「派遣社員は消しゴムだ」 調査で浮き彫りになった非正規雇用者のリアル

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「派遣社員は消しゴムだ」 調査で浮き彫りになった非正規雇用者のリアル

非正規雇用の独身女性の半数が貧困に陥っている問題を取り上げた、植野ルナさんへのウートピのインタビュー(前編後編)で、行政の支援を受けられず、さらに会社やプライベートでも孤立している女性たちの姿に焦点が当てられました。

そこで非正規雇用の女性の実態を探るため、ウートピは独自に世論アンケートを実施。「あなたは現在、正規雇用?それとも非正規雇用?」の質問に60%が「非正規雇用」と回答、コメントには過酷な現状を訴える女性たちの声が集まりました。

【アンケート】あなたは現在、正規雇用?それとも非正規雇用?
※サンプル数:971人(12月24日現在)
※ウートピ世論調査結果より(投票結果はコチラ

非正規雇用者のリアル

<アンケート結果>
「正規雇用」・・・・・40%
「非正規雇用」・・・・・60%

※回答はわかりやすいよう一部表記を変更しています/すべてのコメントはウートピ世論をチェック

「派遣社員は消しゴムだ。使って減ったらまた買えばいい」

非正規雇用にはパートやアルバイトなどさまざまな形態がありますが、コメントでは派遣労働に従事する人の声が目立ちました。

・派遣社員は消しゴムだ。使って使って減ったら新しいのを買えばいい。代わりなんかいくらでもいる。そう言っている人がいました。派遣社員で働いている自分が惨めに思えて辛かったです
・28歳で就活中に、某人材派遣会社で、その年になると大企業の非正規か、零細企業の正社員しか道がないと言われてひどく落ち込んだっけ……
・正社員登用あり!と始めた派遣だが、2年経ち会社の採用規定が変わったとかで、見通しがなくなり、今に至るが、転職するにも年齢の問題もあるし、悩んでいる
・年齢的に派遣の仕事に就くことも難しいのに正社員の話は皆無である。三年毎に仕事を探さなければならないと思うと不安しかない

労働者派遣法では、3年以上働いた場合、派遣先企業が直接雇用を申し込まなければならないというルールが定められています。これは派遣労働者を守るための取り決めですが、実際には直接雇用したくない企業が、契約を3年で打ち切ることがほとんどです。コメントからは3年経てばどんなに努力しても自動的に職を失う、そんな現実に打ちのめされる女性たちの様子が伝わってきます。

・正社員で働きたくても、正社員枠が無いのが現状。ハローワークの職員でさえ「派遣じゃダメですか?」だと。正社員で求職してる者に、公共機関ですらその対応ですからね。まぁ、使い捨てできる派遣の方が、企業は得でしょう。低賃金、高労働の使い捨て労働者は、家庭なんか持てないし自分が生きるのに精一杯で希望も安心も異次元ですよ。企業は、社員にやらせたくないキツイ仕事は派遣にやらせて、自分達に都合が良い事だけは「同じ仕事をする仲間」等と恥ずかしげもなく言います。非正規労働者が大半の日本企業は、ブラックとは言えないまでも、グレー企業だと思いますよ

正規雇用の人からも危機感や不安の声

一方、正社員として働く人たちの思いはどうなのでしょう。

・現在は幸い子どもを産んでも続けられる職場だが、正規雇用と非正規雇用、男性と女性などの間の賃金格差の問題はやはり気になる。多様な働き方を実現するのなら、同じように働いたら同じような賃金が貰えることと、いざという時のセーフティネットがちゃんと機能していることはやっぱり必要だと思う
・正規雇用だけど、非正規の人と年収がほとんど変わらない。貯金は難しいし、独身でこれからの生活に不安があるのは一緒。仕事で関わっている人の中には、親の介護のために退職し、親子二人で親の年金月8万円程度で暮らしている人もいる。将来の不安は大きい
・今正規雇用でも結婚、出産後に同じ仕事を体力的にも続けられるか不安。産休復帰後、自分の席はあるのか?

たとえ今は正規雇用であっても、結婚や出産、介護などで仕事を辞めなければならないかもしれず、非正規雇用の問題は決して他人事というわけではないようです。

職場の男女差別「女性には大事な仕事は任せられない」

正規雇用の人たちが職の継続について不安を抱く理由には、男女差別が根強い職場風土の問題も一因となっているようです。

・君が優秀なのは分かるけど、女の人はいつ寿退社するか分からないから大事な仕事は任せられないと言われた事がある
・幸運にも大学卒業以降転職しても正社員を続けています。今は、福利厚生の整った会社にいるので、子どもを考える余裕はできたけど、第一線に残れないのは確実なので、悩みます
・頭が良くて仕事もできる友人が子どもを産んだせいでキャリアを奪われパートに成り下がったの見て、子どもは諦めた。今の日本じゃいい大学出ても大企業で出世頭になっても子どもを産んだら終わり。もちろん頑張ってる人も沢山いると思うけど、子どもが熱出すごとに早退する人を昇進させる会社なんかないよ

非正規・正規の両方を経験した人の意見

中には、非正規から正規へ転職したという人も。両方を経験したからこそ分かる職場の問題点が、実感を込めて指摘されています。

・元々は非正規雇用で働いていたが、結婚し、子どもを持ちたいという希望から転職活動を開始、正規雇用として採用された。今妊娠中だが、産休育休の制度がしっかりとれる、職場環境、風土が受け入れ体制にないと、正規雇用でも子どもを持ち、仕事と育児を両立するのは難しいと感じる
・国立大学で非正規職員として働いていたが、3年という短いサイクルで使い捨てされていくのがいやで転職した。非正規職員は病気になれば退職だが、正規の職員だと休職期間が長くとれ、その間給料も出る。能力と関係するわけでもなく、いびつな仕組みがこのまま続くのかと思うと暗い気持ちになりました

今回のアンケートでは、派遣の3年ルールや雇い止めに苦しみ、安定した生活をのぞめない非正規雇用の実態や、結婚や出産で仕事を継続できなくなるかもしれないと不安を抱える正規雇用の様子が浮き彫りとなりました。非正規の雇用安定化は大きな課題ですが、同時に育児や介護と仕事の両立ができる労働環境の整備や、職場の男女差別意識の改善を徹底して行かないと、非正規の問題は根本解決しないのかもしれません。

画像:e X p o s e / Shutterstock.com

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