恋愛、結婚、浮気、ケンカ、離婚……いつの時代も変わらない男女の「もつれ」を遺伝子学で解き明かしていく連載です。生命情報学専門の国際医療福祉大学助教、筒井久美子(つつい・くみこ)先生に、様々な男女のもつれの原因を遺伝子学の観点から答えていただきます。
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「理想の男」の条件なんか、滅多に変わるものじゃない。そう思っていませんか? ところが、なんと「女性は月経周期によって男の好みが変わる」という衝撃の事実が研究で明らかになったのだそう。「アダムとイブのもつれる遺伝子」第11回では、生命情報学がご専門の国際医療福祉大学助教、筒井久美子(つつい・くみこ)先生に、女性の月経周期に隠された男女の恋愛メカニズムを教えていただきます。

月経周期で変わるオンナの魅力度

月経周期によって、女性の男性に対する魅力度が変わるのをご存知でしょうか? 排卵前は女性ホルモンであるエストロゲンが増加し、排卵を機に減少して逆に黄体ホルモンが増えていきます。エストロゲンは「女らしさ」を作るホルモンですから、排卵前はツヤツヤお肌でむくみ知らず。エストロゲンには血圧を下げたり心を安定させたりする働きもあるので、心身ともに穏やかな「いい女」になるんです。特に、エストロゲンの量がピークに達する排卵日は、最上級の「女らしさ」が出るんですよ。

一方、排卵後は男性ホルモン寄りの黄体ホルモンが分泌されるので、体臭がきつくなったりします。次の月経まで、女としての魅力やエネルギーを内側に閉じ込めておくんですね。

排卵日には「イケイケ恋愛モード」のスイッチが入る

排卵日は、自分史上最高の「いい女」になるだけではなく、「イケイケ恋愛モード」のスイッチが入る時期でもあります。その日には、身体が恋愛したくてしたくてうずうずするんです。

これは科学論文ベースの話なのですが、ヨーロッパの女性を対象に浮気経験の有無を調査し、「いつ浮気したか」を徹底的に調べてみたところ、排卵時期の浮気が他の日の2.5倍だったということが明らかになっています。

排卵時期を境にガラリと変わる“理想の男性”

また、月経周期によって男性の好みはガラリと変わります。ある研究では、被験者の女性にさまざまな男性の写真を毎日かわるがわる見せ、「どの男性がタイプですか?」と質問したそうです。すると、排卵日、すなわち一番妊娠確率が高い日には、すべての写真の中で一番のイケメンを選ぶ傾向があることがわかりました。

イケメンといっても、線の細い美形ではありません。顔のベースはそれぞれの女性の好みなのですが、その上でヒゲが濃かったり、声が低かったり、筋骨隆々でワイルドだったり、要は繁殖能力が高そうな男性に惹かれるそう。「優秀な遺伝子を残していこう」という動機が働いているせいかもしれません。

ところが、排卵時期を過ぎると、一転して、優しい人や心が安らぐ人に傾くようになります。現在、彼氏や夫のいる方は、ご自身の月経周期と恋に落ちた時期を照らし合わせてみてください。「排卵期男子」か「非排卵日男子」か、どちらのタイプかわかるかもしれませんよ。

男性も、女性の周期変化を嗅ぎ分けている!?

では、ターゲットである男性側は、女性の月経周期を敏感に感じ取っているのでしょうか?

結論から言えば、繁殖期が決まっている動物とは異なり、ヒトの女性の月経周期を外見から見破る方法は今のところありません。強いて言えば、体臭の変化くらいでしょうか。

ただ、男性の中には、なぜか周期の変化を見破れる人もいます。何を隠そう、私の夫もそのひとり(笑)。私の夫は妊娠した女性を嗅ぎ分けられるようで、私の妊娠がまだ発覚していない頃から「えー、何だか匂いが違う」と口にしていて、ビックリしました。

職場の男性も「最近、同僚がちょっと臭いんだけど……」とぼやいていて、適当に聞き流していたら、後々「臭い」と言われていた同僚の女性が妊娠6ヵ月だとわかった、なんてこともありましたね。ですから、まだ科学的には明らかになっていませんが、女性は男性に何らかのサインを送っているのかもしれません。

婚活や合コンは排卵日前がおすすめ

男女の恋愛に深く関わる月経周期。「運命の出会い」を経験したいのであれば、排卵日前に合コンや婚活パーティーに繰り出すのがおすすめです。「いい女」フェロモンがあふれているだけでなく、男性に対するアンテナもビンビン立っているから。

その意味では、月経周期の似ている女友達を誘って合コンを開けば、成功率が高くなるかもしれません。共同生活をしている女性同士はだんだんと月経周期が似てくるので、いっそのこと、職場の同僚と「周期合コン」を開催してみてはいかがでしょうか?

筒井久美子(つつい・くみこ)
理学博士。国際医療福祉大学医療福祉学部助教。東京医科歯科大学大学院博士後期課程修了。専門は医療情報学、生命情報学。学生時代のペットは培養細胞。ナンパされた男に「趣味は?」と訊かれ、「細胞培養」と答えたら逃げられた過去あり。現在1児の母。将来の夢は娘と一緒に細胞ちゃんを培養すること。

小泉ちはる

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