ブラマンテ株式会社 代表・田島弓子さんインタビュー(後編)

女性は「とにかく、やれ」では動かない 成果を高めるマネジメント術

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女性は「とにかく、やれ」では動かない 成果を高めるマネジメント術

「女性活躍推進」に関する研修やセミナーに力を注ぐブラマンテ株式会社の代表・田島弓子氏に、仕事の場で女性同士がうまく関わっていくための方法を聞くインタビュー後編。

前編では、女性同士で嫉妬が生じやすい3つのパターンや、仕事中にイライラしてしまったときの対処法についてうかがった。後編では、チームワークを高めるための心がけや、女性の部下への指導術、部署同士の軋轢を防ぐ方法を聞いた。

【前編はこちら】感情が女のキャリアを妨げる 職場で嫉妬が生まれる3つのパターンと対処法

チームワークを高める心がけとは?

――女性同士でプロジェクトを組むとしたら、トラブルを回避するためにどんな工夫が必要でしょうか?

田島弓子さん(以下、田島)前編でお伝えした嫉妬心が生まれやすい3パターンを回避することが大切で、集めるメンバーはタイプが異なる人を選び、それぞれの不足部分を補完しあえる関係性を作るのがおすすめ。お互いリスペクトする部分が異なるので、ライバル心が起こりづらくなります。単純に仲がいい人を集めるのではなく、仕事を通じてギブ&テイクができる関係性を作るのが重要です。

そして、メンバーの一員として持つべき意識は、抜け駆けになるような行動は避けること。仕事上役に立つ情報は必ず全員で共有する、いい結果が出たらメンバー全員の手柄だと思い、上司だけでなく全員に感謝を込めて報告をするなど。そうやって戦友のような関係性ができると、目指すべき目標が共有でき、自然とプロ意識が芽生えてきます。個人の感情から解放されチームで呼吸を合わせられるようになると、仕事はどんどんおもしろくなります。

女性は「とにかく、やれ」だと力を発揮できない

――自分が上司の立場で、女性の部下を育成するなら、どんな点に気を付けるべきでしょう?

田島:女性の部下を持つ上司には、「女性は気持ちで仕事をする傾向があるので、それをプラスに引き出せるような育成とコミュニケーションを心がけてほしい」と伝えています。そして、もうひとつ重要なのが、仕事に対して「腹落ち」してもらうこと。

女性って、気持ちで仕事をしがちなだけに納得しないことに情熱を傾けるのが苦手なんです。男性は「いいからやれ」という命令でも、縦社会に順応できているので納得しなくても熱心に取り組めたりするんですが、女性はそうはいかない。「なんで?」という疑問を抱えたままでは、決していいパフォーマンスは出ません。上司はそういった女性部下の疑問や不満を放っておかずに、納得させてから仕事を渡してほしいですね。

また、これは女性に限ったことではないですが、叱ったり注意をするときは、1対1がセオリー。褒めるときも一工夫が必要。ほかのメンバーから見て、えこひいきにならないように、結果を出した本人だけでなく、陰で支えてくれたメンバーも共に労ったり、「チームの協力があってこそ」という点を強調するべきです。

部署同士の摩擦を防ぐには「得した分、損も引き受ける」

――田島さんのこれまでの仕事生活のなかで、解決が困難だったトラブルはありましたか?

田島:私がマイクロソフトで勤務していた際に、部門を超えてプロジェクトを組んだことがありました。社内の人間同士なので助け合ってやれるだろうと考えていたら、現実はそんなに甘くなくて……。

たとえば、Windowsという製品ひとつを売るにしても、それぞれノルマがあり、どこかの部署だけが得をするようなことがあれば利害の食い合いが発生してしまうんです。ノルマを達成できないと人事考課にも悪影響があるので、どう協力していくべきか四苦八苦しました。

結局、得する部署は損も引き受ける、たとえば売り上げをもらう代わりに雑用もできるだけこちらで引き受けるなどの落とし所を提案して、どうにか話をまとめました。またあるときは、「今回はうちの意向を優先してもらったので、次はそちらに協力します」という姿勢を伝えたり。そのようなやり取りを重ねるなかで、お互い歩み寄ることができ仕事も順調に回るようになりました。

将来のことで悩むより、目の前のことに注力して

――最後に、ウートピ読者のなかにはキャリアを積むことに対して、「結婚や出産をしたときに両立できるだろうか?」など不安を持っている女性も多いかと思うのですが、アドバイスをいただけますか?

田島:人生における自分の仕事に対するスタンスは、ある程度もっておくべきだと思います。結婚して子どもを産んでも仕事をつづけたい、絶対専業主婦にしかなりたくないなど。

ただ、今アラサーぐらいの女性たちは、結婚や出産をしても仕事をつづけるんだろうなって意識はなんとなくあると思うので、それならば「きたものから対処する」のが一番だと思います。すごく忙しい仕事だったり、男性的な職場だったりすると将来が不安になるかもしれませんが、まずはスキルをどんどん身に付けるべき。そして、いざ「プロポーズされた」とか「子どもができた」となったら、そのとき、どうするか考えればいいのではないでしょうか。

昔は賢すぎる女性は敬遠されがちな一面があったかもしれませんが、今は能力をつけて損をすることはありません。仕事を通じてスキルとともに人間力も磨きましょう。今、これだけ女性の活躍推進が叫ばれている時代なので、企業の人に対する評価方法や価値観は少しずつ変わってくるはずです。遅くまで働く人が偉いなんて考え方もなくなって、バランスがとりやすくなるんじゃないかな。

だから、まだわからない未来のことで悩むより、目の前の仕事をひとつひとつクリアしていって、「君はうちの会社の宝だよ」と言われる存在になれば、結婚しても子どもができてもお互いにウィンウィンな働き方が見出せるはずです。

自分のキャリアについて、上司に共有しよう

そのためにも、日頃から上司ともっと自分のキャリアの考え方について共有してほしいのです。将来の仕事と家庭の両立に不安を感じていても、それを黙っていては上司は気づけないことも多いので、前向きな相談ベースでその不安を伝えてほしい。

女性のなかには、能力があるのに相談もせずに黙って身を引く人もいます。それって会社の視点で見ると、ものすごい損失なんですよ。女性にとってのキャリアはプライベートも含めて考えるのがあたり前ですが、とくに男性上司はそこに気づいていない人も多い。

だからこそしっかり共有してお互い歩み寄れれば、ひとりで悩んだりあきらめたりすることもなくなります。まずは、上司を自身のキャリアを叶えるための最高のサポーターにしようと思うところから始めてみましょう。

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