ウートピ図書館 池田園子さん

離婚を恐れない生き方 いい男は昔の男を忘れ去った頃にやってくる

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離婚を恐れない生き方 いい男は昔の男を忘れ去った頃にやってくる

「ウートピ図書館」
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このたび私たちは、「ウートピ図書館」を開館することにいたしました。 ここは、皆様の寄贈により運営をおこなう私設図書館です。ウートピの主な読者層は、人生の分岐点に立つアラサーの女性。読者の皆様がもっと自由に、もっと 幸福に、人生を謳歌するための杖となるような本を収集すべく、ここに設立を宣言いたします。
失恋した時に支えてくれた本、仕事で失敗した時にスランプを乗り越えるヒントを与えてくれた本、そして今の自分の血となり肉となった本などなど。作 家、ライター、アーティスト、起業家、ビジネスパーソン……さまざまな分野で活躍されている方々の「最愛の一冊」を、人生を模索するウートピ読者のために エピソードと共に寄贈していただきます。

今回の執筆者は、編集者・ライターの池田園子(いけだ・そのこ)さんです。

〈こんな人におすすめ〉
破局や離婚など、愛した人との別れを経験して心に傷を負った人

29歳女、2年2ヵ月で離婚

「人生で一度は(とびきり大好きな男性と)結婚してみたい」。結婚をそんな軽いノリで捉えていたから、バチが当たったのかもしれない。1月、私は29歳で離婚した。2年2ヵ月のあっけない結婚生活だった。

それでも、初めて「心から愛している」と実感できる男性と恋愛し、結婚に至ったわけで、結婚生活は基本的に楽しい思い出ばかり。だから別居後、離婚は避けられないと悟ってからは、新居でひたすら涙を流していた。

つれない人間を無理してつなぎとめたり、モノでもないのに所有しようとしたりするのは、不自然なこと。彼を自由の身にしてあげよう。そう納得はできているけれど、負傷したプロレスラーのごとく、リング上でぐったりとして起き上がれずにいたのだ。

再びリングに上って試合ができるよう、傷の治療をしたいし、リハビリもしたい。そう思い、Amazonで本を大量に注文したり、近所の図書館に足を運んだりした。夜な夜な、そして休日も閉じこもって、本ばかり読んでいた。

宇野千代(『恋愛作法 愛についての448の断章』集英社)

そんななか、買ったことを忘れていた本が、書棚から出てきた。それこそが私の傷口を少しずつ、やさしく埋めてくれた一冊『恋愛作法 愛についての448の断章』だ。

作家で実業家、デザイナーなどさまざまな顔を持ち、大正から平成まで時代をまたいで98歳で亡くなるまで、活躍を続けた宇野千代先生。作家の尾崎士郎氏や画家の東郷青児氏、小説家の北原武夫氏など、才能あふれる男性陣との華麗なる恋愛・結婚遍歴を持ち、その人生は波乱に満ちている。

男から裏切られたり、みずから別の男との恋愛に走ったり……傷ついては立ち上がり、女性としても人間としても、「器」を大きくし続けた千代先生は、自身の経験から導き出した生き方や考え方を、余すことなく本書に綴っている。

「私はこれまでに、いろんな人と一緒になって、たびたび失恋しています。『あ、またやったな』と思った瞬間に、そのことに執着せず、忽ち忘れてしまうのでした。私はこんなとき、決して相手を深追いせず、相手からさっと身をかわすのでした。そして一番きれいな着物を着て、表へ出て見るのでした。表へ出て見ると、風景はまるで変わっているのです」

「人にはおかしく思われることでも、自分では幸福と思うようにした。私は夫と別れた。そのとき、別れるのを辛いと思わないようにしたいと思った。私は自分でも別れるのが好いと思うようにした」

「追いかけないのが、恋愛の武士道である。一人の人を思い詰める、と言うのは、言葉で聞くと美しいように聞えるが決してそうではない」

夫を解放する準備はできている。それでも喪失感を受け止められず、悲しくてたまらない……。そんな時にこれらの文章を読み、どれほど背中を押されたことか。突然涙が引き「別れたらもっといい男と出会えるに違いない!」と、根拠なくポジティブ思考になれた。

過去を忘れ去る勇気

「私はあらゆることを忘れている。許し難い、と思われている自分の罪も忘れ去っているのと同時に、自分が人からこうむった辛かったことも、忘れている。そんなことなど、なかったかのように忘れている。この、忘れ去っている、と思うことの愉しさ」

今、原稿を書きながら本書を再読したところ、上記の文章がじわりと効いてきた。時折読み返すべきこの名著には、たくさんのドッグイヤーがある。

離婚して4ヵ月くらい経ってから、私は元夫を思い出さなくなっていた。日々前向きに、全力で生きているといいことがあり、素敵な出会いがご褒美として降ってくるからだ。それらを楽しんでいると、過去なんて吹き飛んでいる。私は現在(いま)を生きている――『恋愛作法』は、そう力強く宣言できるようになった私の、恋愛バイブルを超えた生き方のバイブルである。

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