「ファースト・クラス」 オフィシャルサイトより引用

「ファースト・クラス」 オフィシャルサイトより引用

沢尻エリカの8年ぶりの連ドラ主演で話題のドラマ『ファーストクラス』(フジテレビ系土曜23:10~)。人気女性ファッション誌の編集部で働く女性たちの壮絶な“マウンティング”バトルが描かれたドラマだ。マウンティングとは、仕事、恋愛、お金、持ち物など様々な項目を鑑みて、自分より上か下かを常に心の中で格付けしあうこと。ひょんな幸運からインターンとして働くことになった主人公ちなみ(沢尻エリカ)(26)は、早速周囲から「この女、最下位ね」と認定されるところから物語は始まる。

限られた“イス”を奪い合い、あの手この手で相手を蹴落とす

編集部は、絶対的な権力者である編集長(板谷由夏)(41)を筆頭に、夫も子供もいて勝ち組と周囲を見下す副編集長(三浦理恵子)(41)、実家が裕福で冷めた正社員(菜々緒)(24)、世代交代に怯えるわがままトップモデル(佐々木希)(25)、一見サバサバ系のカメラマン(遊井亮子)(35)、生き残りに必死な契約社員(田畑智子)(31)……など、ひと癖ある女性ばかり。

第1話、ちなみにバトルをしかけるのは叩き上げの契約社員編集者。ちなみの登場で自分の場所が脅かされると感じ、わざとちなみの失敗を誘導し、職場から排除しようとする。望みの仕事に誰もが安定して就けるならいいが、現実はそう甘くない。限られた“イス”を奪い合い、あの手この手を使って相手を蹴落とそうとする……というのは、男女限らず、厳しいポジションバトルのある会社ではありうる話なのかも。

職場の男性陣からは、「自分のポジションを確かめるために、人を貶める必要なんてないんじゃないか?」(中丸雄一演じるカメラマンアシスタント)と気の毒がる意見が出る一方で、「どこの世界にでもある話じゃない? 駆け上る近道なら、俺もやるけどね、あれくらい」(平山浩行演じるスタイリスト)といったシビアな見方も描かれている。

マウンティングはお姫様願望? 不安の裏返し?

女性の場合は、単に仕事上での争いだけではなく、恋愛や結婚、子供、裕福さなど、プラスアルファの要素での勝ち負け意識も加わってくるので、一筋縄ではいかないバトルとなってしまうのだろう。たとえば副編集長は、「仕事では負けているけど、ママという点では勝っている」と同期の編集長に対抗意識を燃やし、その座を虎視眈々と狙っている。契約社員編集者も、モデルとの2ショットをSNSに公開し、華やかな世界にいることを羨ましがられることで何とか自尊心を保っている状態だ。

「ちやほやされたい」「自分が一番でいたい」という“お姫様願望”のような傲慢さもあり、しかしその裏には“不安”の心理も覗く。そうでもしないと立っていられないから、虚勢を張っているようにも見える。「価値観も境遇も、人それぞれでいいじゃない?」と思えればきっと楽になれるはずだが、目に見えて「他人より優れたものを何か持っている」という事実でなければ信じられない、ということか。契約社員よりも社員が上。実家が裕福であるほど上。表紙を飾れるモデルのほうが上。誰もがマウンティングによって自分のポジションを“必死”に確かめていた。

女の世界、味方は自分だけ!?

あからさまないびりに遭い、「同じ場所で働く仲間じゃないのか?」と落ち込むちなみに対し、編集長は「あなたの味方は自分だけよ」「勝った人間だけが夢を持つ権利を得られる。勝てなかった人間は去るだけ」と冷たく言い放ち、ちなみが闘志を燃やし始めるところで第1話は終わる。

編集長の言うように、激しい競争の世界にあっては望まなくとも“マウンティング”に巻き込まれてしまうこともあるのだろう。それに屈しないためには、その会社や場で何をしたいのかという「目的意識」を強く持つこと。そして何より、他人や外界の基準に揺さぶられない確固たる「自信」を心中に築くことが重要なのかもしれない。沢尻エリカ演じるちなみが今後、恐怖のマウンティングバトルをどのように勝ち進んでいくのか、女の世界を生き抜く女子にも参考になるかも。

外山ゆひら