならないために
現在38歳、大手メーカーに正社員として勤めるAさん。32歳で結婚、34歳から2年間の不妊治療を経て36歳でめでたく妊娠・出産しました。夫はメーカー勤務で世帯収入は1000万円。「一生に一度きりの経験かもしれないから」とベストの選択をし続けた結果、出費は合計で205万円に膨らみ、“出産ビンボー”になってしまいました。

産休・育休中は社会保険料が免除される

あまり知られていませんが、産休・育休中は、社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料・介護保険料)の免除を受けることができます。毎月何万円もお給料から引かれていた分を払わなくてよくなるのは、助かりますね。しかも保障は続くため、将来もらう年金額が減ることはありません。

ただし、気をつけたいことが一つだけ。それは「1日でも出社したら、その月の保険料が発生する」という点。Aさんも知らずに失敗した一人でした。引き継ぎ業務が気になり、産休中のある月末に1日だけ出社したところ、その月の社会保険料は免除されなかったことをあとから知ったのです。

ここで産休・育休中に社会保険料の免除を受けるためのポイントをまとめておきましょう。

・産休・育休中に勤務先を通じて免除の申請をすることが必要
・1日でも出社したらその月の社会保険料は免除にならないことがある
・免除を受けられるのは産休を取り始めた月から、復職翌日の前月までなので月末日に復職した方がトク。

どうしても出社が必要な時は、会社に相談するなどして、免除を受けられるように注意した方がよいでしょう。

育休中にもらえるお金

社会保険料が「浮くお金」だとしたら、「もらえるお金」はどうなっているのでしょう?

「もらえるお金」の代表格は育児休業給付金。産休に続けて子どもが1歳になるまで育休を取ったAさんの場合、育児休業給付金はいくらもらえるのでしょうか。

【育児休業給付金としてもらえる金額(1日あたり)】
・賃金日額:育休開始前6ヵ月の賃金合計÷180
・育休開始~180日目
 :賃金日額×67%
・育児休業開始から181日目以降
 :賃金日額×50%

【Aさんがもらった育児休業給付金】
・Aさんの賃金日額:1万円
・育休開始から180日目まで:1万円×180日×67%=120万6000円
・181日目~1歳まで:1万円×129日×50%=64万5000円
                        合計:185万1000円

育児休業給付金には上限があり、賃金日額が1万4150円を超える場合は、一律1万4150円で計算されるため、給料が高くそれを超えている場合は67%(50%)しかもらえません。また、2ヵ月ごとに手続きが必要となり、振り込みも2ヵ月ごとです。

収入は確保できても全体では赤字に?

保育園の入所が決まらなかった場合は、育休を1歳6ヵ月まで延ばすことができ、その間も育児休業給付金を受け取れます。また、パパとママの両方が育休を取得すると1歳2ヵ月まで延長できる「パパママ育休プラス制度」を活用しても、育児休業給付金はもらえます。

Aさんの場合、もともとの年収が360万。産休中にもらえる出産手当金が約65万円(98日分)、さらにその後続けて取得した育休中にもらえるお金が185万円(309日分)で合計250万円ですから、社会保険料が免除になることを考えると、大きく収入が減った感じはしないかもしれません。

でも、産休育休中に所得がなくなり社会保険料は免除になっても、前年の所得に対してかかる住民税は、育児休業給付金の中から自分で払わなくてはなりません。年収360万であれば、3ヵ月ごとに4万円程度。月々の出費は子どもが生まれて増えていくため、気づいたら「赤字」になっていたというケースも少なくないようです。「浮くお金」「もらえるお金」があるとしても、経済的にはラクとはいえない産休・育休中。今からちょっとずつ準備しておいてもいいかもしれません。

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