『恋愛しない若者たち』牛窪恵さんインタビュー

あなたは本当に恋愛が必要? 私たちが「恋愛結婚」という概念から解放される日

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あなたは本当に恋愛が必要? 私たちが「恋愛結婚」という概念から解放される日

『恋愛しない若者たち』著者・牛窪恵さんへのインタビュー後編。前編では、10年前から続いてきた恋愛のプライオリティの低下や、「誰かとつながりたい」「結婚したい」と切望しながら、一歩手前にある恋愛の孕むリスク、ハードルの高さに葛藤する女性達の姿が浮き彫りになってきた。後編では、「『結婚のためには恋愛しないといけない』という旧来の図式を覆す必要がある」と指摘する牛窪恵さんに、詳しく伺っていく。

【前編はこちら】「セフレはいるが彼氏はいない」アラサーが恋愛できない原因は『セカチュー』ブームのせい?

アメリカ、フランス、日本……。世界に見る恋愛事情

牛窪恵さん(以下、牛窪):心構えとして、「キチンと恋愛して、結婚して……」という考えから解き放たれる必要があります。

実は、欧米では日本と恋愛をとりまく事情が全く違います。アメリカにはプロム(卒業記念などで行われるフォーマルなダンスパーティー)があり、男性は女性をプロムに誘います。しかし、アメリカでも9.11以降草食系男子が増加しており、中々自分から女性に声をかけようとしません。そこで、昨今アメリカでは若者達を親が後押ししてくれるらしいのです。

フランスには、日本のような告白文化がありません。同時並行でのお付き合いが当たり前で、A君とB君がいた場合、「コーヒー飲む?」とどちらかの家を訪れてエッチしても、それで「付き合うことになった」とはなりません。A君の家に行った翌日にB君の家を訪問することだってままあります。

「キチンと告白してから付き合う」という文化は、日本以外ですと中国・韓国に見られます。「操を守る」という儒教的な考え方に基づいているのでしょう。「告白→恋愛→結婚」という図式に則りながらセフレを持ち、「恋人がいない」と言う日本の若者達は、欧米的な付き合い方とアジア的な付き合い方の狭間にいると言えるでしょう。

欧米式とアジア式のはざまで揺れる日本

――どちらかの価値観にシフトすればラクなのに、2つの付き合い方の間で葛藤している訳ですね。「告白→恋愛→結婚」という手順にこだわる必要がなくなれば、かなり恋愛や結婚のハードルが下がると思うのですが。

牛窪:そうですね。その意味で、「同棲」は相手を見定めるひとつのきっかけとして、いいと思います。スウェーデンやフランスでは、それぞれサムボ、パックスという、入籍によらない同棲カップルでも一定期間ともに生活すれば社会保障を得られる法律が制定されています。事実婚を後押ししている訳ですね。

ところが、日本の場合、事実婚では社会保障がままなりません。たとえ結婚という形態をとらなくても、「この人とじゃなきゃ」と思えるパートナーと暮らしていけるような制度が必要ではないかと考えています。

男女が対等だから、マッチングが難しい

牛窪:バブルの時代には、ぶっちゃけ「お金を出してくれるから」彼氏と付き合う、従う、という女性も結構いました。つまり、男女間で恋愛に対して上下があったのです。今は男女平等ですから、気の進まない異性であれば「イヤ」と断ることができます。つまり、男女ともに、同じ立ち位置で立っている訳です。だからこそ、マッチングが物凄く難しいんです。

最近は人工知能でマッチングをするシステムも進んできており、リクルートグループが提供している婚活サービス「ゼクシィ縁結び」では、コンシェルジュが「どういうデートをしたらいいのか」という部分まで至れりつくせりで調整してくれます。「この異性はいい人ですよ」「運命の人ですよ」と後押しするサービスが出て来ているんですね。

結婚相談所に勤めるベテランの方がおっしゃっていたのですが、一番大事なのは「柔軟性」、つまり、「相手に合わせて変われるかどうか」だそうです。たとえ70点の男性でも、育てれば100点になる。今の時代、女性の方が主導権を握っていくのは間違いないので、そうした柔軟性にもとづいた関係性を構築していくことが重要なのではないでしょうか。

情報を断つと、恋愛ができる?

――恋愛や結婚に対して、アラサー女子が今やるべきことはなんでしょう?

牛窪:相手がどう思うかは別として、恋愛できそうな異性を探し、レッスン的に試してみてください。「恋をする」というのは気持ちをアゲる意味ではすごくメリットがあります。しかし、今の恋愛は「相手にどう思われるのか」ありき。現在はどんどん情報が入ってくるせいもあって、女性達はとっても真面目に恋愛に臨むんです。もっと恋愛気分を楽しんでほしいです。結婚していても、恋愛はできるんですよ。

アラサーになると、恋愛をどうするか、結婚をどうするか、出産するのかしないのか、選択肢が色々出てきます。今のうちに試行錯誤して、迷っておいた方がよい決断ができると思います。迷った結果、誰かとのつながりが切れた時に喪失感を覚えないよう、大事なペットのような存在を作っておくにしろ、「生涯結婚しない!」と宣言している友人と親交を深めておくにしろ、あらゆる選択肢を吟味するのは大切です。

また、スマホ断ちも有効ですよ!女性は匂いや唾液などで本能的に相手を判断する能力があるのだそうですが、スマホを通じて情報の波にさらされているうちに、その感覚が鈍っているように感じます。SNSのしがらみから解き放たれて、一人で旅行するというのも本当におすすめですよ。

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