グラビア写真集『mariko』(ワニブックス)が発売されたアナウンサーの脊山麻理子さんと『キャバ嬢の社会学』の著者・北条かやさんによる対談、最終回です。前回は「女性と加齢」について語りあったお二人。最終回は、これからの人生について伺います。

働く女性が、ふと長い人生を考えたとき。社会で女性が生きていくうえでのヒントは身近な人との出会いにあるかもしれません。アナウンサーの脊山麻理子さんと、彼女の影響で少しずつ変わってきたライターの北条かやさんに、働く女性のライフプランを語っていただきました。脊山さん曰く、「女性の人生はロールプレイングゲームだと思えば面白くなる」とのこと。その意味とは何なのでしょうか。

【前編はこちら】仕事で“女性らしさ”を活かすのは卑怯? 脊山麻理子×北条かや対談
【中編はこちら】「女は得だ」と批判されても“女の得”を手放すな 脊山麻理子×北条かやが語る

“理想の家族像”に捉われすぎない

ーー働く女性の悩みといえば、キャリアと結婚・出産・育児の両立だと思うのですが、お二人はどのようにお考えですか。

脊山麻理子さん(以下、脊山):だんだん年齢と相談して冷静になってきますよね。社会が女性に対して完璧を望んでいるところがあって「仕事してもいいけど、もちろん育児も完璧にするんですよね」というような。ベビーシッターとか、人に頼るのがダメといった雰囲気も。だからといって世間の目を気にして自分の保身のために、誰にも頼らず頑張ってみて、かえって子どもにしわ寄せがいくと可哀相ですよね。また、それで子育てを諦めるのも残念です。仕事もしたい、結婚して子どもを産みたいといった人は、みんなで子どもが幸せになれる環境づくりを考えたいですよね。世間体や社会に決められた夫婦像や家庭像に捉われるのではなく、その人らしい家族をつくっていければいいかと。なので、人に頼ったり仲間と協力したりして育てるのも、子どもが幸せになることを考えているのであればいいと思います。

北条かやさん(以下、北条):脊山さんは子どもを産みたいですか。

脊山:そういった選択肢があれば産みたいと思いますが、できないかもしれないし、一生独りかもしれないし、それはわからないですね。かやちゃんは?

北条:私は、今は恋愛や結婚よりも仕事に集中したいですね。フリーランスとして独立して正社員でなくなってからは、なんとなくライフコースが描きにくくなったこともあります。でも、仕事をずっとしていきたいですし、今は仕事をしすぎで体を壊してもいいかなと思ってしまうくらい仕事のことばかり考えてしまいます。

「人生はRPG」そう思えば楽しくなる

脊山×北条対談

左:北条かやさん 右:脊山麻理子さん

脊山:仕事っていう言葉にはこだわらなくていいかもしれませんね。生きていくなかで、やりがいのあるものをみつけられ、それによってお金が加算されていくといった、ロールプレイングゲームなようなものだと思うと面白いです。ある時期に学校に入学した、卒業した。事務所に所属した、その代わり対価は半分になったとか。(笑)また、グラビアという仕事を得た、というのもそうですし、同時にそれによって装備も変えますよね。

北条:確かに。仕事や状況の変化は、ゲームで装備を変えていくようなものだと捉えるといいですね。 「女を売りにして」、「影響されすぎ」とか批判されても、持っているアイテムの中から戦える装備を選んでいるといった、客観的な視点を取り入れて考えていけそうです。自分を俯瞰からキャラクターのように見ることで、感情移入しすぎないようになりつらさを減らせますよね。

脊山:そうですね。プレイスタイルとして、私は道に落ちているアイテムを全部拾いたいです。だから、女子アナにもなったし、グラビアもしてみた。ただ、一人が一度にアイテムを装備できる数は限られているから、状況に合わせて取捨選択して、その時々の敵……というか、相手にあった装備をしっかり整えていきたいですね。この人には、「かしこさ」強化でいこう、「かわいさ」もつけとこう、なんて考えていると、ちょっと面白くなってきませんか? グラビアのときの私、アナウンサーのときの私、全部私だけど強化している装備は全然違いますから。 人生はロールプレイング、できるだけやりこんでハッピーエンドのステージクリアを目指したいですよね。

人との出会いで人生が変わっていく

ーー今回の対談で言い残したことはありますか。

脊山: 頭のいい遺伝子を持って生まれても、勉強しなければ意味がないのと同じで、容姿がよく生まれても磨く努力をしなければ意味がないと思います。元々持ったものを自分なりに受け入れて、能力を活かすのも伸ばすのもその人の選択次第ですよね。かやちゃんは、女性として大きく育って最強のキャラクターになっていくような気がしていて、今は黙々と成長されているところを横で見ていてすごく楽しいです。

北条:そうですね。今ようやく芽生えてきたところです。脊山さんが20代半ばに杉本彩さんやRIKACOさんと出会って影響を受けたように、私のように29歳で脊山さんに出会って影響を受ける人もいますよね。私は執筆の仕事やテレビへの出演が増えてきたこともあって、自分の出し方や人からの見られ方が気になっていた時期でした。そんななかで、脊山さんとの出会いや今回の対談は、私のなかで転機になりました。

脊山:多くの素敵な女性との出会いで私が影響を受けてきたように、私もかやちゃんの人生に一石を投じられたなら嬉しいです! かやちゃんのロールプレイングゲームでいえば、武器屋のおかみみたいですね、私。「かやちゃん、ここで装備していくかい?」なんて(笑)。

脊山麻理子×北条かや対談

脊山麻理子さん

(写真:竹内洋平)

●脊山麻理子(せやままりこ)
1980年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。元日本テレビアナウンサー。現在、フリーアナウンサーとして活動中。グラビア写真集『mariko』(ワニブックス)やDVD『永遠の青春白書35 夏』(イーネット・フロンティア)を発売するなど、幅広い活動で注目されている。TOKYO MX『モーニングCROSS』レギュラー出演。






●北条かや(ほうじょうかや)
1986年生まれ。同志社大学社会学部卒業後、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。会社員を経て、2014年『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)を上梓。「BLOGOS」「Yahoo! ニュース」をはじめ、複数のメディアに社会系・経済系の記事を寄稿するかたわら、NHK『新世代が解く!ニッポンのジレンマ』、TOKYO MX『モーニングCROSS』などに出演。

田中あづみ

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