ピルを気軽に飲めれば、望まない妊娠が30%減る 米・オレゴン州では処方箋なしで購入可に 

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ピルを気軽に飲めれば、望まない妊娠が30%減る 米・オレゴン州では処方箋なしで購入可に 

アメリカのオレゴン州では先日、女性がバースコントロールピル(経口避妊薬のこと。以下、ピル)を医師の処方なしに受け取れることになりました。この法律は、女性自身のバースコントロールに関する障壁を取り除くものだと注目されていますが、一方では安全面について懸念している人もいるようです。

健康アンケートのみでピルを買える

日本でもそうであるように、アメリカでも検査をした上で医者の処方箋が必要とされています。この手順は女性にとって費用と時間がかかるものです。

しかしこのたびオレゴン州では、18歳以上の女性に限り、過去にかかった医療機関などについての健康アンケートを記入すれば医師にかからず、薬剤師から簡単にピルを受け取れるようになりました。オレゴン州の薬剤師はバースコントロールに関する研修が義務付けられ、ピルに伴って必要だとされる他の薬についても患者に処方できるようになりました。

望まない妊娠が減った研究結果も

さらにオレゴン州は保険会社に対して、女性1人につき12ヶ月間のピル供給負担を求めています。通常、ピル処方は一度の外来で1ヶ月~3ヶ月分しか受け取れないため、継続してピルを飲むためには定期的に医師にかかり検査を受け、お金を払う必要があります。

2011年、カリフォルニア大学が12ヶ月間、ピルを受動的に受け取った女性たちを対象に行った研究によると、望まない妊娠が30%、中絶が46%も減少したという結果が出ました。オレゴン州は、気軽にピルを受け取れる環境がいかにそうした女性にとって健全なバースコントロールに繋がるかを意識しているのです。

かかりつけの医師がいないことの様々なリスク

しかしこの法律には難解の色を示す医師は少なくありません。ニューヨークの産婦人科医ジル・ラビン氏は、従来のピル処方に必要な外来ケアは女性にとってとても重要だと主張します。「この新しい法律は、医師が女性のバースコントロールの如何に時間を取られなくて済むとも言えるかもしれない。しかしピルを飲むことの責任を患者自身に押し付けることになる。私はやはり、処方箋なしで女性にピルを渡すことはできない」と否定的な見解を示します。

また、彼女はピル処方以外にもかかりつけの医師がいることの安全性を語ります。「信頼できる婦人科医がいれば、婦人科系のがん検査をする際にも、患者の検査結果によってどの頻度で次に検査をすべきなのかといったことを相談ができるし、何かしら緊急の事態が起こっても安心できる」と言います。

アメリカでは他の州でも動きが見られている

現在のところ、アメリカではオレゴン州が唯一、この法律が施行されています。カリフォルニア州では昨年、このオレゴン州と似たような法律が立法されましたが、いまだ実施には至っていません。また、これまでにはコロラド州とワシントン州の上院議員が、このオレゴン州の法律を改変した法案をそれぞれの州議会に提出した動きもあります。

欧米に遅れること数十年、1999年にピルの認可がされた日本はピル後進国。正しい知識や情報がいまだ認識されておらず、その普及率はドイツ約50%、アメリカ約20%と比べ、約3%と格段に低くなっています。女性が自分自身で望まない妊娠を避けることができるピル。こうした世界の動きには、日本も耳を傾けていく必要があるのではないでしょうか。

参考記事:HUFFIEST WOMENKEZIOREGONLIVE

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