“出産ビンボー”にならないための 妊娠2年前からのお金計画 第8回

妊娠してからでは医療保険に入れないって、本当?

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妊娠してからでは医療保険に入れないって、本当?

「仕事も楽しいし、パートナーとはもっとふたりきりの時間を楽しみたい。産むとしても数年先かな……となると、産んでもひとりだけかな」そんなことをとりとめもなく考えている30代女性の皆さんに向けて、妊娠2年前から考えておきたいお金の話をお届けしている本連載。今回は、妊娠・出産の予期せぬトラブルでも意外に使える「医療保険」がテーマです。

〈これまでのストーリー〉
【記事一覧はこちら】妊娠2年前からのお金計画“出産ビンボー”にならないために
現在38歳、大手メーカーに正社員として勤めるAさん。32歳で結婚、34歳から2年間の不妊治療を経て36歳でめでたく妊娠・出産しました。夫はメーカー勤務で世帯収入は1000万円。「一生に一度きりの経験かもしれないから」とベストの選択をし続けた結果、出費は合計で205万円に膨らみ、“出産ビンボー”になってしまいました。

Aさんの妊娠出産に関する費用一覧
不妊治療 : 650万円
出生前診断 : 20万円
妊婦健診 : 19万円
マタニティ・ウェア&シューズ : 8万円
分娩(入院費用、個室料): 115万円
ベビー用品・服 : 30万円
内祝い : 13万円
合計205万円(不妊治療を入れると855万円)

妊娠中の2週間の入院で約24万円の出費!?

妊娠中に切迫早産の可能性があるとして、2週間の入院で最終的に23.7万円の出費をしたAさん。高額療養費制度のおかげで負担が軽くなったとは言うものの、差額ベッド代などの負担が大きくて、入院中はお金の心配ばかりしていました。

「あの時、医療保険に入っていれば……」と、病院のベッドで何度後悔したことでしょう。

医療保険に加入するチャンスは、これまで何度もありました。新入社員の時に保険の営業担当者を先輩から紹介されたこともありましたし、友達の入院がきっかけで急に心配になって自分でパンフレットを集めたこともありました。結婚後にも、何度かふたりで保険の話をしたこともありました。ただ、いつも目の前の忙しさに追われてしまい、最終的には「今はまだ元気だから大丈夫」と先送りしていたのでした。

保険は元気なうちが入り時

今回、入院をして保険の重要性を知ったAさんは、以前から知り合いだった保険の営業担当者に電話をしました。

「医療保険に今から入ろうと思って」
さぞ、喜んでくれるだろうと思って電話したのですが、Aさんが妊娠中であること、つい最近まで入院していたことを告げると、とたんに声のトーンが落ち始めました。

「申し上げにくいのですが、いまのAさんの場合、保険に入れたとしても現在の妊娠・出産を保障することはできません

「えっ!?どういうこと?」

営業担当者は説明を始めました。
保険に入る時には、告知書に現在の健康状態や、病院への通院入院履歴、既往症、妊娠しているかどうかなどを記入していただきます。健康状態が良好で、特に告知することがない人は、一般的にすんなり加入していただけます。一方、最近入院をした、通院をした、または既往症があるなど、何か健康上の事情を抱えている人については、告知書にその状況を詳しく書いていただいて、保険をお引き受けできるかどうか審査させていただくことになっています」

「審査ってどういうことですか?」

「詳しく状況を聞いた結果、通常通り入れる場合もありますし、病気を患っている特定の部分や、特定の病気を数年間保障の対象から外して保険加入を認める『特定部位不担保』『特定疾病不担保』もあります。その他、保険料を通常よりも高くして加入を認める対応をする場合もあります。がんなど病気の種類によっては、完治してから数年間を『引き受け不可』として加入をお断りすることもあるんです。」

そして営業担当者はこう続けました。
「Aさんの場合、今すでに妊娠中ですから保険に加入いただいても今の妊娠は保障の対象外となります。さらに、先日切迫早産で入院したばかりですから、子宮については今から数年間は部位不担保となる可能性が高いですね。詳しい条件は、実際にお申込みいただいて告知書を担当部署に回してみないとわかりませんが、だいたいそんな感じになると思います」

妊娠前から入っておきたい保険

最近は、さまざまな保険会社から「終身医療保険」というものが出ています。簡単にいうと、一生保障が続いて保険料も一生変わらないというシンプルな医療保険です。入院1日目から60日目までを保障の対象として、入院1日当たり5000円の入院給付金がもらえるタイプが主流。

これに、手術をすると手術給付金がもらえるものや、さらにオプションとして、通院給付金特約や先進医療特約、女性疾病特約などが選べるものもあります。

妊娠中は、Aさんのように切迫早産妊娠高血圧症候群などで入院するリスクが高まります。妊娠関連、また子宮や胸に関する病気など、女性ならではの病気と考えられるものについては「女性疾病特約」をつけておくと、保障を手厚くできます。

入院日額5000円+女性疾病特約が一日当たり5000円支払われる医療保険の場合、35歳女性だったら月額2000円程度(終身払いの場合)から入ることができます。

もしAさんがこのタイプの保険に入っていたら、(入院給付金5000円+女性疾病特約5000円)×14日間=14万円をもらえたはずなので、差額ベッド代14万円をまるまるカバーすることができました。

急な入院となってAさんのように後悔しないために、これから妊娠・出産を考えている人がいたら、ぜひとも早めに加入を検討しておきましょう。ちなみに、不妊治療中の保険加入は、子宮まわりが保障の対象外となることも。通院を始める前が、保険の選び時です。

すでに妊娠している人が入れる保険

ここまで読んできて、「もっと早く教えてよー」と暗い気持ちになっている妊娠中の方がいるかもしれません。今からでも保障が欲しいという場合には、コープ共済フローラル共済のように、妊娠中でも一定の条件を満たせば加入できる共済もあります。

妊娠週数や状況を伝えたうえで、「妊娠中でも加入できるか」「現在の妊娠・出産でも保障の対象になるか」を必ず確認するようにしましょう。保険は元気なうちが入り時。思い立ったらすぐに行動を心がけましょう。

(氏家祥美)

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