結婚記者会見での違和感 女性芸能人はいつまで「得意料理」を質問されなければならないのか?

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結婚記者会見での違和感 女性芸能人はいつまで「得意料理」を質問されなければならないのか?
芸能人が結婚記者会見を催す時の「定型質問」に、違和感を覚えることはありませんか。芸能人同士は、男女共に社会で働く“共働き夫婦”のはずなのに、女性側にだけ投げかけられる記者からの言葉……DAIGO×北川景子、片岡愛之助×藤原紀香の会見を元に、小田慶子さんが分析します。

「奥さんの得意料理はなんですか?」という定型質問

2015年から続く芸能界の結婚ラッシュ。2016年に入ってからも、北川景子とDAIGO、藤原紀香と片岡愛之助が入籍し、結婚の報告会見が開かれた。

「奥様の得意料理はなんですか?」
「お子さんのご予定は?」

会見の場で当たり前のように飛び出すこういった質問に、違和感を抱いたことはないだろうか? また、その模様を伝えるスポーツ新聞や週刊誌、WEBニュースの記事には、「新婦は夫を立てて」「妻は半歩下がって控えめに」「入籍したが、妻は妊娠していない」というセクハラまがいの文言が踊る。「それはまぁ、芸能人が結婚したときのお約束だから」と読者にもスルーされがちだが、よく考えてみれば現代では異様。この風潮を、筆者の周囲の女性たちの反応とともに振り返ってみたい。

愛之助は“紀香効果”で減量

3月31日の藤原紀香と片岡愛之助の会見では、こんな質疑応答があった。

【記者の質問】愛之助さんは顔がシャープになられたし、健康的に見えるようになりました。それはやはり“紀香効果”なんですか?
愛之助「たしかに、食事面なんかもほとんど外食でしたし。ですから彼女が作ってくれるようになりまして、非常にやはり美容面・健康面のことは抜群に勉強している人ですから、食事を作ってくれて栄養のバランスを良くしてくれて、一時期は本当に11キロぐらいやせましたね。(中略)そういうサポートをしてくれるので、本当に僕は『健康ってことはこういうことなのか』と思いました」

北川景子はDAIGOにビーフストロガノフを

また、1月11日の北川景子とDAIGOの結婚会見でもこんなやり取りが交わされた。

【記者の質問】DAIGOさん、景子さんのどこがお好きですか?
DAIGO「景子ちゃんが作るご飯がめちゃくちゃおいしくて、味付けとかもピンポイントで、ドンズバで最高の味付けなんですよ。ローストビーフとかね、けっこう凝った味付けにしてくださったり、あとやっぱりカレーとか本当においしい、いろいろ挙げたらキリがないかもしれない」
景子「もっと難しそうなの(メニューを)言ってほしかった(笑)」
DAIGO「もっと手が込んだやつね」
景子「もっといろいろやってます」
DAIGO「そうですね。ビーフストロガノフです。ビーフストロガノフを作ってくれて、本当においしかったです」

北川景子ですら料理を作らないと認められない

このやりとりは2人の飾らないキャラクターもあり、微笑ましいものとして報道された。だが、これを見た北川と同世代の29歳の会社員は「こんなに美しくて稼ぎのある北川さんでさえ、結婚したら夫のために凝った料理を作らなければいけないのかと、愕然とした」と語る。料理が得意な北川自身にそんな意図はないものの、結果として、結婚へのハードルを上げてしまう作用もあったようだ。2015年に結婚した杏も料理の腕はプロ並みと言われ、結婚時にそう報道された。

美人で仕事でも成功し、料理も上手。まさにパーフェクトな彼女たちが20代のうちに結婚していく姿は、一般の未婚女性にプレッシャーを与えてしまう一面も。「男性にとっては、『忙しい女優さんでも料理しているんだぞ』と言って女性に料理を押し付ける言い訳にもなる」(40代主婦)と心配する声もある。

紀香を叩く小姑視聴者たち

藤原紀香の場合、歌舞伎俳優と結婚し、「男女平等意識が通じない伝統芸能の世界に入ったんだから」というエクスキューズがあるせいか、古い結婚観・ジェンダー観に基づいたバッシングが止まらない。

「女優と梨園の妻を両立させるなんて無理。先輩たちはこんなに苦労したのに」
「結婚会見に洋柄の着物を選ぶなんて、歌舞伎俳優の妻失格」
「本来、夫を立てるべきなのに、会見では、でしゃばっていた」
「子作り宣言をしたけれど、子供ができても跡継ぎにできるかは微妙」

TVのワイドショーやスポーツ新聞、週刊誌などが一斉にこう報道する様子は、まるで小姑の集まりのようだ。「こういった記事を見て、恐ろしくなった。もともと自分には縁のない世界だけれど、歌舞伎関係者とは結婚したくない」(30代会社員)という感想も。

“共稼ぎ”でも、女性は家事を全てこなすかのような印象

藤原紀香は、「最優先は、歌舞伎の仕事をする夫をサポートすること」と宣言したが、女優業は続けるとも。北川景子も結婚後、変わらずに仕事を続けている。この2組の夫婦は、いわば「共稼ぎ」であるのに、女性だけが料理などの家事をこなすかのような印象を与える。

そして、それを当然として、妻だけに料理の質問をする芸能ジャーナリズム。決して、夫に「得意料理はなんですか?」とは聞かない。果たしてこれは、一般とはかけ離れた芸能界だけのことだと、切り離せるものなのか。それとも、私たちの結婚生活における女性の負担をリアルに反映したものなのか。本当のところはどうなのだろう。これからも芸能人の結婚報道があるたびにウォッチしていきたい。

(小田慶子)

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