ミゾイキクコさんインタビュー

「あなたのためを思って」がクソリプを生む 81歳のツイッタラーが語る、“常識”からの脱却

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「あなたのためを思って」がクソリプを生む 81歳のツイッタラーが語る、“常識”からの脱却

81歳のツイッタラー、ミゾイキクコさんインタビュー後編。ミゾイさんの元には、日々いろいろなリプライ(Twitter上の返信)が寄せられます。中には、意見の違う人を押し込めるような、一方的なものも。ミゾイさんは、それを「家庭環境が一因」と分析します。

【前編はこちら】「年寄りの意見は敬わなくていい」81歳のツイッタラーミゾイキクコさんに聞く、苦しまない思考法

常識に縛られている人は家庭環境が原因?

――ご著書『何がいいかなんて終わってみないとわかりません。』(KADOKAWA)の中で、「自分と生き方の違う人に 反感を持っても何にもならない。自分を狭くしてしまうだけ。」というつぶやきを紹介しています。

ミゾイキクコ(以下、ミゾイ):はい。結局、自分の生き方に自信がない人が、自信を持って生きている人に反感を感じるのでしょうね。認めたくないというか。「自分がこんなに辛い思いをしているんだから、相手もそう思わせたい」ってなる。自分の生き方に自信があったら、他人の生き方をとやかくいうこともないでしょう。

――常識に縛られて辛い思いをしている人にとって、常識にとらわれず生きている人のことは、「常識」という大義名分を振りかざして叩きやすいというのもあるのかもしれません。

ミゾイ:そういう側面もあるのかもしれないですね。

「常識の思い込み」がつくられるきっかけで、「家庭環境」というものがあります。親はよく「子供のためを思って」なんて言いますけど、中には全て自分の都合のいいように子供をしたいだけ、っていう親もいる。自分の言うことだけ聞くのが「いい子供」。

――「あなたのためを思って」と言われた子供は、それに逆らうことに罪悪感を覚えてしまうそうです。それに対してミゾイさんは、「たとえ親であっても、自分の人生を邪魔する者は排除していい、それは親不孝とは違う」とつぶやいていらっしゃいますが、これに救われた人は多のではないでしょうか。

ミゾイ:「目から鱗が落ちた」とよく言われます(笑)。それだけ呪縛、刷り込みが強いということなんですね。

まずは自分を第一に考えるべき

――ミゾイさんは、いつ頃からそんな風に考えるようになったのですか?

ミゾイ:私は子供の頃から、ずっとそんな風に考えていました。当時、そういう考えの人はあまりいなかったかもしれないですね。私自身、かなりわがままな性格だからなのか…(笑)。でも、「親がなんと言おうが、周りがどう思おうが、まずは自分を第一に考えていくべき」と思って生きてきたので、Twitterを始めて、そんな風に思えない人が若者の中にも結構いる事実に驚いています。

ほんと、親から搾取されているような子供たちが沢山いるんですよ。ほとんど虐待じゃないか? って思うときもある。だから私のつぶやきが、そういう呪縛から解き放たれるキッカケになってもらえたら、と思って続けているところはあります。

――きっと、目に見えるような虐待を受けてなければ、自分が親にがんじがらめになっていたことすら、気付いてこなかったというケースも多いのかもしれません。それで、大人になってから生きづらさを感じてしまうような。

ミゾイ:物理的にもがんじがらめになってしまっている人は多いですね。「子供は親の面倒を見るのが当たり前」と思っている親は、子供の収入で世話になってもらおうとするし、そういう親に育てられた子供は、自分の仕事を辞めてまで親を面倒見なければならないと思ってしまう。「貧しさの連鎖」ですよね。

考えなしの女は何よりの害悪

――また、こんなつぶやきもご著書で紹介されています。「考えなしの女は、自分で自分の首を絞めていることに気づかない。考えなしの女は、女の敵である」。

ミゾイ:社会の中で、不便な女性という立場を変えていこうとする動きが出るたびに、邪魔になるのは案外同性なんですよ。「考えなし」というのは偏差値の問題じゃなくて、自分の考えを持てるかどうかという、根本的な思考力・想像力です。自由がない、という状況に甘んじて、考えることをやめてしまう同胞こそ、最初の敵だと言えます。日本の長い歴史の中で、大人から「女はこうでなければいけない」ってずーっと洗脳されてしまっているから。深く刷り込まれてしまっているから、それ以外の生き方が「ダメだ」みたいになっちゃうんですよね。

――平成になって四半世紀、「男らしさ」「女らしさ」みたいなものから、だいぶ解放された気になっていましたが、まだまだ根が深い。男性の問題についてはどう思われますか?

ミゾイ:私の夫もそうだったのですが、特に年を取った男は、手がかかるだけで本当に何の役にも立たなくなる(笑)。靴下すら洗濯できなかったりしますからね。「今は洗濯機も全自動だし、家事なんて誰でもできるじゃないか」なんていう男もいるけど、実際にやらせてみたら何も出来なかったりする。私も骨折した時主人に頼んだことがあるけど、何にも出来なかった。

生活という面では、女の人の方がたくさんの局面に遭遇している分、考える力が強く、差が大きいと思います。男の人は、ある意味逃げちゃってるから。「くだらない」の一言で。

――そして、定年して「男社会」からはじき出された時、初めて自分の抱えている問題に直面して鬱になったり、自殺したりしてしまうのかもしれないですね。

ミゾイ:そういう部分はあるでしょうね。自分で自分の首を絞めているというか。

――それを断ち切るには、やはり一人一人が自立するしかないのでしょうね。

ミゾイ:私は長く生きているから、社会や他人がそう簡単には変わらないことはわかっているけれど、「自立的に考える」ことで一人一人の人生は変わっていくと思います。

(黒田隆憲)

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