バブル女性はなぜパリを目指したのか 離婚騒動の中山美穂も踊らされた「オシャレ洗脳」

先日、女優の中山美穂(44)が作家の辻仁成(54)と離婚協議中であるというニュースが世間をにぎわせました。

二人は結婚後、2003年からパリに移住しましたが、ほかにも中村江里子(45)や、雨宮塔子(43)といった女子アナや、加藤紀子(41)や、カヒミ・カリィ(46)といった文化系女子なども2000年前後からパリで生活を始めています。なぜ、40代の女性ばかりがパリを目指したのでしょうか。

リセエンヌ、バブル、渋谷系、アメリ……時代ごとにパリの流行が訪れる

彼女たちが10代のころは1980年代前半。その頃のティーン誌の代表である『Olive』や『mc Sister』では、パリの公立高校に通う女生徒=リセエンヌのファッションを特集し、一世を風靡しました。ここで、文化系女子たちはパリへの憧れを芽生えさせました。

彼女たちがハイティーンから二十歳前後だったバブル時代(1986年~1991年)には、初めて日本でもブランドブームが起こり、女子大生やOLがルイ・ヴィトン、エルメス、シャネル、ディオールなどのバッグを持つことがステイタスとなりました。そのブランドの多くはフランスで立ち上がったもの。こうして非・文化系女子もパリに憧れ始めます。

バブル崩壊後には、一転して渋谷系ブームが起こり、フレンチポップがオシャレという風潮ができあがります。ここで、中高生のときにリセエンヌに憧れたものの、バブル期にブランドものに興味を持たなかった文化系女子がパリへの憧れを再燃させるのです。

また、彼女たちが30代になるころには、ミニシアターブームがおこりました。その中でも最もヒットしたものの一つがパリ・モンマルトルを舞台に描かれた『アメリ』でした。そのほかにも、いくつもの新旧のフランス映画が上映され、ブリジット・バルドー、セルジュ・ゲンズブールと結婚してフランスに渡ったジェーン・バーキン、デンマーク生まれで17歳でフランスに渡ったアンナ・カリーナなど、フランスで活躍する女優に憧れる女性は多かったのです。

こうして、10代、20代、30代に「パリはオシャレ」という洗脳をされたアラフォーは、無条件にパリと聞くと気分が高まるようになりました。

憧れをこじらせると「パリ症候群」になる!?

パリに憧れを募らせた女性たちですが、実際にパリに移住すると、憧れと実生活にギャップがありすぎてカルチャーショックを受け、一種の適応障害を引き起こす例もあるそうです。そんな状態は、「パリ症候群」と名付けられ、同名の本も出ているくらいなのです。

中山美穂は、以前、「パリでのびのびと子育てをしたかった」と語っていました。でも、実際には、日本で仕事をすることも多い辻仁成とはすれ違い生活で、のびのびと子育てすることも難しい状態だったのかもしれません。また、中村江里子も、パリで受けたカルチャーショックや、「なんで?」と思ったことを『12年目のパリ暮らし』という本の中で綴っています。結婚もパリでの生活も、バラ色の面だけを想像すると、そのギャップに戸惑う人は多いのかもしれません。

(文=芦沢芳子)

画像:Original Update by Juanedc