脳外科医・ファッションデザイナーのDr.まあやさんインタビュー

「患者が“おもしろく”着られる服を」医師でファッションデザイナー・Dr.まあやの展望

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「患者が“おもしろく”着られる服を」医師でファッションデザイナー・Dr.まあやの展望

脳外科医でファッションデザイナーという異色の経歴で注目を集めるDr.まあやさん。前編では、脳外科医やファッションデザイナーを目指したきっかけ、奇抜な服を作る理由などを聞きました。後編では、ファッションを学ぶためのロンドン留学を経て、医師との二束のわらじで活動する理由や、「いつかは患者の服を作りたい」など今後の展望を語ります。

【前編はこちら】花柄と見せかけて「腹部のCT」 テレビ出演で注目のDr.まあやが奇抜な服を作る理由

二束のわらじは、心のバランスを保つため

――前編では、ロンドン留学からの帰国で大変な思いをされたという話がありました。その後は、どのような活動を?

Dr.まあや(以下、まあや):強制帰国という失意のあまり呆然として、1週間ぐらいは何もできませんでしたね。最初は医者としてアルバイトをしていました。そんなとき、ロンドンで知り合ったデザイナーの方から連絡がきて、とあるスタイリストのアシスタントをやることになったんです。アシスタントとして、山ほど服をかかえてあちこち走り回って、スタイリストの仕事の過酷さを体感しました。それからデザイナーとして個人の活動をしつつ、アシスタントをしつつ、医者をやりつつ……っていう生活が、約2年間半続きました。

Dr.まあや流・楽しい人生を歩む方法

撮影:Akiko Michishita

――現在はデザインから製作までご自身でやられているんですか?

まあや:外に頼むとお金もかかるし、やり取りもめんどくさいっていうのがあって、だったら自分でやっちゃえと。もちろん、ブランドの服なんかと比べたら技術が圧倒的に少ないですけどね。

ロンドンで最初に言われたのは、デザイナーとはコンセプトを立てて絵を描く職業であって、縫う仕事ではないと。「自分と向き合って、コンセプトに基づいたアイデアを絵に表現できるようになりなさい」と言われて。これは正しい意見なんですけど、私は0から100まで全部自分でやる人がいてもいいんじゃないかって思っています。

ロンドンの人って、歴史を重んじるのもあって、意外と頭が固くて固定概念が強いんですよ。日本の方が柔軟。ロンドンでは脳外科医ならステイタスも高くて、デザイナーになるなんて信じられないって言われますが、日本だとおもしろい人生だねって受け入れてくれますから。

――ファッションデザイナーとして個展を開くまでになっても、デザイナーとして独立せずに、脳外科医と二足のわらじで活動されている理由はなんなのでしょう。

まあや:性格の向き不向きもあると思うんですけど、私は掛け持ちしている方が両方のいい面と悪い面が見られて、心のバランスが保つのにちょうどいいんです。片方の職種だけにいると、そっちのイヤな面が大きくなって、愚痴とストレスが増えていってしまうので。

人生は一度きりなので、いろんなことを経験するのがすごく大事。経験から見えてくるものはいっぱいあると思うんです。私はステイタスよりもそのおもしろさを重視したいし、やりたいならとりあえず挑戦してみる。思い立ったらまずはやってみようって悩むことはないです。

いずれは患者さんも楽しめる洋服を

――テレビ番組内で「太っていてもおしゃれな服を着られるようにしたい」とおっしゃっているのを拝見しました。どんな想いがこめられているのでしょうか?

まあや:自分自身がデブっていうのが根本にありますね。ロンドンよりも東京の方がオシャレなんですけど、サイズの幅もおもしろい服も少ないと思うんです。サイズ、着方などいろいろな服を研究してもいいのかなって。

いずれは患者さんに洋服を作りたいんです。特に手足が動きづらい人たちが「これでいいや」って洋服を選ぶのではなくて、おもしろいからこの服を着たいし着られるっていう選択肢を提供できれば。そこまでいけるようにがんばりたいです。

Dr.まあや流・楽しい人生を歩む方法

撮影:Akiko Michishita

――自分のやりたいことに一歩を踏み出すためのアドバイスをお願いします。

まあや:働き始めて5、6年目でこんなはずじゃなかった、自分はなんのために会社に入ったんだっけと悩むこともありますよね。その場合、仕事人間として生きるのか、結婚して子供産むという生き方にするのか、趣味を突き詰めていくのかっていう3つに絞って考えるといいのかもしれません。それぞれ見つめてみて、自分がこうやって生きてきたいっていう何かが見つかれば、それを極める努力をしてもいいのかなと思います。

私はデザインの仕事とファッションの仕事を天秤にかけていますが、仕事はお金のためっていう割り切り方もアリですし、趣味なら趣味にどうやっていきるのかを徹底的に調べてみるとか、一生懸命生きる方法を見出すのもいいのではないでしょうか。逆に、一生懸命生きたくない人は、「がんばらない」ことを徹底してもいいと思います。どう楽にいきていくか、最小限の力でメシを食い、最短で楽しく生きるみたいな(笑)。私みたいな人間を見て「あんな一生懸命やってバカじゃないの?」って思って生きるのもそれはそれでいいですよね。どういった形であれ、自分らしさを貫けば、楽しい人生になるんじゃないかなって。心のバランスを保ちながら、自分がどうやって生きていきたいのかを考えることが大事。自分主体で動かないと嫌になっちゃいますからね。

――最後に今後の野望をお聞かせください。

まあや:洋服を作り続けていきたい。いつか商品となって誰かの手に渡るのが当面の目標です。それに加えて、いろんな作り手さんに認められるようになって、私を排除したロンドンの人たちに「コノヤロー!」って乗り込んで作品を見せられるようになったら勝ちなのかな。

■関連リンク
Dr.まあや公式サイト

(船橋麻貴)

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