AV女優紗倉まなさんインタビュー(後編)

浮気されても、女は一途でいるべきなのか? 紗倉まなが提案する「愛の分散マネジメント」

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浮気されても、女は一途でいるべきなのか? 紗倉まなが提案する「愛の分散マネジメント」

人気AV女優として活躍する紗倉まなさんに、処女作「最低。」に込めた思いを聞くインタビュー。後編では、小説で描かれた女性たちの想いにせまりつつ、紗倉さんご自身のちょっと変わった結婚観や恋愛観についてもお伺いしていきます。

【前編はこちら】AV女優の紗倉まなが小説を出版「頭がいい女には興奮できないと言われても、書きたかった」

「女」として生きるか「母」として生きるか

――とても興味深いなと思ったのが4章のあやこの物語です。この章では祖母と元AV女優の母親、そしてその子どもが織りなす家族模様が描かれていますよね。私は本章を読んで、祖母は「母」として生きており、母親は「女」として生きていているというように感じました。全体としてそのふたつはひとりの女性の中では両立できない、というメッセージにも見えたのですが、何か考えがあって書かれたのでしょうか。

紗倉まな(以下、紗倉):実は、この章は私の家族がモデルになっているんです。小説とは逆で、「女」として生きた祖母と「母」として生きた母親のもとに生まれたのがAV女優の私なんですね。

祖母は男の人が絶えなくって、朝帰りもしちゃうような人だったんです。70歳くらいになった今も整形したり金髪にしたりと、ものすごく女子力が高いんですね。一方で母親はその正反対で。化粧っ気もないし、男の人には目もくれず子育てに一生懸命で。

この3人の立ち位置を入れ変えて物語にしたらどうなるんだろうって思ったのが、この章を書き始めたきっかけです。祖母と母親の生き方のどちらが正解ということはなくて、どちらもつらい思いを抱えて生きてきたんだろうなと思うと、もっと掘り下げてみたいと感じたんです。

――つらい思いというのは?

紗倉:私の母親は「女」として生きた祖母に育てられたという苦しみやつらさがあるだろうし、祖母は祖母で娘を育てながら「女」として生きることに葛藤もあったのかなって。

そんな母親と祖母それぞれの葛藤が渦巻いていて、私がまだ知らない2人の姿があるはずなので、そういった側面も描いてみたいなと思いました。あとは、私が果たしてどちらの血を引くんだろうっていうところにも興味があったので。

――今後ご結婚されて子どもができたとき、どちらを選びたいですか。

紗倉:結婚したら、女の部分は捨てて全力で子どもを育てたいですね。でも、私は性格が男っぽくて、家事も苦手なので、まだ結婚なんて現実的には考えられないんですけどね(笑)。

「女」と「母」を両立する女性の生き方

――「母」か「女」かという話がありましたが、社会的には母親である人が女でもあろうとすることに対する風当たりは強いですよね。でも、このふたつって本来女性のなかに当たり前に共存しているものだとも思うんです。両立できるようなよい方法はないんでしょうか。

紗倉:自分の母親はそうではなかったんですが、友人の母親の中には家庭を守って子育てもしつつ、実は不倫もしているっていう方がいるみたいで。そんなふうにきれいにふたつの顔をもって生活できる人がいることが私にとっては驚きでした。

でも、それって本来の女性の生き方としては一番美しいのかなという気もするんですよね。自分の母親や祖母は「女」か「母」かというどちらかに極端にふりきっていたので、どうしたらそんなふうに両立できるんだろうっていうのはまだ分からないのですが、理想的だなとは思います。

――では、紗倉さんは家庭の外に「母」以外に「女」の顔を持つことに否定的ではないんでしょうか。

紗倉:全然いいと思います。息抜きというか、恋をするときめきを人生において持ち続けられたらそれが1番楽しいことなんじゃないかなと。バレたら大事になっちゃうと思いますが、誰のことも傷つけることなく、隠しながらそういう楽しみを持ち続けられるのなら、それはそれで全然ありじゃないかなって思います。

――でも、男の人って女性の浮気に対してすごく厳しいですよね。男性の浮気は飲み会のネタになったりするのに、一方で女の人の浮気は過度にタブーとされている気がして。

紗倉:ちょっと理不尽ですよね。男の人は浮気までいかなくても風俗のような息抜きがあるけど、女性ってそういう場所がないじゃないですか。そう思うとちょっとくらい許してくれないかなとは思ったりもします。

複数の人に愛を分散するメリット

――現在は浮気が許されておらず「一対一」の関係性が当たり前の恋愛ですが、ポリアモリー(※複数の人と合意の上で性愛関係を築くこと)のような恋愛の形態も知られるようになってきています。複数の人と関係を楽しむ新たな愛の形が模索され始めているような気もしますね。

紗倉:ひとりに決めて……っていうのもすごく素敵だと思いますけど、私はもし誰か好きになるのなら、ひとりに決めて相手に執着しちゃうよりは複数の人と愛を分散しながら、心を豊かに生きるほうが性にあっている気がします。

――というと、紗倉さんは恋愛をすると相手にのめりこんでしまうタイプなんですか?

紗倉:超のめりこみます(笑)自分でも嫌になっちゃうくらいに。色々な人に目がいっているときは、その人のことだけ考えるわけじゃなくなるので自分らしさを保てるのですが、そうでないときは本当に大変で。

向こうもすごく嫌な思いをするだろうなと思うくらい束縛したり嫉妬しちゃったりします。それを考えるとお互いのためにも複数の人を好きでいたほうがいいような気がするんですよね。

複数って!と思われるかのしれませんが、相手のことを考えすぎちゃってのめり込みすぎると本当辛いんです・・・メンタル豆腐なんで(笑)。だから何人か好きな人がいれば、気持ちが分散されて楽になってあんまり思いつめずに済むのかなぁと! 無理にひとりに決めようとしなくても、「あの人も素敵、この人も素敵」っていうそんな恋愛の感覚も私はありなんじゃないかなと思っています。

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