朝活イベント「定年女子セミナー」レポート(後編)

人生のロールモデルを探しすぎてはいけない 柔軟に“役割”をこなしていくスキルを

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人生のロールモデルを探しすぎてはいけない 柔軟に“役割”をこなしていくスキルを

「女性も70歳まで働き続ける未来が来るかもしれない」と語られた「定年女子セミナー」イベントレポート後編。前編では、元『日経WOMAN』編集長・野村浩子さんの講演及び、野村さんと株式会社ウエディングパークの菊地亜希さん・株式会社Woman&Crowdの石田裕子さん・株式会社エムティーアイの日根麻綾さんとのパネルディスカッションの一部をお届けしました。今回は、パネルディスカッションの後半と、菊地さん・石田さん・日根さんへのインタビューを通じて、定年までムリなく働き続けるための秘訣を探ります。

【前編はこちら】70歳まで働かないと、死ぬまでに赤字 定年まで仕事をするために必要な「捨てる勇気」とは?

3年後、予定通りに進んでいることはありえない

ウエディングパーク・菊地亜希さん(以下、菊地):私が常に意識しているのは「次もキャスティングしたいと思われる人材になる」ということです。まるでTV番組のような言い方ですが、女優さんやタレントさんって定年がないですよね。若い頃はヒロインを張っていたような人が、キャリアを積んだら母親役を演じていたりする。状況に応じて、柔軟に役割を変えているわけです。

仕事というのはやはり、投資してくれる会社やお客様の存在があってこそ。ですから、「次も菊地と一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるよう、臨機応変な考え方と期待に応えるパワーが必要かなと思います。

Woman&Crowd・石田裕子さん(以下、石田):同じく、「柔軟性」という一言に尽きると思います。定年から逆算して自分自身のやりたいことやキャリアを考えるのも重要なのですが、予定通りにいくことはなかなかないですよね? 特に私達がいるのはネット業界なので、2ヶ月、3ヶ月先も同じとは限りません。小さな変化を楽しんでいくことが大切じゃないでしょうか。

エムティーアイ・日根麻綾さん(以下、日根):おっしゃるように、私の経験上、3年後に予定通りにいっていることなんてまずありません。ですから、自分に起こること全てを前向きにとらえることが必要ではないかと思います。

また、「ルナルナ」のスタッフとして申し上げたいのは、「出産にはリミットがある」ということを念頭においていただきたいということです。キャリアを最優先した結果、いざ出産しようとしたとき、時間を想像以上に費やしてしまう……というケースをこれまでに何件も見てきましたから。

「こうあるべき」というロールモデル探しは不要

――「定年まで働く」という意識を、多くの女性達が自分ゴトとしてとらえているように感じます。こうした意識の変化は、何をきっかけに起こっているのでしょうか?

日根:ひとつは晩婚化・晩産化ですね。女性の働く期間が延び、人生の選択肢も増えていますし。例えば、数十年前まではお見合い結婚が主流で、決まりきった道だけれど、逆に言えば選択する必要もなかったわけです。それが、女性の社会進出が進むにつれて仕事も結婚も出産も、何もかも自由になった。選択肢が非常に増えているので、自主的に何も選び取らずにいると、気づけば「こんなはずじゃなかった」という状況になってしまうんです。

――20代女性も30代女性も、選択に迷って、すごく「自分探し」をしているような気がします。

石田:実を言えば、私はロールモデルなんてなくていいんじゃないかと思っています。「ロールモデルがいないから働き続けられない」とか「ロールモデルがいないから結婚や出産を考えられない」と感じている女性が多いのですが、もっと全員がバラバラでいいんです。自分の選択を、自分の中で肯定してあげてほしい。自分自身の「芯」を持つことが重要な時代になってきたと思いますね。

菊地:女性はキャリアが中断する機会が多くあります。「こうじゃなきゃいけない」と他人の価値観や一般的な価値観に縛られてしまうと、自分が苦しくなってしまうんですね。ですから、仕事で昇格しなくても、専門的な働き方をしていても、「私にとって一番心地良い生き方」であればいいんじゃないかと思います。ロールモデルは探しすぎない方がいいです。「見つかったらラッキー!」くらいで(笑)

――「ロールモデルはいらない」と自信を持って言い切れる方は、なかなかいらっしゃらないと思います。その心境に至る経緯を教えてください。

日根:25歳のときだったらこんなことは考えなかったと思います(笑)。挫折経験の中で「決めることの無意味さ」を体感しましたね。何が起こっても受け入れられる柔軟さが大事だなと。

それに、歳をとるごとに自分や家族を取りまく環境は間違いなく変わっていきます。そして、その変化は隣の人と全く同じじゃない。「自分だけの生き方」を構築していくことが必要になってくるんです。

20代の時期にもがくことで、柔軟性が高まる

――アラサーの時期にだんだん気づき始めるということですか?

日根:そうですね、20代の経験がものを言います。逃げずに頑張って、毎度毎度カオスな状況にいた方が、臨機応変に対応できる力が身につくんじゃないかと思いますね。

石田:実体験を申し上げると、私の身近には当時ロールモデルがいなかったんですよ。ですから「私自身がロールモデルにならなきゃ」という想いは20代の頃は強くありました。しかし、その想いが逆に私を少し苦しめていたんです。後輩への見え方を気にしすぎたり、勝手に型にはめられることへの、若干の抵抗感があると言いますか。ここ10年くらいの間で、さまざまな活躍の仕方をする女性が出て来て、よかったと安心していますね。

菊地:私は休職するまで挫折の経験がほとんどありませんでした。「申し訳ない」と思いながら一ヶ月半くらい過ごしてたんですけど、あるとき「私がしがみついてきたものって何だったんだ?」って、どうでもよくなったんです。で、快復したら働きたくなってきて、現在の会社に入ったんですが、経営者側としても休職明けの人間を採用するのって迷うと思うんですね。また倒れてしまうかもしれないし。

ですから「まずは信用を得ないと」と考え、来た仕事を全部受けていたのですが、そうしているうちに「信頼される方法さえ分かれば、キャリアを中断することも怖くない」と思えるようになりました。キャリアに関しては楽観的ですね、私は。

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