気になる「ニュースの数字」第15回

「ひとり旅」が2倍に増加 約9割の女性が「ひとりの時間ほしい」

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「ひとり旅」が2倍に増加 約9割の女性が「ひとりの時間ほしい」

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ひとりの時間を楽しむ女性をポジティブに捉えた「おひとりさま」という言葉。2009年には観月ありさ主演のドラマのタイトルになったこともあり、今ではすっかり定着しているこの言葉ですが、元は牛窪恵さんによる2005年の『男が知らない「おひとりさま」マーケット』(日本経済新聞社)がブームのきっかけ。

新語・流行語大賞にも最終ノミネートされました。これまで、「おひとりさま」といえば「ひとり飲み」「ひとりご飯」「ひとりカラオケ」……といったイメージでしたが、最近ではそれが「旅行」にまで広がっているようです。

昨年7月には地球の歩き方が『海外女子ひとり旅☆パーフェクトガイド2016』を発売。他にも書店に行けば、女性ひとり旅向けのガイドや体験記が並びます。SNSの投稿に友人の「ひとり旅」報告が上がっていることも少なくないでしょう。実際に近年、「ひとり旅」はブームになっているのです。

友人との旅行より「ひとり旅」

「じゃらん宿泊旅行調査2016」によると、2015年度に宿泊旅行をした人のうち、「ひとり旅」だった割合は17.5%。もっとも割合の高い「夫婦二人での旅行」の25.7%についで2番目に多い旅行形態となっています。

この調査が開始されたのは2004年ですが、当時の「ひとり旅」割合は10.5%。「小学生以下の子連れ家族旅行」(14.6%)や「友人との旅行」(15.3%)にはおよばない形でした。しかしその後、「ひとり旅」の割合は年々増加し、ついに2011年に「友人との旅行」を追い抜いたのです。

また、JTBが行った2013年の「『ひとり旅』に関する調査」によれば「ひとり旅」をしたことがある女性は55.2%。もはや「ひとり旅」を2人に1人が経験しているのです。

10年で2倍に増加

では女性だけに絞ってデータを見てみましょう。年代別でみると、女性でもっとも「ひとり旅」をしている層は20〜34歳で14.3%。次が50〜79歳で12.3%、35〜49歳ではもっとも少ない11.7%となっています。

男性でもっとも「ひとり旅」をしている20〜34歳の割合が28.8%であることを考えると、女性はまだ少ないという印象ですが、2004年のデータと比べると男性も女性も同様に数字がほぼ2倍になっています。増加率でいうと男女で大差はないようです(先のじゃらんの調査による)。

旅先はタイ、台湾、韓国

なぜ、女性の「ひとり旅」が増加し続けているのか? 

その理由の一つとして考えられるのは格安航空会社の参入。ちょうど「ひとり旅」が2番目に多くなる2011年の前年には韓国のエア・プサン、シンガポールのジェットスター・アジア航空、春秋航空が就航を開始しています。

国内、海外ともに「安く行ける」ことで友人との旅行以外に「ひとり旅」も行う余裕ができたとも考えられます。実際に「エイビーロード海外旅行調査2016」ではひとり旅行客の渡航先トップ3がタイ、台湾、韓国。どれもLCCが就航しているアジアの国です。

「ひとりになりたい」と「さみしいのはイヤ」の狭間で

また旅行の手配も、年々変化しています。エクスペディア・ジャパンが2010年に20歳以上の男女400名を対象に行った調査では、「海外ひとり旅するなら、どのように手配する?」という質問で男女ともに約半数が「航空券とホテルを別々に手配する」と回答しています。

航空券とホテルが一緒で、かつガイドのいる「ツアー」や「パッケージ旅行」よりもはるかに上回ります。また、こうした潮流を受け、日本国内でも2010年以降「ゲストハウス」の数は増加しているようです。

実はこんなデータがあります。女性のひとり旅に関する論文で、「女性ひとりたびの不安要素」に関するアンケートを取ったところ、ひとり旅未経験者で「興味なし」とする女性でもっとも多い回答は「旅行中のさみしさ」で75.2%だったのです。

しかし「ゲストハウス」ならば旅先で出会いもあり、「さみしさ」を感じにくいでしょう。さらにSNSが普及し、ひとりでもネットを通じて誰かと繋がっていれる。それも女性を「ひとり旅」から遠ざけていた「さみしさ」の解消につながっているのかもしれません。

では女性が「ひとり旅」をする理由は何か? 同じ調査によれば「ひとり旅」の理由で全世代共通で1位となっているのは「ひとりの方が自由で気楽に旅ができるから」。また2位も全世代、男女ともに「自分の趣味を深めるにはひとりの方が適しているから」。

これは想像通りという気がします。「日経WOMAN」が2015年4月に行った調査によれば、働く女性が平日にひとりで過ごす時間の平均は約4時間。また「ひとりの時間が必要」と考える女性は88.1%に上っています。平日になかなか取れない「ひとりの時間」。せめて旅行先ではひとりを満喫したいというのは納得です。

海外ひとり旅は予算20万円超

別の調査も見てみましょう。先ほどのエクスペディア・ジャパンの調査によると、「海外ひとり旅」をする理由の1位、2位は「ひとりの時間を楽しみたかったから」「行きたい場所があったから」で男女ともに同じ。

ただ3位だけが異なり、女性の場合は「自分にご褒美をあげたかったから」、男性は「自分の趣味を徹底的に満喫したかったから」となっています。女性の「ひとり旅」=ご褒美という考えは旅行予算や旅先での行動にも表れているようです。

同調査によれば男性の海外ひとり旅の予算でもっとも多いのが10〜15万円に対し、女性は20万円以上。旅先での楽しみ方では女性の場合、2位に「お買い物」がランクインします。

SNSや現地の人々と繋がりながら、「ひとり」を満喫する。それが今の女性にとっての最大のご褒美なのかもしれません。ただ、どうやら「ひとり旅」に興味を持っているのは若者だけではないようです。2014年のクラブツーリズムによる「旅行とシニアライフに関する意識調査」によれば、「ひとり旅ツアー」に参加したいと答えた未経験者は47.6%。「ひとりが楽しい」「ひとりだから楽しい」という気分はいくつになっても変わらないのかもしれません。

(安仲ばん)

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