『貧血大国・日本』著者・山本佳奈さんインタビュー 第4回

アイスを無性に食べたくなるのは貧血のサイン

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アイスを無性に食べたくなるのは貧血のサイン

肌はガサガサ、髪やパサパサ、爪はボロボロ…最近あなたの女子力がダウンしている本当の原因は、年齢のせいだけではないかもしれません。『貧血大国・日本』(光文社新書)の著者であり医師の山本佳奈(やまもと・かな)さんは、貧血は健康を阻害するだけでなく、女性の美しさや若々しさまで奪ってしまうヤッカイな病気でもあるといいます。なんと50代以下の日本人女性の22.3%は貧血。実は山本さん自身も、壮絶な“貧血トラブル”を経験した女性のひとりです。連載第4回目の今回は、「貧血ブス」にならないためにはどうしたらいいのか、本物の健康美を手に入れる秘訣を聞きました。

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貧血による肌細胞の“酸欠状態”が汚肌をつくる

――山本さんは貧血になってから、どんなトラブルに見舞われたのですか?

山本佳奈さん(以下山本)
:高校生のころ、極端なカロリー制限で1年間に20キロものダイエットをしまして。極度の低栄養・貧血状態に陥り、保湿クリームでは補えないくらいに肌はガサガサ、クマや顔色もひどく、髪はゴッソリ抜け落ち……という恐ろしい姿になりました。

その頃の私は、「肉はカロリーが高いから」と一切手をつけないという食生活を続けていました。肉は体の構成要素となるたんぱく質や酸素の運搬を担うヘモグロビンの材料となる「鉄」を豊富に含む食品ですから、肌や髪に影響が出るのは当然です。「やせてキレイになりたい」という思いが、完全に裏目に出てしまいました。

――貧血になると肌が荒れやすくなるんですか?

山本:貧血の原因の多くは、体内の鉄が足りなくなる「鉄欠乏性貧血」です。鉄が不足することで酸素の運搬を担うヘモグロビンの量も減り、体の組織や細胞は“酸欠状態”になってしまいます。肌細胞に酸素が届きづらくなることで肌の新陳代謝は鈍り、肌荒れや乾燥の原因になります。

髪の毛も同様です。ヘモグロビンの不足で十分な栄養と酸素が毛根に運ばれなくなれば、必然的に髪が細くなり、切れ毛や抜け毛も増えます。

アイスや氷を無性に食べたくなるのは貧血のサイン

――コワいですね。ほかにはどんな部分に影響が出るのでしょう?

山本:肌や髪と同様、爪も弱くなり薄くて割れやすくなります。最近では少なくなってきましたが、爪の中央がスプーンのように凹み、先がそりかえってしまう「スプーンネイル」という症状が出ることもありますね。いずれも、体内の鉄不足が原因です。

――鉄不足のサインはほかにもありますか?

山本:アイスやグラスの中の氷を異様に食べたくなるという人は要注意。これは「氷食症」といって、鉄欠乏症のわかりやすいサインです。貧血の妊婦さんにもよく見られる症状です。ほかには「異食症」というものもあって、チョークや土など、普通では考えらえないものを食べたくなることもあるんです。

ランニング女子は要注意のスポーツ貧血

――「スポーツ貧血」というのもあるそうですね。最近、美容や健康目的のために走るランニング女子なども多いですが。

山本:適度な運動習慣は、健康を維持・促進するために必要なものです。ただ実は、スポーツをしている人に貧血が多いという残念な事実があります。運動が原因となって、血中の赤血球数、またはヘモグロビン濃度が低下することを「スポーツ貧血」といいます。

――なぜスポーツをしている人は貧血になりやすいのでしょうか?

山本:スポーツをしている人は筋肉量が多く、筋肉は多くの酸素を消費します。その酸素を運ぶヘモグロビンの主成分は鉄ですから、おのずと体内の鉄は不足気味に。また運動による急激な発汗で、汗に含まれるミネラル、鉄も失われやすくなります。

さらには、運動によって足の裏に衝撃が加わり、赤血球が壊れてしまうことも「スポーツ貧血」の原因です。とくにランニングなどは、その傾向が顕著に出やすいですね。

――いま運動に励んでいる女性は、どんなことに気をつけたらいいですか?

山本:一生懸命運動をしている女性は、まず自分が貧血である可能性を疑い、血液検査を受けてみることをオススメします。そして体内の鉄が不足していることがわかったら、速やかに食事の改善をしていくこと。健康面だけでなく、パフォーマンスアップのためにも鉄は必要不可欠な栄養素です。

(江川知里)

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