『パリピ経済』(新潮社)一部公開

「パリピ」とは何なのか? マスコミを上回る、彼らの影響力

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「パリピ」とは何なのか? マスコミを上回る、彼らの影響力
近年、よく聞かれるようになった「パリピ」という言葉。「パーティピープル」の略で、「パーリーピーポー」→「パリピ」と変化していきました。

「ただのチャラチャラした若者でしょ?」という印象もあるかもしれませんが、彼らは情報感度の高いブームの火付け役。たとえば、ここ数年で爆発的に盛り上がるようになったハロウィンもパリピによってブームになりました。

「ときにマスコミをも上回る影響力を持つ」と指摘するのは、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーである原田曜平(はらだ・ようへい)さんです。パリピとは、どういう存在なのか? どんな市場を作り出しているのか?  原田さんが4月14日に刊行した著書『パリピ経済』(新潮社)では、経済的な観点から彼らの文化を紐解いています。『ウートピ』では、その一部を公開。第1弾は、パリピが大きな影響力を持つ理由を解説します。

パリピは若者トレンドの伝道者

パリピは必ずしも「チャラチャラしたリア充(*)の若者」とは限りません。2014年にマツコ・デラックスさんと関ジャニ∞の村上信五さんの番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)で埼玉県在住のラッパー・イルマニアが「パリピ」として取り上げられ話題になったことから、パリピを能天気でバカっぽい存在として認識している方もいらっしゃるかもしれませんが、それは正しくありません。

*リア充……飲み会や旅行、異性との交際といった現実生活が充実している人間を指す言葉。もとはネットスラング。

パリピは既に巷で流行っているものをミーハーに追いかけるのではなく、海外セレブや国内の一部で流行っているものをいち早く見つけ出す嗅覚を持ち、それを自分のものにしてマスに対して伝道する役割を持っています。第2章で説明しますが、80年代や90年代にも、いわゆる「遊んでいる若者、流行に敏感な若者」はいました。しかし、ネットやSNSがなかった当時、その情報拡散ルートは口コミやチラシ、せいぜいポケベルやPHSに限られていました。

それゆえ、流行をマスに一斉伝道する役割を果たしていたのは、マスコミでした。テレビや雑誌といったマスコミが「話題になっている」と報じ、もしくはCMなどでアピールすることで、若者たちの憧れや購買意欲を喚起したのです。

しかし、スマートフォンが普及してSNSが発達した2010年代に入ると、マスコミでなくとも、周囲に影響力のあるパリピの若者による投稿写真が引き金となって、流行が生まれるケースも出てきたのです。流行を追う彼らのアンテナは現代のマスコミより時にずっと鋭敏で、かつ拡散力・集客力はマスコミを上回る場合すら出てきているのです。

テレビや雑誌の情報発信力は確かに強大ですが、マスメディアでは、トピックに興味のないターゲットに対しても総花的に垂れ流すという特徴を持っています。しかし有力なパリピによるSNS発信の場合、そのフォロワーは興味の範囲が重なっていて、発信者ヘの信頼も厚いので、同一の興味を持つ若者たちへ爆発的に拡散されていきます。要は、そのトレンドが最も「刺さる」層に、無駄なく情報が浸透していくわけです。

そのため、大手マスコミが若者間に流通するそれらの情報を、いち早くキャッチアップできないケースも多くなってきています。渋谷のハロウィンが情報番組などで大々的に報じられたのはここ2年くらいですが、電波に乗った時点でパリピの間では「もう新しいものではない」という認識になってしまっています。パリピへの最近の調査でも、「今、渋谷でハロウィンをやってるのは一般人。4、5年前にハロウィンにはまった子は、もう渋谷に行かず、友人と家でのんびりコスプレしている」とのことでした。

【第2弾はこちら】パリピが流行らせたもの、いくつ知ってる? 自撮り棒からラブホ女子会まで 

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