犬山紙子×吉田尚記 対談(前編)

イラつくアドバイスをしてくる人の心理とは? 犬山紙子と吉田尚記アナが分析

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イラつくアドバイスをしてくる人の心理とは? 犬山紙子と吉田尚記アナが分析

アドバイスを求めているわけではないのに、「そのファッション、男ウケ悪いよ」「早く結婚しないとね」などと上から目線で言われる――そんなイラッとする発言の数々を、エッセイストの犬山紙子さんは「クソバイス」と命名しています。誰でも一度はクソバイスを受けたことがあるのではないでしょうか。

10月には、読者から寄せられたクソバイスと、犬山さんによる“うまい言い返し方”の数々を綴った書籍『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)も発売され、話題になっています。

今回は、“よっぴー”の愛称で親しまれるニッポン放送のアナウンサーであり、著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)もヒットした吉田尚記さんと犬山さんが、クソバイスについて対談。第1回目は、「人はなぜクソバイスをしてしまうのか?」などを分析してもらいました。

『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)

どんな人がクソバイスをするのか

――『言ってはいけないクソバイス』は、さまざまなクソバイスが紹介されています。読んでいると「あるある」と感じるとともに、「なぜこんなことを言ってくるんだろう」という疑問が湧いてきます。吉田さんは読んでみていかがでしたか。

吉田尚記さん(以下、吉田):考えてみると、僕の周りで一番クソバイスをしてくるのは9歳の娘なんですよ(笑)。「そんなのダメだよー!」とか、「そんなことも知らないの?」とか。たぶん、娘は思ったことをすぐに口に出してしまうんです。大人になるにつれ、「クソバイスをしてはいけない」という理性が少しは身についてくる。ところが、運が良い人は周りの人から「そんなことは言っちゃダメだよ」と修正されないまま大人になってしまう。だから、クソバイスをしがちな人は、本当にラッキーな人なんだと思います。

犬山紙子×吉田尚記「クソバイス」対談

左:犬山紙子さん 右:吉田尚記さん

犬山紙子さん(以下、犬山):私も毎回クソバイスの例を見ながら、「この人はなんでクソバイスをしたのだろう」と考えていました。やっぱり吉田さんのおっしゃったようにすごくラッキーというかずっと肯定してもらってきた、本当に言い方は悪いけど、甘やかされて育った人は多いなと感じます。あとは自分が受け続けたクソバイスを放出してるタイプや、コンプレックスの裏返しタイプや……。自分がコンプレックスに思っているからこそ、そこをかぶせてクソバイスをしてくる。

実は私も昔、クソバイスをする“クソバイザー”だったので、気持ちはわかります。人にダメって言うのって、相手が受け入れてくれると気持ち良いじゃないですか。要はマウンティングですよね。アドバイスしてあげる立場ということで、相手もなかなか反論しないことが多いし、めちゃくちゃ気持ちが良いんですよ。

――犬山さんがクソバイザーだったときは、どんな心境だったんですか。

犬山:無意識でした。自分は恥ずべきことをしているんだと知らない状態。あと、上の人がやっているから、これって正しいんだ、良いことなんだと勘違いして言っていました。もうひとつ、人に口出しできるほどの女、つまり良い女っぽく見える、とも思っていて。

クソバイスの中におもしろみを見つけられるか

吉田:クソバイスをされたとき、気まずくなりたくなければ、相手にずっとしゃべらせておけば楽ができるなと僕は思うんですよね。

犬山:クソバイスをどんどんしてくれた方が楽じゃないか、という……!?

吉田:ええ。だって別にその後、クソバイスを実行しなくちゃいけないわけじゃないでしょう。聞く気がないという、一番嫌なやつですが(笑)。

犬山:その域まで達するとは、さすが……!

吉田:ラジオではさまざまなゲストが来るので、慣れているというのもあるかもしれないですね。印象的だった俳優さんは、リスナーからの相談にお答えするコーナーが大好きだったようで、相談に対して「おまえ、もうアメリカ行った方が良いよ」みたいなことを言うんですね(笑)。そういうのはおもしろいなと。

犬山:相手との関係性もあるでしょうね。仕事で会う相手だと一回きりだからおもしろいというケースもあるけど、上司や同僚など何回も会う相手だったら変わってきますよね。

笑って聞き流せないクソバイスも多い

犬山:おもしろみを見いだせるクソバイスなら笑って聞き流すこともできるかもしれない。でも、クソバイスって、プライベートに関する内容がとても多いんです。自分のプライベートを知らないおっさんに「お前、早く結婚しろよ」と言われる……みたいなことが繰り返されたら、やっぱり辛くなっちゃうなと。

さっきクソバイザーだったという話をしましたが、された経験もたくさんあって。まだ独身の頃、ただの知り合いの男性に、ちょっとした自虐で「いやぁ、男にモテなくってさ〜」と行った瞬間、「子どもを産む年齢を考えたら卵子ヤバいよ、結婚、急いだ方がいいよ」と言われて。

吉田:えっ? その方は産婦人科医か何か?

犬山:全然違います。2人で話すのも初めてな知り合いで、恋愛感情もお互い一切ありません。だから超クソバイスだなと。そもそも私に子どもほしいと決めつけているし、仮にほしがっていたとしても、そんな情報知ってるし、そんな男にアドバイスされる筋合いないじゃないですか(笑)。こういうクソバイスに楽しみを見出すとなると、かなりの上級者ですよ。きっと、大半の方が楽しめない。だから、その前にクソバイスを流せるようになってほしいなと。

クソバイスへの万能回答は「おもしろい!」

吉田:この本にクソバイスをされたときに言い返す「クソバイス返し」って載っているじゃないですか。すげぇ強烈なので、一個でも実行に移されていたらそりゃすごいなと思うんですが。

犬山:実行には移していないです。ただ、全てのクソバイスに使えると思う「おもしろい!」というワードはよく使っています。

吉田:でも、同じですよ! さっき例に挙げた俳優さんに対する「おもしろい」と!

「クソバイス」対談

吉田尚記さん

犬山:(笑)。「おもしろい」って言うと、会話がそれ以上進まずに強制終了できるのと、相手には嫌な気持ちをさせずに、相手のクソバイスを「なるほど」と思っていませんよ、おもしろいという解釈ですよ、という印象を与えられます。「おもしろい」というワードはいかようにもとれるので、すごく勝手が良いです。

吉田:僕みたいに本当におもしろがるか、それが無理なら「おもしろがってますよ」という態度をとる、というのは一つ手段と言えそうですね。

【中編はこちら】ムカつく発言は「相手へのインタビュー」で受け流せ 犬山紙子×吉田尚記アナ対談

(撮影:竹内洋平)

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