気がつけば、大人になってからの旅はほとんどが一人旅。友だちや家族とスケジュールが合わないからという理由が大きいけれど、一人だと必ず“出会い”があるから。一人旅は、実はほとんど一人じゃない。カメラを相棒に外へ出ると、いつも予期しない出会いと発見があって、いろいろなことを教わります。だから一人旅はやめられない!

南の空、明るい方へ

¡Viva! Photodays

ラテン系だね、と人が言うとき、それはつまりノリがいいね、明るいね、大雑把だね、ルーズだね、テキトーだね、享楽的だね……とか、まあだいたいそんなことを指しているでしょうか。

私はたまにラテン系だね、と言われることがあります。待ち合わせにはいつもギリギリだし、細かいことは気にしないし、楽しいことが好きだし、つまるところ「テキトーだね」ということだと思います(笑)。

¡Viva! Photodays

私が“ラテン”に出会ったのは高校生のとき。大学の文化祭のフラメンコを見て、一瞬にしてそのビートと少し哀しい旋律、妖艶なダンスに心をわしづかみにされ、スペイン語を勉強しようと決めたのでした。

¡Viva! Photodays

その後、大学在学中にペルーやスペインに1年間ずつ滞在し、何度も中南米諸国を旅するうちに、どんどん“ラテン”という国の魔力にハマっていきました。その魅力はなんなのだろう? ノリのよさ、明るさ、享楽的な国民性……。たしかにいわゆるラテン的な魅力があるのも事実ですが、でもそれだけでもありません。

よく「光と影」という言葉が使われますが、中南米の政治や歴史を見ると暗い部分がたくさんあります。貧困問題は根強いし、人の命が安いし、明るいことよりむしろ暗いことの方が多いくらい。

¡Viva! Photodays

じゃあ、何が“ラテン的”なんだろう。私がペルーに住んでいたとき、友だちに言われた言葉があります。「幸せになるために生きているのよ」。とてもシンプルな言葉です。そうか、そうか、泣いてちゃだめなんだ。悲しむために生まれてきたんじゃないんだ。まずは、むりやりにでも笑ってみよう。空を見上げてみよう。いろいろあるけど、今は歌って、踊って乾杯してみよう。

¡Viva! Photodays

結局、私が“ラテン”に惹かれるのは、そういう生き方、つまり何があっても“明るい方を見つめる姿勢”なんだという気がします。

¡Viva! Photodays

これから始まるPhotodays、そんな“ラテン気分”で綴っていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

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宇佐美里圭(うさみ・りか)
1979年、東京都生まれ。編集者、ライター。東京外国語大学スペイン語学科卒。在学中、ペルー・クスコにて旅行会社勤務、バルセロナ・ポンペウファブラ大学写真専攻修了。中南米音楽雑誌、女性誌、週刊誌、カメラ雑誌などで働く。朝日新聞デジタルで「島めぐり」「ワインのおはなし」「花のない花屋」などを連載中。ラテン音楽とワインが好きなエピキュリアン。