『心を揺さぶる曼陀羅ぬりえ』作者インタビュー

なぜ今、大人が塗り絵にハマるのか 作者が話す“精神的メリット”

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なぜ今、大人が塗り絵にハマるのか 作者が話す“精神的メリット”

2015年、ぬりえブームが再来

今、「ぬりえ」ブームがじわじわと来ている、というのをご存知でしょうか。大型書店では「大人のぬりえ」というブースを設置していたり、女性誌でも特集が組まれているようです。

また、英語では「coloring book」、フランス語では「coloriage」といって、大人のための趣味としてもひそかに注目を集めており、インスタグラムで「#coloringbook」「#coloriage」などのハッシュタグで検索すると、世界中でのぬりえの写真がアップされており、そのレベルの高さには息を呑みます。

子どもだけの遊びじゃない、昔からある「大人のぬりえ」

「大人のぬりえ」の歴史は古く、美術の勉強をしている人たち向けにゴッホやフェルメールなどの美術作品を模写したものが昔から存在していたそうです。

次に、2005年頃から河出書房が刊行を開始した「大人の塗り絵」シリーズが、「脳に効く」という触れ込みでブームになり、いわゆる「名画」のぬりえから、花や風景、ピーターラビットなどのキャラクターへと発展していきました。

そしていまのぬりえブームは第3の波、サードウェーブとも言えるかも知れません。そのトレンドの一端を担う作品集が先日発売されたところ。その名も『心を揺さぶる曼陀羅ぬりえ』(猿江商會)。イギリス、台湾でも人気を集めているこちらのぬりえは可愛らしい、女性らしい、とはまた一味違う個性を放ち、女性の注目を集めているようです。

先月末、出版記念イベントとして、ペインティングライブが開催されました。イベントに参加したお客さんもアラサー女性のボリュームが大きく、注目度の高さを感じます。作者であるマリオ曼陀羅さんにお話を伺いました。

マリオ曼荼羅さん

マリオ曼荼羅さん

――こちらの作品集を出されるにあたって、女性からの反響は予想していましたか?

マリオ曼陀羅(以下、マリオ):UK版、台湾版、とぬりえの本を出してきて、女性からの反響が、男性からの反響よりも明らかに多かったので、ある程度は予想していました。原画に使っているのは元々「ぬりえ」用の絵として描かれたものではなく、絵そのもの対しての反響は女性/男性が半々ですが、塗ったぬりえをインターネット上にUPしてくれたり、写真を送ってくれたりするのは、ほとんど女性ですね。

――何か「ぬりえが女性にヒットするツボ」みたいなものがあるんでしょうか。

絵に集中することで、精神的なメンテナンスにも繋がる

マリオ:女性のほうが男性よりも自分自身のメンテナンスに注意を払っているように思えます。肉体的なことに対しても、精神的なことに対しても。食についての関心なども、相対的にいうと女性のほうが高いように思えますし、「自分磨き」というのも女性との親和性が高い言葉に思えます。

ぬりえは非常に手軽に自らの内面に埋没できる作業です。絵をゼロから描くよりも、刺繍や編物をするよりも簡単に、しかしじっくりと集中できます。

僕自身が絵を描き始めたのはストレスで精神的にちょっとくたびれて、バランスを崩しそうになっていた時期なんです。ふと「マリオ曼陀羅」の絵を書き出したのですが、集中して絵を描いている間だけは、仕事や人間関係の雑事に頭を煩わされることがありませんでした。放っておくとつい考えてしまうあれこれが、1,2時間のまとまった時間は頭のなかからきれいになくなって、その頃の僕自身の精神状態のメンテナンスに、大いに役立ったんですよ。

――確かにぬりえってびっくりするくらい集中できますね。逆に集中しすぎて根を詰めてしまうのですが、もっとリラックスして塗ったほうがいいですか? おすすめの塗り方や楽しみ方があれば教えてください。

マリオ:集中した作業、しかも自分の直感に従った作業をするなかでリラックスした状態が生じてゆくのだと思います。なので、どう塗るかなど考えず、好きなように、気の向くままに塗るのが良いと思います。

自分の呼吸に合う音楽を聴きながら塗るのはとても良いと思います。自分の感覚にあった照明の色や光度もとても役立つと思いますし、お酒が好きなら飲みながらリラックスするのも楽しいですよ。

筆者が塗ったぬりえ1

筆者が塗ったぬりえ2

塗り絵を始めて気付く、意外な自分の一面

幼少期以来に取り組むぬりえは童心に返れたり、仕事などとはまた違う集中力を要したり、かなり新鮮な感触があります。また、自分はこういう色使いやタッチが好きなんだな、とか、塗っているときの自分のクセなど普段の生活ではなかなか気付かない、自分の意外な一面に触れられたりもして、大人の趣味として成立するのが納得できます。また、下絵があるものなので、適当に塗ってみてもクオリティがキープできるため、水彩画などよりも手軽にトライできるというメリットも。

一人でもくもくと塗るのも楽しいですし、友達やパートナーがどんな塗り方をするのか、一緒にやってみるのも楽しいかもしれません。

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