3組に1組は離婚している? 不妊に悩むカップルは6組に1組って本当? 世の中に溢れる様々な「ニュースの数字」の裏側を読み解く連載です。表に見える数字だけではなく、その背景をしっかりと紐解いていくと、新しい発見や気づきが得られるかも。
特集一覧へ

「あの顔は不自然だ、整形なんじゃないか」
特に女性のモデルや芸能人に対し、このような疑惑がかけられることはもはや珍しくありません。最近では、狩野英孝さんとの交際を明かし、毎日のようにネットニュースを騒がせたモデルの加藤沙里さんの整形疑惑が記憶に新しいでしょう。

高須クリニック院長の高須克弥先生に「35万円で元の顔に戻れる」と忠告されるも、本人は整形説を否定しました。しかし、加藤さんは写真集の発売会見では整形願望が「ある」と話しています。

施術件数では日本は世界3位

もはや芸能界で起こる「整形疑惑」はエンターテイメントのひとつのようなもの。しかし、一般社会ではどうでしょう。美容整形はどれくらいの人々が施術しているのでしょうか? 私たちは身のまわりの人々の「整形」に気がついているでしょうか?

昨年の7月、美容外科の国際学会である、ISAPS(国際美容外科学会)が全世界を対象にした美容外科に関する2014年の調査結果を発表しました。この統計によると、2014年に全世界で行われた美容上の外科的、非外科処置の件数はなんと2000万件以上。

そして、これらの美容上の処置が多くなされた国の3位には日本が名を連ねています。2014年に行われた施術の件数は126万351件。これは、「整形大国」と呼ばれる韓国をかなり上回る件数です。ちなみに、1位はアメリカ、2位はブラジルでした。

韓国の「整形大国」と呼ばれる理由

韓国は日本に続く4位にランクインしており、総件数は98万313件。まだまだ、日本の方が「美容整形」先進国といった気がします。しかし、これを人口当たりどれほどの人が施術を受けているか?という見方に変えると、話が変わってきます。同学会が2013年に発表した2011年の調査では韓国では1000人あたり13.5件の処置が行われており、1000人比でのランキングではトップに躍り出ました。

同様に2014年の調査をもとに計算をしてみると、今回は1000人に19件という結果になります。ここに韓国が「整形大国」と呼ばれる理由があったのです。

日本の美容整形は“手術なし”

しかし総件数でいえば、韓国よりも日本が多いという事実は変わりません。日本では現在どのような「美容整形」が多く行われているのでしょうか?

同じ調査によると、美容外科処置において日本でもっとも多く行われたのは、まぶたの外科手術の13万8990件、ついで鼻形成術の3万8779件となっています。

では手術をしない「非外科的処置」の場合はどうでしょう? 1位は「脱毛」の31万0851件。ついで多いのが、しわ消しの効果がある「ボトックス注射(ボツリヌス毒素)」で21万2372件となっています。他にも、「ヒアルロン酸注射」や「ケミカルピール」など、いわゆる「プチ整形」と呼ばれる類の施術では、それぞれ世界のベスト3に入るほど件数が多くなっています。

日本の「美容整形」は「手術なし」の傾向を強めているのです。ちなみに、「脱毛」は整形とは異なるイメージですが「美容のため」の処置であることに変わりはないので「ボトックス注射」などと同じカテゴリーに属しています。

2割が10代で初めて整形

「脱毛」のためにサロンに通う女性は、今どき珍しくもありません。今まで「美容整形」というと、顔や体にメスを入れそれまでの自分の姿と決別する……といったイメージが強く、その分抵抗や否定的な感情も大きかったでしょう。

では「プチ整形」、あるいは「美容医療」が徐々に一般化してきた今、人々の「整形」事情はどう変わってきたのでしょうか?

2010年にクロス・マーケティングが18〜39歳の女性に対して行ったアンケート調査によると、プチ整形を含む「美容整形」を経験したことがあると答えたのは全体の11.3%。

しかし、これについて高須クリニックの高須克弥先生はコラムで「調査対象が18〜39歳に限られているため、少ない数字になっている」と指摘。同クリニックのデータベースによると、「初めて美容整形をした年齢」でもっとも多いのは20代で27%。ついで10代(21%)、30代(19%)となりますが、40代で初めて整形をしたという人も15%存在します。

次に「プチ整形」「美容医療」に限ったデータを見てみましょう。ポーラ研究所が2012年に15〜64歳の女性に対し行ったアンケートによれば、美容医療を受けたことがあると答えたのは全体の17%。美容医療を受けた齢では20代が29%で次に30代(27%)、40代(19%)が続きます。「プチ整形」のみに限ると、「整形全般」よりも施術した人の割合が高く、また30〜40代で行う人が多いという結果になっています。

「自分が心地よくいるために整形する」が4割超

このような多くの整形に関するデータがあり、また整形が身近なものであっても、整形をしない、したくない人々は「なぜ、整形をするのか?」という疑問を抱きます。

婚活アプリのマッチアラームが2014年に行った調査によれば、「整形はなし」と答えたのは男女とも約7割。年代別にみてもあまり変わりませんが、意外にも30〜39歳の年齢層の方が「あり」と答える割合が多くなりました。否定的な意見のなかにはやはり「親からもらった体をいじるのはよくない」といった意見が見られました。

では、人々は何を望んで整形をするのでしょう? 関西大学総合情報学部の谷本奈穂教授が行った調査で、もっとも多かった理由は「自分が心地よくいるため」で44.1%。2番目に多いのが「理想の自分に近づきたいから」の36.9%です。前向きでポジティブな感情を持って整形に挑んだのが感じられないでしょうか? 「整形」に対し、ネガティブなイメージを持つ人々はまだ多いですが、少なくとも「整形経験者」はそうは思ってはいないのです。

(安仲ばん)

この記事を読んだ人は答えてね!
人が回答しています