気になる「ニュースの数字」第10回

「結婚しなくてもいい」が首都圏で3割超 数字で見る東京の未婚率

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「結婚しなくてもいい」が首都圏で3割超 数字で見る東京の未婚率

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「結婚しない女性」と東京

「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」

4月から始まったTBSの金曜ドラマのこのタイトル、どこかで聞いたようなセリフに思えませんか? 「できしな」と略されるこのドラマ、中谷美紀演じる39歳の主人公は青山で美容皮膚科クリニックを開業する女性医師。都心に暮らし、結婚は「できないんじゃなくて、しない」と言い放ち、独身を謳歌する経済力もある。東京に住んでいる女性は特に、自分、あるいは同年代や年上の同性をこの主人公と比べたり、重ねて合わせたりしてしまうのではないでしょうか。

実は「結婚」に関するデータを見てみると、「東京」が特別な場所であることがわかります。

まず、東京の平均初婚年齢はいくつなのかを見てみましょう。平成26(2014)年の「東京都人口動態統計年報」によると、平成26年の初婚年齢の全国平均は夫が31.1歳、妻が29.4歳。それに対し、東京の平均はというと、夫が32.3歳、妻が30.5歳。全国的に進む晩婚化が東京ではさらに進んでいるように思われます。

東京の方が「結婚できる率」は高い

東京の婚姻件数は、前年よりも1067件減少し8万7000組。人口1000人あたりの婚姻件数を表す「婚姻率」は6.7という結果になっています。しかし、実は全国の婚姻率は5.1なので、まだ東京の方が上回っているのです。

少し意外な気もしますが、全国平均以下の婚姻率である都道府県は結婚適齢期の人口そのものが少なく、それが婚姻率を引き下る要因となっています。それに比べ、東京では20代、30代の人口が多いため、婚姻率が全国平均を上回るのも当然といえるでしょう。

では、東京には「結婚しない女性」がどれくらいいるのでしょうか?
 

23区の未婚率は全国平均より1割高い

平成22(2010)年の国勢調査によれば、全国の男女の未婚率の平均は30〜34歳で34.5%、35〜39歳で23.1%。一方、東京23区では、30〜34歳が44.6%、そして35〜39歳は約33.2%となっています。どちらの年代でも10%ほど全国平均を上回っているのがわかります。

男女別の未婚率まではわかりませんが、仮に30代前半の女性の未婚率も45%だとすれば、およそ2人にひとりが結婚していないという計算になりますから、かなり衝撃的な数字といえるでしょう。

とはいえ、このデータはおよそ6年前の古いもの。昨年行われた国勢調査の結果が公表されれば、さらに驚くべき数字が明らかになるかもしれません。

未婚率が一番高いのは年収1200万超の女性

女性は「結婚ができないのか、しないのか」。働く女性の中には自身のキャリアや経済力を考慮し、結婚に踏み切れなかったり、独身でも構わないと思ったりする人もいるかもしれません。では女性の年収別の未婚率を見てみましょう。

教育社会学者の舞田敏彦氏が2012年の「就業構造基本調査」をもとにまとめたデータによると、35〜44歳の女性で年収が50〜99万円の場合、未婚率はもっとも低い6.1%。しかしここには結婚してパートをしている女性の数も含まれると考えられます。

一方、未婚率がもっとも高いのは年収1250〜1499万円以上の女性で44.7%。では男性はどうかというともっとも未婚率が高いのは年収50万円未満で62.2%。そして未婚率がもっとも低いのが、年収1500万円以上で4%という結果になっています。男性は年収が上がると未婚率は減少しますが、女性は違います。高収入であれば、その分、未婚率も上昇するのです。

女性も年収300万以下だと結婚できない?

では男性は年収が低い女性を好むのかというと、そうでもないようです。「マッチアラーム」が2014年に20〜30代の男女3595人を対象に行った調査で、男性が女性に求める年収について尋ねたところ、「こだわらない」と回答したのは57.8%。

しかし、次に多いのが300万円以上の27.7%でした。「300万円以上」と答えた理由として男性が挙げているのは、「少しでも収入があったほうがラクだから」「自分の年収が少ないから」「おたがいに稼げれば家庭がラクだから」など。結婚後の「共働き」を意識した回答になっています。

平成26年の結婚に関する意識調査によると、未婚者の年収400万円未満の男性の37.5%が「結婚後の生活資金が足りないと思うから」との理由で結婚をしていません。同調査によれば「結婚生活に必要だと思う夫婦の年収」の全体の平均は490.3万円。しかし首都圏だけで見ると、その平均は525.5万円と、大きく増加します。

首都圏では「結婚しなくてもいい」が3割超

男性は首都圏で結婚生活を維持するためにもっと年収をと結婚を先延ばし、女性は年収300年万円以下では結婚対象と見られないこともある。またこの連載でも何度か書いていますが、女性にとって結婚して退職するかどうは大きな問題です。

待機児童が100人以上いる市町村を示した表には東京都がずらりと並びます。世田谷区にいたってはその数1182人。せっかくある程度のキャリアを積んでも、出産した子どもを認可保育園に預けられなければ、復職も先延ばしになってします。仕事、年収、結婚と出産。それらが結びつき結婚が「できない」人々がいるのは確かです。

一方で、先ほどの結婚意識調査によると首都圏在住者で「結婚しなくていい」と回答したのは32.7%。他の地域に比べわずかですが、多い結果となりました。

結婚は「しない」も「できない」もある。最近ではNHKの有働由美子アナウンサーが「子どもを生まない生き方」を番組で語り賛否両論を受けました。結婚も出産も「しない」ことを選ぶ女性はいます。その「しない」自由も認めながら、「できない」の要因を減らすことが、今求められているのではないでしょうか。

(安仲ばん)

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3組に1組は離婚している? 不妊に悩むカップルは6組に1組って本当? 世の中に溢れる様々な「ニュースの数字」の裏側を読み解く連載です。表に見える数字だけではなく、その背景をしっかりと紐解いていくと、新しい発見や気づきが得られるかも。

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