巷に「ドラッカーブーム」を巻き起こした、250万部突破のベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(もしドラ)の6年越しの続編が、本日12月5日に発売されました。

『もしドラ』続編は女子マネージャー二人の青春小説

タイトルは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読んだら』(もしイノ)。『マネジメント』に比べて一見堅苦しいように見えますが、内容は夢(ゆめ)・真実(まみ)という2人の女子マネージャーを軸として、休部状態となっていた高校の野球部を復活させ、マネージャー達の手で甲子園出場を目指すという爽やかな青春ストーリーとなっています。

主体性ゼロの「白紙系女子」と揺るがぬ信念を持った「バリキャリ系女子」

『もしイノ』に登場する2人の主人公・夢と真実は全く正反対のタイプです。夢が、理想もなく、目標もなく、ビジネス小説の登場人物にありがちなアグレッシブさもない、ないないづくしのいわば「白紙系女子」であるのに対して、真実は「自分が正しいと思うことに対しては、どうしても背くことができない」という、強い信念を持っています。そもそも夢が野球部に入部した理由も、「友人である真実と一緒にいたかったから」にすぎません。

会社の社員にたとえるなら、夢はいまいち自信も上昇志向もないイマドキの新人OL、真実は確固たるプライドを持ってバリバリチームを引っ張っていく「バリキャリ系」の女性。しかし、夢は『イノベーションと企業家精神』からエッセンスを学び、野球部という「組織」と関わっていくにつれ、「人の居場所をつくること」が自分の役割だと強く認識していきます。

当初は流されるばかりだった主人公が、次第に組織に影響を与える存在へと成長していく様は、オフィスを舞台にした女性向け漫画を読んでいるような面白さがあります。

イノベーションなら、競争社会の中で「居場所」をつくれる

『もしイノ』を貫く大きなテーマのひとつが、「イノベーションを通じて人々の居場所をつくること」です。「十年後に消える職業」などといった記事がしばしばネット上で話題になるように、競争が激化するにつれて職そのものがどんどんなくなっていき、人々のいるべき場所が失われてしまうことを、著者の岩崎さんは「あとがき」の中で危惧しています。それを打破するのが「イノベーション」、そして「教育」だと言うのです。

たとえば、『もしイノ』では『イノベーションと企業家精神』の次の項目が取り上げられています。

「イノベーションを行うにあたっては、外に出て、見て、問い、聞かなければならない。このことは、いかに強調してもしすぎることがない」

つまり、自分の持ち場を飛び出して、組織の一人一人にヒアリングすることでイノベーションのアイデアを育てることができるとしています。これは任天堂の故・岩田聡社長も実践していた方法論です。

『もしイノ』では、「社員との交流を通じて個々人の長所を知り」「それを成果に結びつけて評価されるようにし」「やりがいを持って取り組んでもらう」ことがその人の居場所をつくり出すことに通じる、そしてそれこそが組織の人事担当の役割なのだとされています。

「今、得意な仕事ができてますか?」

職を失うまで至らなくとも、普段仕事をしている中で、「がんばっているはずなのに評価されていない」という悶々とした気持ちや居心地の悪さを感じている女性は多いのではないでしょうか。そういう場合は、「自分の長所と、現在の仕事の状況を見直した上で」「成果に結びつけ、評価されるように動く」ようにしてみてはいかがでしょう。案外、自分の得意なことと、携わっている仕事内容が食い違ってしまっているのかもしれません。

小泉ちはる

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