不倫の末に念願だった「妻」のポストを略奪することに成功したとしても、そこには迷いが必ず生じる。不倫をした夫は、また同じことを繰り返し、今度は自分を捨てるかもしれない。不倫からはじまった恋愛は、ある意味あきらめる覚悟がなければ成就しないのだ。芸能界でよく見られる略奪婚の心理、そして昨今増えているという昼顔妻の本音、そして、不倫で自分を満たす人たちに隠れたもろさに迫った。

【前編はこちら】ゲス川谷はなぜ妻を捨てたのか? カウンセラーが分析するベッキー不倫の心理

不倫の末の略奪結婚は亀裂が生じやすい

――うつみ宮土里さんと愛川欽也さん、今井美樹さんと布袋寅泰さんなど、不倫の末に一方が略奪して夫婦となったカップルが芸能界には多いんですが、こういった夫婦はうまくいくものなんでしょうか?

大野愛子さん(以下、大野):うつみさんと愛川さんの場合で言えば、愛川さんが離婚する際に、自宅を含む全財産を妻子に残したということで、男としての社会的責任を果たして、ゼロから新たな生活をスタートさせたわけですよね。前妻との離婚の翌日に、うつみさんとの再婚を発表されたそうですが、大義名分を通したから、そうやって堂々としていられたんでしょうね。

ただ、うつみさんと愛川さん、今井美樹さんと布袋さんのどちらも、夫婦関係だけでなくビジネスパートナーとしての関係性があったことが、うまくいった要因ではないかと思います。通常、不倫の末に略奪結婚した夫婦は、深い罪悪感が残る場合も多く、どうしても亀裂が生じやすいんですよ。要は、彼と結婚できたとしても、自分が妻の立場になってはじめて奥さんの気持ちがわかるわけです。それに、相手は浮気した男性ですから、今度は自分が奥さんと同じことをされるかもしれないという不安も抱きやすいですよね。

40代の「昼顔妻」が増加している背景

――一方で、不倫が発覚して破局した矢口真理さんのようなタイプは、火遊び的な軽さがあると思いますが、これにはどんな心理があるんでしょうか?

大野:矢口さんもおそらくそうだったと思うんですが、夫に足りない部分を不倫相手に求めていたのでは、ないでしょうか。最近、既婚女性の不倫のご相談が本当に増えているんですよ。女性は40代の方が多く、相手は独身の男性というのが典型的なパターン。

既婚女性の不倫は、独身女性の不倫とはまたちがった心理があって、ご主人との関係がうまくいっていない、たとえば夫が女として扱ってくれないとか、セックスレスでロマンスがないとか、いわゆる夫にないものを満たすための不倫が多いんです。多くの場合、離婚するつもりはなくて、夫は経済力とか子供の父親としてのステータス的な存在、不倫相手は恋愛のときめきをくれる存在で、両方がいてくれることでバランスを保っている、というような。

自己マネジメントとしての不倫?

――ある意味、自己マネジメントに近いような不倫ということですね。

大野:不倫相手の男性からしても、結婚を迫られることもないし都合がいいから、意外とその関係性が長くつづくことも多いんですよね。不倫は蜜の味って言いますけど、不倫独特のスリルであったり、2人の男性から求められているという優越感だったり、そんな感情も起こりやすいんです。不倫に悩む既婚女性の多くは、「不倫相手の心が離れていきそうだから、それを取り戻したい」とおっしゃるんですが、本当に見つめなおすべきなのは夫婦関係であって、旦那さんとの問題を考えましょうと諭していますね。

夫婦関係に蓋をして不倫相手に気持ちを傾けても、その男性は将来を考えてくれることはほんとどなく、いずれはその関係性も冷めていくことが予想されます。結局は自分が傷つくことになりますし、根本的な夫婦の問題を解決しない限り、心から満たされることはないと思います。

不倫は自分を大切にできない人がする恋愛

――ベッキーさんもそうですが、魅力的な女性が既婚者の男性に惹かれてしまうケースは世の中に多いと思います。そういった女性には、どんなアドバイスをされていますか?

大野:不倫は、そもそも自分を大切にできない人がする恋愛なんですよね。自分を粗末にするし、傷つくし、不倫をしている自分をまず自分自身が一番好きになれないはずです。私たちカウンセラーとしては、相談者が自分を一番大切にするためにどうすべきかを徹底的に考えていくんですが、不倫をする女性の多くは、「自分なんか愛される価値がない」と思っている方がとても多いんです。

自分に自信がなく、自己否定が強いため、「妻がいながらも私を求めてくれる、障害があるにも関わらず私を愛してくれる」っていう状態は不安を掻き立てる一方で、愛されていると感じてしまいやすいんですよね。そして相手の男性も、彼女が一番求めることに応えてあげられないことに罪悪感があるので、優しく寛大になるんです。

カウンセリングではまず、「あなたは魅力がある女性で、あなたにとってのベストパートナーと本来あるべきベストな恋愛をする価値があるんですよ」と知ってもらうところから始めています。自己肯定感を高めることが、幸せになれない恋愛を遠ざけることになります。

相手に流されず線引きができる人は不倫に発展しない

――逆に、既婚男性の優しさに惑わされずに、不倫に発展させないタイプってどんな人なんですか?

大野:不倫をしないタイプの人は、恋愛感情に発展させるまでに、ある程度時間をかけますね。相手が独身なのか、彼女持ちなのか、既婚者なのか、そういったことがわからない状態では距離を縮めません。まずは、相手のことをきちんと知ろうとします。

ここが非常に大事な分岐点で、もしいいなと思ってもすでに相手にパートナーがいた場合、どこかで一線を引くことができます。逆に不倫に発展してしまう人は、相手のことをよく知らないうちに自分のプライベートを明かして、どんどん仲良くなって好きになってしまうんです。

自分がしたい恋愛の目的が明確にわかっていれば、きちんと線引きができます。既婚男性の潜在不倫率(機会さえあれば不倫をしたいと思っていること)は、9割近いとも言われていますので、雰囲気や相手に流されず、はなからうまくいかない相手には興味を持たないと割り切ることです。それができる人は、絶対不倫には発展しませんね。

小林香織

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