アムネスティ・インターナショナル日本レポート 第1回

見知らぬ外国人を自宅に泊められますか? 世界難民の日に考える、私たちの寛容度

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見知らぬ外国人を自宅に泊められますか? 世界難民の日に考える、私たちの寛容度

「難民」と聞くと、どのような人を思い浮かべるでしょうか?

国を追われ、身のまわりの物だけを持ち国境を歩いて渡ろうとする人や、小さな船で海をさまよう人。ぼろぼろになったテントで暮らし、食べるものもなく痩せていく人。遠い国で起きている悲惨な出来事として、映像や写真を通して見たことがあるでしょう。

東南アジアの海上に置き去りにされた難民

東南アジアの海上に置き去りにされた難民/©Thapanee Ietsrichai

難民を支援するには、国として難民を受け入れたり、国際機関に資金を援助したりする方法があります。私たち個人としては、難民をサポートしている団体に現金を寄付したり、古着や物資を送ったりという方法があります。

また、自分の家の空き部屋に住んでもらうというのも、難民支援のひとつの形です。彼らが難民となった理由は、安全に暮らせる場所がないから。金銭や物資もさることながら、そもそも身が危険に晒されない場所が必要なのです。

8割の人が難民受け入れに好意的

アムネスティ・インターナショナルは、今年5月に27ヵ国、2万7000人を対象に難民の受け入れに関する意識調査を行いました。数値化された大規模な意識調査は初めての試みです。昨年、欧州で難民の流入が急増し、テロ事件も発生したため、受け入れに反対する意見も多いのではないかと予想されていました。しかし、驚くべきことに、結果は受け入れに賛成する人の方が多かったのです。

なんと、80%の回答者が「難民を自国に受け入れてもよい」と答えました。難民の入国そのものを認めないと答えたのは、わずか17%でした。

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さらに同調査では、受け入れる場合、「どこまでなら許容するか」も調べました。自分の住んでいる市町村の受け入れにも賛成した人は47%、近所に住む場合は32%、そして10%の人は自分の自宅に受け入れてもよいと答えたのです。

トルコで避難生活を送っていたシリア難民の家族。ノルウェーで新生活が送れるようになった。

トルコで避難生活を送っていたシリア難民の家族。ノルウェーで新生活が送れるようになった。/©Helge Lien

中国では約5割が「自宅に受け入れてもいい」

国別で見ると、中国は46%もの高い割合で自宅への受け入れに賛成しました。シリア難民などをすでに受け入れている英国は29%、ギリシャは20%。実際の受け入れで直面する困難を理解しつつ、それでも支えていこうという姿勢が見られます。

日本でこの調査をしたら、どのようになるでしょうか?残念ながら、今回の調査対象の27ヵ国に日本は含まれていません。今回の調査では、地域、経済、難民政策に関してバランスが取れるよう、さまざまな国が選ばれています。

たまたま日本はそこに含まれず、東アジアでは韓国が調査対象になりました。韓国のデータを見ると、国での受け入れに賛成が86%、市町村では57%、近所では29%、自宅は3%となりました。反対は11%で不明は3%でした。かなり高い割合で受け入れに賛成していることがわかります。

ハードルが高い日本の難民認定

もし、この調査が日本でも行われていたら、結果はどうなっていたでしょうか?

私たちは、一体どのくらい難民に“優しく”なれるのでしょうか?

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日本政府に対して「難民と認めてほしい」と申請をした外国人の数は、昨年7586人で過去最多となりました。世界各地で起きている紛争や不安定な政情の影響から、今後ますます申請者は増えると考えられます。一方、日本政府が難民と認定したのはわずか27人でした。

6月20日は世界難民の日です。難民の保護と援助に対する世界的な関心を高め、理解を深めるために国連が定めた日です。難民の支援にもいろいろな方法があります。私たち一人ひとりにできることは何か、身近な問題として考えてみませんか。

(公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本)

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