82歳男性と結婚した29歳妻が有罪になったワケ(フランス)

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82歳男性と結婚した29歳妻が有罪になったワケ(フランス)

「年の差結婚」とGoogle検索しようとすると、「何歳まで」と予測ワードが出てくる。「年の差結婚は何歳までOKか」という、まったく「本人たち次第でしょ」としか言いようのないことがそれだけ検索されているのだ。

なかでも、高齢男性と若年女性の組み合わせは、事実はともあれ「財産狙い」「後妻業」と決めつけられがちだ。先月末、フランスでショッキングなニュースがあった。29歳女性が、53歳の年齢差を乗り越えて82歳男性と結婚したところ、執行猶予つきで懲役6ヵ月の判決を受けたというのである。

市役所職員いわく「過去40年でもっともショッキングな結婚」

ふたりは2年の交際を経て、フランス西部ブルターニュのサン=ブリユー市で、2015年4月28日に結婚式を挙げていた。婚姻届を提出して「ハイ、終わり」の日本と違い、フランスではもうひと山乗り越えないと結婚が成立しない。結婚を希望するふたりのことを市役所の掲示板に張り出し、反対の声がないかどうか待ってから、証人二名と共に市役所でセレモニーを行い、はじめて結婚が認められるのである。これを結婚宣誓式という。

ふたりの結婚宣誓式にも、反対の声はなく、きちんと証人や参列者がいた。だが、実際に式が始まってみると、明らかに様子がおかしかった。御年82歳、脳梗塞とガンを患う新郎が、まともにサインもできず、新婦の指に指輪をはめることすらままならないほどに弱りきっていたのだ。

ふたりの結婚を担当したサン=ブリユー市職員は、現地メディア「ル・テレグラム」にこう語っている。「40年間のキャリアのうち、こんなにショッキングな結婚宣誓式を見たことはありません。私個人はこの結婚に反対でしたが、それでも法に基づいて執行しました」

けれども結局のところ、ふたりの結婚は2016年6月に無効とされている。いったいどんな道のりを歩んできたふたりなのだろうか。

「真剣な愛情だ。年の差は関係ない」

フランスで結婚したふたりは、アフリカのコンゴ共和国で出会っていた。新婦であった29歳女性の方は、もともとコンゴ出身。新郎であった82歳男性は、フランス出身だったが、妻と共にコンゴで暮らしていた。

2012年、男性の妻がコンゴにて死去。やがて2013年にフランスへ帰ることとなったが、その時、隣にはやがて新婦となる女性がいた。

フランス帰国を目前にして、男性は脳梗塞を発症。それでも一命を取り留め、フランスへ向かったが、移動中に二度目の脳梗塞を発症した。渡仏後すぐに病院に収容された彼が、コンゴから若い女性を連れてきているのを見て、彼の友人は財産目当ての結婚を疑い、後見人になることを申し出た。疑われた女性は、彼についてこう語っている。

「一目惚れなんかじゃありません。真剣な愛情です。年の差があったって、私の考えも彼に対する気持ちも変わりません」

たった1週間の結婚

フランス帰国から2年後、2015年にふたりは結婚宣誓式を挙げた。しかし、そのたった1週間後、医師が新郎を診察した上で「精神的にも肉体的にも自己意思で契約できない状態」と結論づけた。明らかに死期が迫っており、法的な手続きを理解できないほどに弱っているというのだ。

以降、取り調べが行われ、この結婚は「弱っている人につけこんだ詐欺である」と結論づけられた。続いてこの件はフランスのマスメディア各社に報道されたのだが、ふたりの結婚が“偽装”であったのか否か、インターネット上でも議論が続いている状態だ。

「想像してみてよ。アフリカ出身フランス在住のお金持ちなおばあさんが、53歳年下の男と結婚するってなったら、みんな警察に知らせると思う?」

「男の方は相当、金持ちだったんだろうなぁ」

「問題は年の差じゃない。新郎が弱りきっていて後見人まで付いていたということの方だろう」

(フランスのニュースメディア「ヴァン・ミニュット」コメント欄より抄訳

さて、あなたはどう思われるだろうか?
年の差がなければ、国籍の違いがなければ、そして、女は男の財産を狙うものだというイメージがなければ――この結婚は、死の間際に愛を誓った美談として語られていたのかもしれない、と想像してしまう。

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