「露出が高ければ乱暴されて当然」に抗議 服装の自由を訴える世界の女性たち

「露出の高い服装の女性は、乱暴を受けるのも当然である」。ブラジルで3,800人を対象として行われた世論調査で、65%もの人がこう考えていることが明らかになった。

これに対し、ブラジルの女性たちは、あえて裸や露出の高い服装になって「乱暴される理由にはならない」というメッセージを掲げ、その写真をインターネット上に掲載するという抗議活動を行っている。すでに賛同者が2万人を超えたというこの抗議活動は、現在では国境を超え、世界中に広がりつつある。

露出の高い服で抗議するスラットウォーク

女性が裸や露出度の高い姿で抗議を行うことは、世界的には珍しいことではない。近年では2011年に、カナダ・トロントの警察官が「性暴力に遭わないためには、女性はスラット(ふしだら)な格好をするべきではない」と発言したことに抗議した約3,000人の女性が、デモ行進を行った。

この「スラットウォーク」と呼ばれるデモ活動は、その後、アメリカ、ニュージーランド、インド、韓国、オーストラリアなど世界各地に拡大。後に性産業従事者やトランスジェンダーへの差別撤廃、「こうあるべき」という性規範のレッテルからの自由を叫ぶメッセージへと広がっていった。

ネットや映像で世界に広がる抗議活動

2011年に一大ムーブメントが起きた後にも、同様のメッセージを伝える抗議活動は様々な形で、世界中で行われている。

中国では、2012年に上海の地下鉄運営会社がミニブログで、「このような(露出の多い)服装でいて性的嫌がらせを受けないのはおかしい」と投稿したのに対して、2人の女性が「痴漢はいらない、涼しさが欲しい」というプラカードを掲げて地下鉄に乗り込んだ。全身を覆い隠す衣服をまとった女性と、涼しげなTシャツ・ミニスカートを身につけた女性のわずか2名による抗議だったが、ネット上で大いに話題を呼んだ。

身分階級制度もあいまって残虐な性暴力被害が多発しているインドでは、2012年に首都・ニューデリーで、女子学生が集団に性的暴行を受け、殺害された事件に際しても、被害者の非を責めるようなコメントが多く寄せられたという。それらへの皮肉を込めた抗議として、翌年には「It’s your fault(あなたが悪い)」という動画が同国のコメディアンによって制作された。この動画は世界中で閲覧されており、再生回数は350万回に迫る勢いだ。

「好きな服を着て安心して道を歩く」という当たり前の自由

こうした抗議の声は世界規模で聞かれるようになってきているが、日本ではまだ性犯罪被害者への目線は厳しいものも多く、女性の服装や行動を制限する形での“自衛”を呼びかける声は大きい。これからは日が高くなり、気温も上がってくる季節だ。「好きな服を着て安心して道を歩く」という当たり前の自由を手にし続けるためにも、抗議の声は持ち続けていきたい。

佐原チハル