鮮やかな押し花を閉じ込めたiPhoneケースや、木製のオーガニックな腕時計。これらのアイテムは、すべて「Makuake(マクアケ)」を通じて生まれました。

「Makuake」とは、サイバーエージェントグループが手がけるクラウドファンディングサービスのこと。トップページにはハイクオリティなページで紹介される魅力的なプロジェクトがずらり。見ているだけでワクワクするおしゃれで楽しいプラットフォームの裏側について、(株)サイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の坊垣佳奈(ぼうがき・かな)さんに聞きました。

「本当にいいもの」が売れる時代だからこそ

——トップページを拝見していると、女性が喜びそうなプロジェクトがたくさんありますね。特に人気のものは何ですか?

坊垣佳奈さん(以下、坊垣):今、人気なのが、指に付ける時計「moco」です。とっても小さいのですが、しっかりと時を刻んでいます。宝石を使用した女性のためのジュエリー時計もありますので、ジュエリーアイテムとしても身に付けて頂けます。8月に入り、開始したプロジェクトになりますが、「今までに見たことのないデザインでとっても可愛い」と多くの女性の間で話題となり、早速目標金額を超えて話題となっています。

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「moco」

他にも、海を連想させるブルーのお茶が楽しめるイルカの形をしたティーバッグや、3000円で100種以上の果実酒・梅酒が飲み放題となる専門店「SHUGAR MARKET 」へのオープニングパーティー参加権など、体験型のリターンも人気です。

基本的に事業内容についての審査は行わない

——プロジェクトの幅がとても広いように感じますが、「Makuake」にはどんなものでも掲載できるのでしょうか?

坊垣:基本的に事業内容、売れる商品なのか?といった審査はしていません。なぜかというと、どんな商品でも一度は世の中に出てみないと売れるかどうかわからないから。判断は私たちではなく、消費者がすべきだと思うんです。市場を見ていると、広告費をかけてたくさん宣伝した商品が、多くの人の目に触れ売れるという流れができていますが、広告費を出すことが難しい商品の中にも、優れた商品はたくさんあります。そういった、今までは多くの人に届くことが難しかった商品も「Makuake」によって、ヒットの可能性が生まれるということは嬉しいですね。

——「よい商品」にこだわっているんですね。

坊垣:クラウドファンディングの面白さは、大企業が作ったものか個人が作ったものかに関係なく、「よいもの」が売れる仕組みになっているところ。さまざまなプロジェクトをフラットに並べてみると、真に必要とされているものが注目され、形になっていきます。大企業では、まだ売れるかどうかわからない新規事業のアイデアを「Makuake」にてプロジェクトを開始したらすごく売れたので、最終的に事業化したというシンデレラストーリーもありますよ。

資金集めで終わらないクラウドファンディング

——商品の力で勝負できるという点は、スタートアップにはぴったりですね。

坊垣:中には、「世界一周をしたい」といった、個人の自己実現のために資金を集めるプロジェクトも少なくありませんが、「Makuake」の場合は、世の中にはまだない新しい商品やサービス、店舗の誕生をサポートすることに、より注力をしています。

企業だと、いいアイデアがあっても商品化までなかなかたどり着かないケースも多いようです。様々な部署との調整が必要であったり、製品を作る際の体制が複雑であるなど、企業の中での商品化のハードルはそう低くないからです。

——確かに、それはよくありそう……。

坊垣:また、一般企業で商品化した場合、量産のリスクも大きくなります。対してクラウドファンディングなら注文があった分だけ作ればいいし、消費者の反応を見ることもできます。マーティングやプロモーションの役割も果たしているんです。

——なるほど、企業では実現できないことをやっているんですね。

坊垣:今では、企業の社員の方が「商品化の許可はとれませんでしたが、クラウドファンディングの実施許可は取りつけました」といらっしゃるケースもあり、クラウドファンディングの結果次第で商品化を社内で決めるという事例も増えてきています。

坊垣佳奈さん

坊垣佳奈さん

サイバーエージェントグループだからこそ、できること

——どのプロジェクトも、商品のよさが伝わるページ作りになっていてすごいですね。

坊垣:コンサルやPRも何もせず、ただプロジェクトを載せるだけのクラウドファンディング・サイトもたくさんありますが、それだと出品者の友人の友人など、一部からの資金しか集まりません。それぞれのプロジェクトを紹介するページがいかに拡散されていくかがとても大事なので、プロジェクトページの「魅せ方」には力を入れています。

日本には「よいもの」を作る企業はたくさんあるのに、「よいPR」をできる企業は少ない。これはすごくもったいないと思います。

——PRまでちゃんとやるところが「Makuake」の強みなんですね。

坊垣:サイバーエージェントはもともと広告代理店ですから、PRは本業。これまで培ったメディア運営やソーシャル上での情報拡散ノウハウを生かして、消費者に伝わるまでの広報面もサポートしています。

——具体的にどんな工夫をしているのですか?

坊垣:出品する方を「実行者」と呼んでいるのですが、「Makuake」では実行者と直接お会いして商品がある場合商品を実際に見ながら、一緒に伝え方を考えていきます。

まだ世の中に存在しない商品やサービス、事業ばかりを扱うので、リアルに手に取ることがどうしてもできません。もちろん、口コミや評判もない。だからこそ、リアリティを感じてもらうこと、共感してもらうことが絶対必要なんです。他にも価格設定は適切か、支援者へのリターンは十分かといった部分にもしっかり関わるようにしています。

スタートからわずか3年で成長した理由

——立ち上げからわずか3年でここまで成長したのは、独自のコンサル力があるからなのですね。

坊垣:そうですね。日本のクラウドファンディングはまだ、歴史は浅く未知な点も多々あります。「Makuake」は、コンサルやPRなどの強みを活かし、「Makuake
」はもちろん、クラウドファンディング市場自体を更に成長させていければと思います。

日本にも、世界にも、ポジティブな姿勢で素晴らしいものやサービスを生み出している方がたくさんいます。今後は海外進出も視野に入れて更に事業を広げていきたいです。

(竹川春菜)

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