インターネット上で恋人との良いエピソードを発表することは、少し前までは全く受け入れられない行為だったように思う。「リア充爆発しろ」という昔よく聞いた言葉があるが、「幸せなやつらには罰を」という殺伐とした雰囲気が、そこには漂っていた。

妻と3人の子供との愛にあふれた日常を綴ったツイートが絶大な人気を博し、今や18万人を超えるフォロワーを抱えるshin5(しんご)さんは、「ミックスチャンネル等、自分のリア充っぷりをコンテンツ化することに抵抗がない若者が増えている」と分析する。実際、shin5さんのツンデレな奥様とのLINEのやりとりには、毎回多くの反応が寄せられる。自身の日常生活をコンテンツ化し大勢の人に向けて発信することには、どんな価値があるのだろうか? フォロワーの反応や、Twitterが家庭におよぼす良い影響について伺った。

【前編はこちら】妻を愛する呟きでフォロワー18万のshin5が語る、結婚後も恋人のような関係性を築くコツ

幸せな瞬間だけでなく、そこに潜むリアルも伝えたい

――SNSなどを通じて「自身の幸せ」を発信する行為には、なんとなく「認めてもらいたい」という承認欲求が潜んでいる気がします。自分の生活をネットにさらすことはリスクも伴うと思いますが、そもそも、なんのためにツイッターで発信されているんでしょう?

shin5:既婚者で子供がいる男性のなかには、わりと自分と同じように、「妻の尻に敷かれながらも楽しくやっている」みたいな人が多くて、そんな思いをたくさんの人と共有したいなと思ったんです。でも実際には幸せなことばかりじゃなくて、「1人になりたい」と思う瞬間もあるし、イクメンと世間では評価してもらっていてもガマンしていることもあるので、そんな現実感も織り交ぜています。あえてグサッときた妻からの一言もつぶやいたり(笑)。

4年前に妻が双子を出産するとき、早産で母子ともに命を落とす危険性があったんです。手術は成功して妻は無事に出産を乗りきり、元気な双子が誕生しましたが、あのときの不安や恐怖は言葉では言い表せないほどでした。そんな痛みがあって幸せな今があるってことを、ツイートするなかで何度も何度も思い出して、「家族を守らなければ」という思いを再認識する場にもなっていますね。

――なるほど。幸せな内容ばかりに偏らないように、バランスを考えたりっていうのは、いわゆる編集者のような目線で、自分の生活をコンテンツと捉えて取捨選択をした上で発信されているんでしょうか?

shin5:そういった意識はありますね。妻とのLINEのやり取りをうまくスマホで1ページになるように収めたり。こんなオチならおもしろいかなと考えたり。読んだ人に、ほっこりした気持ちを届けたいという思いがあるので、あまりネガティブなことは言わないようにしています。少なからずキャラクターを作っている部分はあるかもしれませんね(笑)。数字の部分でいうと、トータルの数値やフォロワーの増加はチェックしますが、細かい部分までは見ていません。

幸せアピールを肯定する時代背景

――ツイートする際は、その都度、奥様に確認されているんですか?

shin5:いえ、確認はしてないです。彼女は、ある程度あきらめてますね。妻は妻で自分のアカウントをもっているんですが、僕がたまにリツイートされて入ってくるのが嫌らしくてブロックされてます(笑)。僕のアカウントとパスワードは妻に全部教えているので、なにかあったら彼女もつぶやけるようにはしてあります。隠し事もなにもありませんし。

――フォロワーさんは、女子高生の方とか若い女性が多いですよね?

shin5:はい、自分の出身高校の学生さんもいましたね。今、「ミックスチャンネル」で、カップルのラブラブな様子を発信したり閲覧するのが若い世代に流行っていますが、それに似た部分があるのかなとも思ったり。ただ、結婚すると恋人同士のようにはいかないこともあるので、現実の悩みをオブラートに包んで伝えています。好きだ、好きだと言っていても、仕事に追われて結婚記念日やクリスマスを一緒に過ごせないときもありますし。10代の若い世代の方でもリアルな結婚生活をイメージできると、おもしろいのかなと思っています。

NEVERまとめで養った“バズる”感覚

――フォロワーが18万人を超えるほど人気となった要因は、なんだと思われますか?

shin5:元々、ブログとかNEVERまとめを作っていて、流行っているものを編集して発信することが好きだったんです。ネコとか野球とか、誰もが興味をもつようなテーマは反応も良くて、そういったことに楽しさを感じていました。もしかすると、その経験からバズる感覚が身についたのは、あるかもしれないですね。

そんななかツイッターのフォロワー数が徐々に増えていって、5万人ぐらいになったときに、自分がコンテンツになるのもいいかなと思いはじめました。そしたら、自分のツイートがまとめられたり、インタビューの依頼があったり、漫画にしませんか?とジーン編集部の方に声をかけていただいたり。

先ほどのミックスチャンネルもそうですが、「幸せをアピールするコンテンツが肯定される」という時代背景にうまくハマったのかもしれません。最近は、男性からも前向きなコメントをいただくことがあり、ネットの価値観が変化してきているのを実感しています。

好きな人ではなく「幸せにしてくれる相手」を見つけてほしい

――確かにFacebookでも、入籍の報告やリア充ぶりをアピールする発信が増えているような気がします。幸せなエピソードを形に残しておくのは、結婚生活にとってプラスになっていますか?

shin5:なりますね。自分の身近な出来事や感じたことを言葉で表現して、「うらやましい」と思ってもらえることは純粋に嬉しいし、家族との関係性が良くなることにもつながっている気がします。僕の場合はツイッターだけじゃなく、家のなかに写真を飾るスペースを設けていて、家族の思い出写真などを飾っています。幸せな瞬間を形に残して共有できたり、すぐに思い出せるので、とてもいいですよ。共有することで、ふとした時に思い出したり家族が話しをするきっかけになっています。

――これから結婚する人たちに向けて、アドバイスをいただけますか?

shin5:経験を踏まえると、なにより大事なのは「会話」だと思います。お互いに言いたいことは溜めこまずに伝えるとか、なにか相手のためになることをしたときは、「あれやったよ」と報告して褒め合うとか、距離を置く時間をなるべく短くするべきかなと。結婚したら認め合うだけじゃなくて、あきらめることもあるし、納得もしないといけない。そう思えば肩に力を入れすぎずに、正直でいられるんじゃないでしょうか。

男性は結婚すると責任が増すとか、遊べなくなるとかマイナスの意見もあるかもしれませんが、男性側にもメリットはたくさんあります。家族という支えができて安心して働けるようになったり、奥さんにも収入があれば経済的にも安定するし、なにかあったときは夫婦でフォローしあえます。誰かが待っていてくれるのは、本当に心強いものですよ。

あとは、好きだと思う相手と幸せにしてくれる相手は違うこともあるので、女性のみなさんには、正直な気持ちに耳を傾けてくれるような男性を見つけてほしいなと思います。

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コミック『#shin5~結婚しても恋してる~』
結婚・双子育児・仕事に関するツイートまとめ

小林香織

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