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2016/08/19

今年4月、金融庁が不妊治療の費用をカバーする民間の医療保険を解禁したとして話題になりました。

しかし、その後実際に保険商品が発売されたかというと、どこの保険会社も二の足を踏み、具体的なサービスが打ち出されていない状況にある。そうした残念なニュースが、今月18日「毎日新聞」から流れました。

ビジネスとして成り立たないから?

最初から不妊治療をする可能性が高いとわかっている人が加入するため、どうしても保険料が高額になってしまう。どんな治療を何回受けるか患者の意思で決めるため、治療費がどんどん増えてしまう。そのため保険会社は各社、「商品設計が難しく採算が立たない」と判断したようです。そもそも最初から保険会社は乗り気ではなかったのに、金融庁が見切り発車したしたのでは?との見方もなされています。

「ボーナスが全額治療費に消える」

30代の働く女性のためのニュースサイト・ウートピでは、これまでも「不妊治療」について継続的に取り上げてきました。

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体外受精と顕微授精は「特定不妊治療」と呼ばれ、公的な健康保険の対象になりません。1回の治療で患者が負担しなければならない額は30万円超。「ボーナスが全額治療費で消えてしまう」「治療を始めてから貯金が底をついてしまった」というカップルは大勢います。

実際に治療中の人の声は?

今回のニュースについて、実際に不妊治療中の人はどのように感じているのでしょうか? ウートピでは緊急にヒアリングを行いました。

「フランスやスペインのように年齢制限を設けて、公的健康保険の対象にしてほしい。病院によっては、心拍が確認できた時点(流産や死産で無事に生まれなくても)で20〜40万円の成功報酬を取るので、治療費のみを対象とする現在の公的助成金だけでは不十分」(治療期間2年、20代後半・女性)

「ビジネスとして採算が立たないという保険会社の言い分は仕方ないと思う。もっと根本的に、不妊治療の仕組み自体を変えないと意味がない。料金体系一つとっても、病院によってまちまちで非常に不透明。いつも混んでいるので、病院側から十分な説明を受けるチャンスもない」(治療期間3年、30代前半・女性)

「不妊治療はとにかく不透明なことが多すぎる。治療費も病院によってバラバラだし、不要な薬を出してくる病院も少なくない。そんな状態で保険料を払わされたらたまったもんじゃない。保険会社に丸投げする前に、もっと国としての取り組みを進めてほしい。不妊治療について啓蒙したり、不妊治療とキャリアの両立について仕組みを整えたり。問題は経済的なことだけじゃない」(治療期間3年半、30代後半・女性)

日本産科婦人科学会のデータによると、2013年時点で「特定不妊治療」によって誕生した子どもは国内で4万人超。とはいえ、その陰には治療の自己負担額に耐えられず途中で諦める他ないカップルもたくさんいます。

公的・民間を問わず、本当に当事者の助けになるサービスが打ち出されることを願います。

(編集部)

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