不倫とは「酔えない恋」 続ける?抜け出す?悩んでいる人に贈る言葉

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不倫とは「酔えない恋」 続ける?抜け出す?悩んでいる人に贈る言葉

これまで不倫に関する著書を多数世に送り出してきたライターの亀山早苗(かめやま・さなえ)さん。この5回連載では、古今東西の人々を悩ませ 続けてきたこの難題について、亀山さんと考えていきます。いよいよ最終回です。

なぜアラサー女性たちは不倫に走るのか?

女はアラサーになると、なぜ、不倫を始めてしまうのか? 30歳前後で不倫の恋に落ちた女性5人を見てきたこの連載。生育歴や環境など、いろいろな要件はあるだろうが、既婚男性のある種の余裕が彼女たちを惹きつけるのかもしれない。

どこに余裕があるかというと、セックスが目的とばかりにガツガツせず、相手の話を聞く耳を持ち、終始ほどよくリードしてくれるというあたりだろうか。

ただ、そういった気遣いや思いやりは自分が結婚している負い目から来るものであることも多い。そしてもう一つ大事なのは、彼には家族があり、その家族に人間性を鍛えられてきたという点だ。

恋愛の“いいとこ取り”

「いいとこ取りだと言われてもしかたがないと思っています。その通りだから」

チサトさん(30歳)はそう言った。彼女も8歳年上の既婚男性と付き合って3年になる。結婚願望がないチサトさんにとって、既婚の彼はうってつけなのだそうだ。

「週末は仕事に必要な国家資格を取るための勉強にあてたいし、平日も仕事が忙しくて帰りが遅いんです。だからとても結婚を前提に付き合っている余裕がない。そもそも結婚したいとも思っていないし……。ただ、好きな人との時間は必要だし、いろいろ話し合えるパートナーもいた方がいい。職場の先輩にあたる彼なら時間をやりくりして会いやすいんですよね。私は彼のことが大好き。彼とのセックスも好き。結婚を求めてないから、彼と付き合うことに罪悪感もありません」

彼の妻が聞いたら怒るだろうが、チサトさんの気持ちとしては正直なところだろう。彼の結婚生活を破綻させる気などさらさらないのだ。

仕事を持って、さらに結婚して子どもを産み育てる。それが理想的だと思う人もいれば、別に結婚はしたくないが恋愛だけはしていたいと思う人もいる。もっといえば、恋愛すら必要がないと感じている人もいるだろう。

どういう人生を選んでもいいはずだ。

「奥さんに知られたら慰謝料を請求されるリスクはある。社会的に追いつめられて、私が仕事を失う危険性もある。それはわかっています。でも不思議ですよね。彼と私の関係は、ふたりだけで育んでいるプライベートな“恋愛”で、ふたりの合意のもとに行われていることなのに、どうして法的な“結婚”をしているという理由だけで、第三者である妻に訴えられないといけないのか……。恋愛感情は法律に負けるんですかね」

「結婚」と「恋愛」は相性が悪い

チサトさんの苦笑に応える術がなかった。確かに「結婚」は社会的法的に守られている制度なので、「恋愛」という非社会的なものとは相性が悪いのだ。

「でもみんな、恋愛から結婚していくのにね」

結婚は「恋愛の死」なのだ。結婚したら恋愛することは許されない。だから本来は、「不倫」をしているのは彼だけで、独身の女性には関係ない。だが「不貞行為」の共犯者として独身女性も、彼の妻から制裁を受ける恐れがある。矛盾しているような気がしなくはない。

5人のインタビューを終えて

人が人に恋愛感情を持ち、惹きつけられてしまう気持ちは止めようがない。相手が結婚しているという理由で恋愛感情を押し殺さなければいけないのは、人の気持ちのありようには反している。

だが、確かに法的には結婚している人が恋愛するのは「不貞行為」であり、その相手も妻から慰謝料を請求される可能性があるのは事実。

それをわかっていながらも、好きになってしまうこともあるのが人間なのだと思う。

相手が結婚しているから「いけないこと」と思いながら恋愛を続けている人もいれば、どうしても父親の幻影を求めて既婚男性に惹きつけられてしまう人もいる。好きになったのがたまたま既婚者だったこともあるだろうし、今回のチサトさんのように相手が既婚だからかえって都合がいいケースもある。

人はなぜ不倫をするのか?

人はなぜ不倫をするのか。

人それぞれに事情はあるにせよ、やはり「出会ってしまったから」という理由は大きい。しかも、このタイミングで。もう少し前なら、彼も独身だったかもしれない。だが、独身時代の彼に会ったからといって恋愛に発展していたかどうかはわからない。

そう考えると、「人は出会うべきときに出会うべき人と出会っている」のかもしれないと思う。

既婚者と恋愛した時、彼を奪い取りたくなることがあるかもしれない。略奪婚をたくらもうが密かに恋を育もうが、それは個人の自由だ。だが、姑息に彼の家族を傷つけるようなことをしてはならない。それは天に唾するというもの。必ず自分に返ってくる。

そうならないためにも、自分がなぜこの人を選んだのかを明確にしておく必要があるのかもしれない。

「不倫」は酔える恋ではないのだと思う。そこから抜け出したいならみずからの人生を振り返ってみなければいけないだろうし、「恋」として密かに続けていきたいならそれなりの精神力が求められるのだ。

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