手のひらの幸せ「透明感」

眺めるだけで涼しくなる、透明感のある和菓子たち

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眺めるだけで涼しくなる、透明感のある和菓子たち

京都在住の和菓子ライフデザイナー、小倉夢桜(おぐら・ゆめ)です。
暑い日々が続いている京都市内ですが、みなさんがお住まいの地域ではいかがでしょうか。

今回の「手のひらの幸せ」は、夏の京都の和菓子屋で販売されている中から涼しげなお菓子をいくつかご紹介させていただきます。

「水ぼたん」

「水ぼたん」

「水ぼたん」

夏の京都のお菓子屋を覗くと必ずあると言ってもいい、夏の代表的な菓銘*。

*和菓子につけられる名前>

牡丹の花を水中花に見立てています。こし餡を淡紅色に染めて、この時期らしく錦玉(きんぎょく)で包み、涼しげに仕上げたお菓子です。錦玉とは、寒天と砂糖を煮詰めて、冷やし固めたもの。琥珀羹(こはくかん)とも呼ばれます。透明感があり、涼しげなので夏に最適な材料です。

「金魚玉」

「金魚玉」

「金魚玉」

夏になると、曲線をおびたガラス壺の中を泳ぐ金魚を見かけるようになります。その金魚たちが羨ましく思えるほど暑い日々が続く京都。

そんな私たちの気持ちを反映させたかのように、この時期になると、金魚をモチーフにしたお菓子をたくさん見かけます。

こちらのお菓子は練りきり餡を葛(くず)で包んでいます。葛は、葛の根を砕き、何度も水に晒してできたでん粉を乾燥させたもの。昔から滋養のある食べものとして好まれてきました。口あたりもよく、見た目にも涼しく暑い夏には欠かせない食材です。

「打ち水」

「打ち水」

「打ち水」

夏の京都では、門掃き(かどはき)をした後、打ち水をします。京都に暮らす人々が昔から織りなす、この時期らしい光景です。その光景を表現したお菓子が、「打ち水」。

白餡の入った白い淡雪羹の上に、打ち水を表現する透明な吉野羹。その吉野羹の中に入っている三粒の小豆は、三つの踏石を表しています。口の中に入れると溶けてなくなる淡雪羹の、なんとも言えない食感が暑いこの時期にはクセになります。

「夏衣」

「夏衣」

「夏衣」

7月、8月の真夏の時期に和装の世界では、透け感のある涼しげな生地「絽(ろ)」と「紗(しゃ)」を着ます。「絽」はお茶席などのフォーマルな場所で身につけ、「紗」はどちらかといえばカジュアルな場所で着ます。

その絽や紗といった透明感のある薄絹に見立てたお菓子がこれ。道明寺羹を粒あんに着せたものです。工夫を凝らして涼しさを演出しようとする、日本の伝統を感じます。

今回、ご紹介させていただいた和菓子から涼を感じていただけたでしょうか。

京都の厳しい暑さをしのぐには、このような和菓子は不可欠です。この夏はぜひ和菓子から涼をとって楽しい日々をお過ごしくださいね。

■店舗情報

ご購入の際は、店舗までお問い合わせください。

「水ぼたん」
店名:笹屋春信
住所:京都市西京区桂乾町66-1
電話番号:075-391-4607

「金魚玉」
店名:長久堂
住所:京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話番号:075-712-4405

「打ち水」
店名:聚洸
住所:京都市上京区大宮寺之内上ル
電話番号:075-431-2800

「夏衣」
店名:鶴屋吉信
住所:京都市上京区今出川通堀川西入
電話番号:075-441-0105

■「手のひらの幸せ」シリーズはこちら

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