ウートピ読者のみなさま、こんにちは。
加藤千恵です。
好きな京都みやげは、阿闍梨餅です。
普通の和菓子だと思って食べると、食感とおいしさに衝撃を受けますよね!

京都に足を運んだのですが……

こんなことを言い出したのは、先日京都に行ったからですが、その理由は祇園祭りや寺社巡りなどといった、風情あるものではなく、単に友人から「リアル脱出ゲーム行かない?」と誘われたからです。リアル脱出ゲームというのは、わたしや友人がはまっているイベントなのですが、ご存知のない方のために申しあげると、京都は一切関係ありません。

もしかすると公演によっては関係あるものもあるかもしれませんが、わたしたちが行ったのは、ビルの一室に閉じ込められて、そこからの脱出を試みるというものなので、風景も味わうことなく、ひたすらに目の前の謎と対峙していました。

しかも夜には、ダウンロードしたばかりの「ポケモンGO」で、レアモンスターを探すため、わざわざ任天堂本社に足を運んだりもしました(ちなみにいなかった)。

なんというか、京都に謝りたい気持ちです……。とても楽しかったですが。

短歌の基本「5・7・5・7・7」の31音は、できるだけ守って

さて、この連載も3回目。
今回は「眩しい朝」というテーマで短歌を募集していたのですが、心なしか、以前より投稿が少し減ったかも……。
これはあれですよね。テーマがちょっと難しかったんですよね。別に3回目だからって飽きてきたとかってことじゃないですよね? ないですよね?
次回はまた増えますよね? 増えますよね?

みなさんがいてこその(みなさんの短歌があってこその)連載なので、なにとぞよろしくお願いします!

ただ今回もとてもレベルが高くて、読んでいて楽しかったです。

中にはいくつか、発想や言い回しはとてもおもしろいのに、基本の短歌の形になっていないものがあって、選ぶことができなくて残念でした。

短歌の基本である「5・7・5・7・7」の31音は、なるべく守ったり近づけたりしていただければなあと思います。

「眩しい朝」に感じること

それでは、今月も投稿作品の一部をご紹介させていただきます。

☆ごめんください木漏れ日五つ下さいな〇と一とに飽きてしまって(とんきち)

一行なのに、いきなり別世界に引き込まれるような感覚がありました。
詩的だけど、メルヘンに傾きすぎていない感じが絶妙ですね。

☆朝焼けが
1日履いた
靴を照らす
一緒に居たけど
ただそれだけだ(プリン頭)

結句の「ただそれだけだ」が、クールに響いているようでいて、含みを持たせているのが魅力的だと思いました。何があったのか気になりますね。

☆心臓が止まってほしいと寝た次の朝がせめて明るくてよかった(牛タン)
前半と後半のコントラスト、そして結句に意外性があったのが素敵だなと思いました。明るくて最悪、よりもインパクトがあるし、歌として成立している気がします。

☆計画を立ててはみてもアニメから始まっていた夏休みの日(水無月)
これ、かなり共感度高い歌かと思います。ちなみにわたしは夏休みの計画表を全日「その日考える」と埋めて提出し、先生に叱られた経験があります。

☆憂鬱な体育祭に限って晴れカーテンの隙間が眩しい(ブスだ三日で慣れろ)
これも共感度高いですよね!
「カーテンの隙間」だけで、光という言葉を使っていないのがいいなと思いました。

☆照り返す日を遮るようにカーテンを 開けたい私がそこにいるのに(みき)
閉めてしまう、ではなく、開けたい〜のに、という婉曲的な言い回しが、
とてもよかったです。

☆失恋の気持ちを捨てたごみ置き場 一人で食べる朝は寂しい(井上陽菜)
「歩く」でも「過ごす」でもなく「食べる」としたことで、リアリティが生まれ、短歌内の主人公の姿が浮かぶような気がしました。

☆皿の位置配色全て完璧すぎる友人のインスタグラムにうつる朝食(まお)
一つとしてけなす言葉は入っていないけど、全体として否定のようになっているのが、おもしろく感じられました。多いですよね、そういう写真(インスタグラム)!

☆わたしが太陽だったら絶対に「朝日 きれい」で検索するね(かおり)
句またがりというより破調に近いリズムもあってか、よりおもしろさが伝わりました。仮定も主張もすごい。

☆朝日なら昨日見たからもういいよ汗まみれでも夢にくるまる(佐原輔)
前半三句と後半二句で、つながっていながらも、異なるおもしろさがあって惹かれました。夢にくるまる、の響きもいいですね。

まだまだ紹介したい短歌が尽きないのですが、今回はこのあたりで。これからもどうぞ引きつづき投稿していただけると嬉しいです。
投稿あっての連載だよ! 投稿あっての連載だよ!(リフレイン)
そんなわけで、みなさまの短歌、心よりお待ちしています。
この連載を支えていくのは、画面の前のあなたたちです!(←とある番組風に)

そして最後に、テーマに沿った、わたしの自作短歌を一首発表させていただきます。

それでは!

朝だよと得意げに伝えてくれる あなたが朝を作ったみたいに(加藤千恵)

現在、募集中のテーマ「秋の風」

加藤千恵(かとう・ちえ)
1983年北海道生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。2001年、短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビュー。その後、小説、エッセイ、詩、漫画コラボ作品など、様々な分野に活動の場を広げている。近著に『点をつなぐ』(角川春樹事務所)、『アンバランス』(文藝春秋)。