「あと5分で出なきゃいけないのに、服が決まらない!」とクローゼットの前で髪を掻きむしっている人も少なくないはず。朝はひんやり肌寒いかと思えば、昼には汗ばむような夏日。どんな服着ていけばいいのか頭を悩ましてしまうのが、この時期です。

今回は、『毎朝、服に迷わない』(ダイヤモンド社)が刊行されたばかりの、「予約の取れないスタイリスト」山本あきこさんに服選びのコツを聞きました。人生の酸いも甘いも嚙み分けた30代の大人の女性にこそ読んでもらいたいアドバイスが満載です。

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「おしゃれ」に男目線はいらない

服を着る究極のゴールは、同性の女性からみて「あの人、センスがいいな」「おしゃれだな」と思われること。そう、意識すべきはあくまで「女性の目線」であって、「男性の目線」は必要ないのです。洋服の組み合わせを考えるときは、常に「女性に好かれるかどうか」を基準にすると、いちばんコーディネートがうまくいくんです。

その理由は簡単。「あの人、センスいいな」という印象を人に与えられるのは、「自分らしいコーデ」をしているとき。ファッション誌から抜け出してきたような超ハイセンスなコーデをしていても、それが「自分らしいコーデ」でなければ、残念ながら「おしゃれ」という印象にはならないのです。

そして、「自分らしいコーデ」は、「男の目線」ではなく「女の目線」から生まれます。だから、女性ウケを考えていれば、自然と「自分らしいコーデ」に近づいていくわけです。自分らしくて、誰からも好かれて、しかも好感度が高い。「大人」になったら、目指すのはそこです。

「リボン」と「フリル」は女性ウケが最悪

さて、それでは「女性ウケのいい服」とは、いったい何でしょうか?
すぐ実行できる最大のコツは、リボンやフリルが使われている服をやめること。いわゆる「かわいい女の子」の象徴は、大人の女性にとって大敵なのです。ちょっと考えてみてください。30代の女性が胸元にフリフリのレースがついたトップスを着ているのを見たら、あなたも「ちょっと……(ヘン)」と引きますよね。「大人の女性+フリフリ」の組み合わせは女性ウケが最悪です。

いかにもな「フリフリ」ではなく、シンプルな服で大人の女らしさを表現しましょう。
たとえば「とろみ素材のトップス×とろみ素材のワンピース」。シルクっぽい光沢とソフトな触感のあるとろんとした、あれ、です。私はこれを「とろ×とろ」コーデと呼んでいますが、「とろみ」は男性の服にはない素材だからこそ、女性らしい優しさや色気をさりげなくつくり出せるんです。

「とろ×とろ」コーデ

「とろ×とろ」コーデ

インナーと靴下のレースも封印する

キャミソールや靴下などについているフリルやレースも不要です。

胸元からちらっと覗くキャミソールにフリルやレースがついていると、それだけで急に安っぽく見えてしまいます。もっとプレーンなインナーを使いましょう。

それと同じく、パンプスを履くときの靴下にも注意しましょう。夏場によく履く「フットカバー」と呼ばれる靴下がありますよね。あれの縁にレースがついているタイプは、靴の履き口からレースが見えるので避けたいところ。レースの靴下はコンビニでも売られているほどの定番アイテムですが、「大人」になったら、もう買ってはいけません。封印しましょう。

靴下NG

靴下NG

靴下OK

靴下OK

女の子らしい色といえば、ピンク。でも、フリフリ同様ピンクもNGかといえば、そうではありません。「シンプルな形+ピンク」なら、断然アリです。

ただし、チュールスカートのように、それだけですでに女性らしいアイテムは、ピンクを選ばないこと。「女性らしい形+女の子っぽくない色」の組み合わせを意識すればうまくいきます。形や素材が甘い服は、寒色系にするなど、色で引き締めたほうがいいと覚えてください。

「男性ウケ」はあとからついてくる「おまけ」

20代で泣いて笑って人生経験を積んできた30代の大人の女性であれば、それなりに「自分らしさ」を見つけているはず。「男性に好かれるためにコーデを選んでます」という人はまずいないでしょう。たまに「今日はデートだから」と普段から目線をずらしてチョイスすることはあっても、あくまで「自分らしくいられるもの」に限った話。大人になれば「自分らしさ」を保てるだけの自信は兼ね備えているものです。

そう、みなさんの中には「土台」はすでにあるのです。

あとは、ここに書いたようなちょっとしたコツをプラスするだけ。

「この人、素敵だな」と思う人のコーデには2つの共通点があります。

それは「清潔感」と「品」。華やかであってもケバくない。セクシーであってもエロくない。女性の目に「無理してる」と映らなければ、清潔感と品は必ず添えられます。女性から好かれると、必ず男性からも好かれるもの。今さら「男のため」に服を選ぶなんてバカバカしいけれど、「おまけ」についてくるなら、アリかもしれませんね。

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山本あきこ(やまもと・あきこ) スタイリスト。1978年生まれ。女性誌や広告など多くのスタイリングを手がけながら、毎月個人向けのパーソナルスタイリングや、スタイリングを教える講座など行う。それ以来、予約開始と同時に申し込みが殺到する「予約の取れない」スタイリストに。処女作の『いつもの服をそのまま着ているだけなのに、なぜだかおしゃれに見える』(ダイヤモンド社)はベストセラーとなる。

阿部 洋子